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昨日の朝リフエ空港を後にし、



ホノルルに一度降りる。
これはダイアモンドヘッド。
純はどこに?
WHERE IS JUN?
「はた」のかき鍋食べたいな。



マウイに向けて飛び。
これはマウイのサウスショア。
波があるね。



カフルイ空港でジャンボ機に乗り換え、マウイからサンディエゴに



5時間半かな?
結構長い。

俺はその間原稿書き。
このハワイアン航空のシート狭いよ。

やっとサンディエゴに到着。
夜九時。



そして今朝。
DC(大ちゃん)に乗せてもらい、ロストのメイヘム工場へやってきた。

DCとノア。



メイヘム発見。



それからランチまでずっとミーティング。
新素材フレックスライトの話題に終始。
2007年用の各サンプルを見ると、軽いし、強く、きれいでかっこいい。

これはコールのフレックスライト。
フレックスライトではコールブランドをメイヘムが製作する。



ランチは合流した柳瀬と4人でイタリアン。

その後コールに行く。



コール、シェイプルームのノア。



新マネジャー、ジョン・ロバートソン。
マット・アーチボルドをして、世界一のチューブライダーだとお墨付きをもらったが、一般には全く評価されていないプロサーファーのひとりだ。
彼がコールを支えている。



クアッド・バットフィッシュのプレシェイプが完了。
シェイプ前にパチリ。



一度サンクレメンテスケートパークでノアを放してあげ、それからハーちゃんに会いに。



新デッキパッドのデザインをするハーちゃん。



ロストの工場では、工場長のテレタビー・ジョーと会う。
彼とは10年来の友人で、コスタリカでカリチェ岬で再会した。



夜ジョーの家に遊びに行く約束をする。
彼はジミ・ヘンドリックスの再来と噂されるほどのギターの腕前だ。

午後6時の405フリーウェイはものすごい量の車が走り、行けども行けども片道5車線が大渋滞。

そのフレックスライトビジネスの件で、TSさんと電話で話す。
さっぱりとした人で、いつも明朗快活だ。

夕食はリトルサイゴンまで行き、ポーク・ブンを食べた。
疲れて眠いや。

サーフボードに囲まれるノア。


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朝起きると北西からダブル以上の波が届いていた。

でも同じ方向から風がやってきている。
つまりオンショア。

南はまあまあだけど、まあいいや。
荷支度して、メイルを戻していたら出発の時間となった。
慌ててこれを書いている、

今回はノアのも一緒だから量が多い。
なんとかなるだろう。

明日はイナリーズでこんな感じかなあ?
少し悔しい。
どうせまた無人なのだろう。



気がついたらもう12月。
年の瀬だ。
アメリカではクリスマス一色。
2006年も早かった。

それでは行ってきます!



少し、掲示板とか見られませんが、接続があった時点でお答えします。
またはお急ぎの方は柳瀬がお答えします。

ではではよろしくお願いします。
ホワイトハウスに行くと、波情報のブイでは波高が上がっていたのに実際にはなぜか下がっていた。
波情報も完全ではない。

オフショアが強く、寒く、曇りで暗いホワイトハウスに小さくなった波が風にあおられてやっとブレイクした。

ウエットを着て、ワックスまで塗ったが、鮫の予感がしてノーサーフとした。

それでもあきらめきれず、夕方ジョンの住むケカハに行き、オンショア、腰波で少しサーフ。
夕陽がきれいだった。

(終わり)


うう。
やっと日記風のブログを書くことができた。

ということで、今日のお話。

まずは去年開催した個展『ocean dreams』at ビームスギャラリーでの作品群。



図書館で週刊文春を見つけ、食い入るように読む。
平成十七年七月七日号と奥付にはあるが、西暦で生活しているので、今年7月だと読み進む。

興味を持った記事は、

1. 仰木監督の死を語る涙の清原
2. ヤンキース松井とペドロの遅刻話
3. 椎名誠の赤マント
4. 大リーグ養成講座

と椎名さん以外は野球ネタばかりだったが、七月に松井がゲームに出ているのは変だ、と途中で気づき、調べてみると去年の週刊誌であった。

その号の中にお寿司の話があって、子供の頃に突如出現した寿司桶を思い出した。

俺はポークカレーが大好きだったので、煙突から真上に上がる煙を映した夕焼け空を見ながら我が家の夕食はカレーを予想していた。

それは野球の帰り路で、
バットとグローブをハンドルに抱え、ボールをスポークに挟み団地を曲がると、豆腐屋の隣からカレーの匂いがした。

我が家もカレーであってくれ、と願いさらに進行し家の角を曲がると、お寿司屋さんのスーパーカブが家の前に。
「おおー!!」
と期待に酔いしれドアを開けると、叔母さんが来ていて、そのためのお寿司と知った。
本当にうれしいね。
正月でも食べられなかったお寿司だから、実物を見て興奮した。

わさび抜き鮪が大好きで、あの時の酸味がほんのりとフラッシュバック。

この後スーパーが近所に建ち、ここのおみやげ寿司で鮪8こ(かん)を全て一人で食べた時の衝撃は忘れられない。

ワサビといえば、ケカハ小波を攻めようと車にワサビ5'10"を積んでいると、持っているボードからシャリシャリと音がする。
ん?
これはEPSなのか?
と確かめるとまさしくEPSだった。

ポリエスターだと思って今まで乗っていたから、自分のいい加減さにびっくり。



で、このEPS硬いね。
前のクアッドシャークは柔らかくフットマークができたけど、このEPSは今のところ何もついていない。
実はテイルをドアで挟んだけど、黒くなっただけで壊れなかった。

話は終わらないな。

(お知らせ)
明日から飛行機3本乗り継いでサンディエゴ-サンクレメンテに行きます。
今回は息子ノアと2人旅で、

ハーチャン
コール
メイヘム
太郎ちゃん
こうすけくん
ヒロさん
サム
会計事務所
歯医者
のアポイントメントをこなしながら

スケートボードパーク巡りをしてきます。

明日朝出発だけど、明日分ブログはちゃんと書きますよ。

ではでは

おやすみなさい。


波が小さくなり、イナリーズ、ソフトサンド詣が終了した。
あーあ、やれやれと体を伸ばし、昨晩スパーキの家に遊びに行くと、カイルが「季節はずれの大きな南南西うねりが入っているぜ」と、教えてくれた。

そうなればホワイトハウス(WH)に朝から行く。

やはりうねりが届いていて、沖のピークがズドンとブレイクしている。
全くの無人。
季節はずれなのと、みんな先週波乗りしまくって疲れ切ったのだろう。
俺も体はドロドロに疲れている。

ワサビの初WH体験。

波のサイズはどのくらい?
3ftくらいだけど、セッション中盤にオバケが来て轟音と共に巻かれた。
深く沈められ、たまらずに目を開ける。

ロシアの宇宙飛行士ガガーリンが「地球は青かった」って言ったけど、それはアメリカへの挑発だったと、立花隆の『宇宙からの帰還』に書いてあった。

アメリカの宇宙飛行士は「神がいた」って言っていたけど、本当にいたらこまると思う。

だって、神ってそれぞれのものだから、そんなに簡単にはいかないんだよ、ってガガーリンが思って、この言葉を発したんだろうか。

でね、目を開けたらやっぱり海は青いのです。
「海は青かった」って言ったのは一昨日ここに出てきたジャック・マイヨールだから、なんて表現すればいいのかなあ、と考えていたら海面に浮かんできちゃった。

もうどうでもいいや。

最近文字の書きすぎで、頭が混乱してきた。

メイルに掲示板、このブログ、コメント、SNS、翻訳、原稿と毎日最低1万字は書いている。

Save our ocean!
とはサーフライダー・ファンデーションのキャッチコピーだけど、パタゴニアは「私たちと自然とのあいだにある架空の境界を取りはらう」とあった。

「むき出しの自然に触りながら発信できる幸せ」
とは、いま俺が考えたキャッチコピー。

そうだ、コメントにみなさんの今日のキャッチコピーを書き込んでください。

俳句、川柳も可です。

(おまけ)

時間がなくて載せられなかった1泊2日のオアフ色々。



純のお気に入りのZOOのそばにあるバナナパンケーキ屋。

中がしっとりで、外側がカリカリのおいしーいホットケーキでした。
そういえばジャック・ジョンソンも歌ってましたね。



公平さんお気に入りの「はた」は、キングストリート、ジッピーズの向かいにある。
ここは昔からある日系レストラン。

ここの牡蛎鍋が絶品!
この中に牡蛎がごろごろと12個入っていた。
タックスとチップを入れてちょうど15ドル。

トムくんのは「おおー!牡蛎が10涸も入っていますよ!」って喜んでいた(俺の数を言うと怒るから黙っていた)

味も本当においしくて、滞在中はこればかり食べてた。



492本のドン・ペリニョン。
1998年物です。



これを書いていたら純から電話が。
それを置いたら公平さんからも。

不思議だなあ。

ジェダイ騎士はみんなお見通しなんだね。
ワサビ(山葵)は、アブラナ科ワサビ属の植物。
日本原産。
食用。
独特の刺激性のある香味を持つ。

そのワサビではなく、ここではサーフボードのワサビのお話です。
こんな始まりは古典的だなあ、と自分で思います。



さて、このワサビはこのNAKISURFをスタートさせる際に「何か目玉商品はないかなあ?」とメイヘムに話して、俺はSD2のバージョンアップを考えたのです。

ロスト社のベストセラーSD2。
これはフラットデッキ気味の少し厚めのレイルでした。
小波はいいけど、パンチが出る波だと操作が少しむずかしかったので、思いきってテーパーレイルを提案して、シャークから盗用した幅広なアウトラインで回転性能を引き上げました。



それをテイルで絞るのは、ダブルバンプ・ウイング。
メイヘムが長い間アイディアとして持っていて、それをこのモデルで実現しました。
そして面積のあるラウンドスクアッシュで波へのパンチ感を高めます。
最近シャークモデルが流行していますが、小波でも限りなくシャープな波乗りをしたい人への提案なのです。



複雑なボトム形状はメイヘムのお家芸。
広く長いシングルコンケイブの中に、さらに2本のコンケイブを彫り込み、トライケイブとし、加速性能と操作性を確保しました。



メイヘムと話をすると、アンディ・アイアンズにトラッスルズWCT戦でワサビを渡したらものすごく気に入って、このデザインを2007年度のSD3とすることにしたそーです。
ワサビはNAKISURFと日本正規代理店専用だから、アメリカでは少し仕様を換えて、SD3だなんて憎いね。

「トヨタ車がアメリカでものすごく評価され、しかも売れている」と聞かされたような、誇らしい気持ちとなった。

さて、11日前に届いたワサビ。
ここでも書いたけど、最初にAVISO RNFに乗り、それからQちゃんことクアッド・ラウンドノーズ・フィッシュに乗り続けていた。

乗らなかった理由はこのペラペラのワサビには波が大きすぎたから。
それだけ。



フィンはFUTUREボックスだったので、クアッドフィンのサイド2枚をつけて、バックフィンにはVF460を取り付けた。
かっこいい。

マット(・アーチボルド)のシグネチャーモデルのアストロデッキを付け、ワックスアップしていざ出撃!

ワサビはカリフォルニア原産のサーフボード。
それをここノースハワイのノースショアで試すことは究極のテストなんだろうな。

さて、最近毎日参拝しているソフトサンドに着いた。

ここはリーフの廻りに砂が付き、この10日間はキラみたいなコンディションとなっている。
今日からようやく波は下がり、ワサビの出番が来たのです。

ここを簡単に説明すると、大きな砂浜が左右に3kmほど拡がり、ここにだけ浅いリーフが突き出ている。

その一番沖にバレルオンリーの浅いリーフがあり、そしてリーフと砂ミックスのバレル&リッピングピークはセカンドセクションと呼んだ。
コーナー沖のメインブレイク、手前にリッピング3連発できるインサイド。

どこでサーフしてもディープな感覚となります。
それほどまでに波は分厚く、掘れ、強く、斜面は長くと、波乗りのエッセンスが詰まっています。

上手く乗り継ぎ、砂浜に立つと、ロマンチックで胸にしみいる風情となる、そんな場所。

手強くてやさしく、大らかで清らか。
女の人に例えるとそんな波。

さて、俺のボードサイズは…。
えーと、5'10"x19"x2"と書いてある。
んー、これじゃASPサーファークラスの浮力だよ。
道理でペラペラで軽いわけだ。

昔取った杵柄というわけではないが、このボードは乗れるだろう。
そしてこれはメイヘムからの回答だからと、自らを納得させる。

いつも言っているポジティブシンキング(前向き思考)ですね。

浮力が足りないであろうボードを腕に挟み、自信を持っている風に浜を歩いていると、向こうからジョン(・ペック)がダブルストリンガーを持ってやってきた。

少し世間話をして、一緒に沖に出ることにした。

裸でも熱いのにジョンは長袖スプリングを来ている。

ワックスの塗り方も渋いし、なんといっても眼光の深さにやられてしまった。
さすが1960年代のレジェンドだけある。
しかも超アンダーグラウンドだけど、ジョエル(・チューダー)がジェリーさんと共に愛してやまない伝説のサーファーだ。

なんでも仕草がかっこいいなあ。
ちなみに彼はトヨタ・タコマ4WDに乗っている。(これもかっこいい)

さてさて、サーフボード話に戻る。

浮力がないけど、パドルは進むぞ。
これなら大丈夫というくらい進む。
きっとレイルは薄いけど、ボリュームがあるのだろう。
コンケイブの揚力かなあ。

沖に出ると、すぐに波は来なかった。
早く乗りたくて、今か今かと水平線を見ながらワクワクしながら待っていた。

やがてセットのラインが見えた。

昨日より西うねりっぽいので、ピークの芯より少し肩側に移動しながらテイクオフ。

斜面は切り立ち、ブレイクが速いので走り抜けるだけだったが、この加速に驚く。



ダックダイブのバランスもすばらしく、海面に上がってきてもぐらりともしない。
なんでだろう?
浮力かバランスなのかは不明だが、浮かぶとすぐにパドリングを始められるのはありがたい。

戻る途中にジョンがセット波の一本目を乗った。
おおー、いきなりワイプアウトだ!
なぜか無性にかっこいい。
ワイプアウトでさえも伝説に立ち会っている気がして、体が昂揚する。

「イエー、ジョンさん!」
と心の中で叫んだ。



次の波はレイト気味だったが、少し無理やり降りると、そのまま浅いバレルに包まれた。

水のカーテンがきれいだなあ。
ジョンさんも見ている。

うれしいなあ、とフェイスに出てきたらもう最高速に達し、カットバックで戻る。

フィンからキュューンと高音を出しながら波しぶきが上がっているのだろう。
ターンをしているのが気持ちいい。



フックに戻して、セクションエンドに引っかけるようにリッピング。
!!
ボードの返りが速い。
そのまま乗りつぎ、インサイドでロールインからフローターのアクション。

今週はRNF、Q-RNFとカービング傾向の強いボードを乗り込んできたからだろうけど、一瞬だけASP選手の気持ちとなるような錯覚に陥る。

加速。
あっというまに最高速を越えるものだから、ターンのタイミングを逃し、走りすぎてカットバックをしてしまった。
少し速度を抑えめとし、ターンをセクションにはめこんでいったら大正解。



これも自分のサーフ能力がこのボードによって、エキスパート級となった気がし、感慨深く波待ちしていたが、次の波でワイプアウト。
それを見たジョンが笑っている。
俺も笑顔。

このボードデザインは、小波有利と謳っているだけあり、加速感、ターンの回り込み、テイクオフの安定性、すべてに満足し凱歌をあげる。

【有名なバックウオッシュ】

さてさて、そろそろまとめないとね。

現代のシェイパーは、みんな小波用ボードで勝負しています。

いろんな珍しいボードデザインが出つくして、どんなのがでてもユーザーはびっくりしません。

そこにクラークフォームが昨年倒産し、さまざまな新素材が登場しました。

その隙間を埋めるためにオーストラリア産、スペイン産、メキシコ産のブランクスが流行しました。

そこで登場したのが、羽根のような新EPS素材、そしてこのオーストラリア産の真っ白なブランクスです。

こんなボードを持てば、「えー?こんなに軽い」、または「このデザインかっこいい!」と話題がふくらんでいきます。

いまは百花斉放(ひゃっかせいほう=いろいろな花が一斉に開く意味)
の時代だからこのように感じたままのインプレッションを書いてみた。

しかも自分のアイディアだったデザインが世界のトップシェイパーによって形になり、新素材を組み合わせたボードを使って、太平洋の真ん中の波に乗るというのはやっぱり凄いことですね。
(了、11/27/06)

これを書いた後、自らの文章を「客観性」という言葉で確信し、ここに公開します。
深海の、果てしなく青一色の世界の静寂に包まれてただ一人となるとき、時間と空間と光はひとつのものとなり、私は私の呼吸を一時止めて宇宙の呼吸に身を委ねる。その時私は両棲人間という私の真の本性と再会し、ひとつの“宇宙の歯車”に再び還っている自分を再発見する。

これはジャック・マイヨールJacques Mayolさんの著書冒頭にあった言葉。

これで海はいかに宇宙的かが伝わる。

ジャック・マイヨールは1976年11月23日、人類史上初めて素潜りで100メートルを超える記録をマークした。

その記念日に俺は波に乗っていた。



6ftはあるピーク。
黒い影はリーフだ。
そこに浅く砂が付き、深い水深から急浅となるため、美しいバレルとなった。

バレルの多くは速すぎて、俺にはなかなかメイクできなかった。
この写真のように出口は遠ざかり、泡がボードを掬(すく)う、または沈めてしまうのだ。

【夜明け】

その後、回転運動をしている波に巻かれるわけだが、ここでは浅いのでそのままリーフを転がってしまう。
当然足や背中は切り傷だらけとなる。

一度、トップから巻き上げられ、変な角度で波下辺にたたき落とされた。
岩に激突を覚悟し、意識を閉じた。

すると、インパクト後にもどこにも当たらず、俺は柔らかな砂地に押さえつけられていた。

轟音の下の静寂エリア。
「やった!」とゆっくりと目を開けるとピントの合わない広い視界が拡がっていた。

泡の塊である白い波は真上を通り過ぎている。



遠くで太陽の白色が揺らいで、光線が差し込んでいる。

ここは砂で満たされた大きな穴だった。

ものすごく落ち着いた俺はその宇宙空間みたいな海を見ながら、ジャック・マイヨールのことを考えていた。

ゆらゆらと海面に上がる。

こんな時にいつも彼はこの世界を見ていたのだなあ、と。

宇宙からのパワーなのか、人間の潜在能力なのか、全く苦しくならなかったワイプアウト。

波乗りとは実に不思議で深く、こうして宇宙的な感性まで感じさせてくれる。

宗教的なものはこの世に数多くあるけれど、俺は海教にどっぷり入信しているのだろう。



拡大版↓



この後、Qちゃんはプリンスビルのリックに渡したので、この波が最後のライディングとなった。

さよならQちゃん。
夜明け前にイナリーズ。
瞑想中のような毎日。
修行のバイオリズムなのだろう。

今日は昨日に増してものすごいブレイクとなった。
波圧がすごく、バレルの中で空気が超圧縮したのを感じた。
一瞬大気の粒子が単数となったように、まるで真空かと思ったほどで、具体的には音がなくなった。
一瞬ふわっと天に持ち上げられた感覚となる。



夜明けの間、黄金バレルに包まれ、やがて放心したように車に戻る。

タオルも使わずにそのままウエットを脱ぎ、砂だらけになった体ごと素っ裸で海に飛び込むと、ようやく現実に戻った。

いやあ、気持ちいい。
持ってきたお茶がうまいね。
いなり寿司最高。

携帯電話を見ると着信ありの点滅。

メッセージを聞くと、スパーキからで、ソフトサンドがすごいことになっているという。

慌てて行くと、300mくらいの距離に4ピークのパーフェクションが出現していた。
セットで4フィート、そうだなダブルくらい。
無風快晴。
インサイドでジョン・ペックが10フィートロングにニーパドルして、頭くらいの波に乗っている。
夢なのかこれは...?

沖に出ると、カリスマ島人カイル・マリグロがいて、バックドアみたいなバレル内に吸い込まれて一瞬で内部に圧縮された。
波にはうるさいスパーキが「最高最高!」とうっとりとしているので「これはすごいことだ」と気を引き締める。

使ったのはクアッドRNF5'5"。
斜面の中のホールド性という観点でシェーン(・ベッシェン)と話した時にバレル内のパンプを試してみたかったので、選んでみた。

スパーキは俺が進呈したタタキ2の5'10"。
この波にはものすごく調子良いらしい。

普通ならミニガンを使うシチュエーションなのに、ここはみんな変だ。

たっぷり乗り、上がると沖にものすごいバックサイダーが登場した。
彼は全てのセクションでバレルインしてインサイドまで来た。
速いぞ。
フォームボールになってもスピードが落ちないんだなあ。
最後のセクションでは大きくエア。
おお!
ネイトだ!!
ネイトとはネイザン・フレッチャーで師匠ハーチャンの次男。
ここに来ていたのか。
不思議な縁だ。
それにしてもいい波にふらっと現れて、さすが奇才だけある。
フォースなのか、ダークサイドかは読者のみなさんに委ねるが、すごいパワーだ。
ちなみに彼はFF4フィン盗作版でした。(笑)

浜で少し読書をする。
持ってきたのは大正文学の王、芥川龍之介。

この「蜘蛛の糸」というのはチューブライディングそのもので、今までの全てをお釈迦さまによって試されているように感じた。

テイクオフの位置、
ボトムターン、
波へのくっつき方、
ボードの落とし方(角度)、
体重移動、
そして精神力。

これら全てがうまくいかないと壁から振り落とされる、
巻き上げられる、またはリップに叩かれ、一瞬で地獄行きとなる。

極楽か地獄か。
波乗りは実に深い。
人生までかいま見えるのである。

ふと横を見ると、最後のいなり寿司を発見した。
この作品も終わりの文落に入っていた。

しかし極楽の稲荷寿司は、少しもそんな事には頓着(とんじゃく)致しません。
その玉のような金色の蕊(ずい)からは、何とも云えない好(よ)い匂が、絶間(たえま)なくあたりへ溢(あふ)れて居ります。
極楽ももう午(ひる)に近くなったのでございましょう。
(了)


(蜘蛛の糸あらすじ)
カンダタ(犍陀多)は大泥棒や人殺しと様々な悪事を行った為に地獄に落とされてしまいました。

しかし、生涯で一度だけ善い事をした事がありました。
それは小さな蜘蛛を助けたこと。

そこでお釈迦さまは、地獄の底のカンダタを極楽への道へと案内するために、一本の蜘蛛の糸を、カンダタに下ろしました。

カンダタは蜘蛛の糸をつたって、地獄から何万里も上にある極楽へと上り始めました。
ところが、糸をつたって上っている途中でカンダタはふと下を見下ろすと、数限りない罪人達が自分の上った後をつけていました。
このままでは糸は重さによって切れて、落ちてしまうとカンダタは思いました。
そこでカンダタは「この蜘蛛の糸は俺のものだぞ。お前達は一体誰に聞いて上ってきた。下りろ、下りろ。」と喚きました。

次の瞬間、蜘蛛の糸がカンダタのぶら下がっている所から切れてしまいました。
カンダタは再び地獄に落ちてしまいました。

お釈迦さまは極楽からこの一部始終をご覧になっていました。
自分だけが地獄から抜け出そうとするカンダタの無慈悲な心が、お釈迦様には浅ましく思われたのでしょう。
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プロフィール
名前:Naki 2009 または船木三秀
HP:NAKISURF
性別:男性
職業:専門職
趣味:海
自己紹介:
 11年暮らしたカリフォルニアからノースハワイ島に住みかえ、毎日クオリティの高い波で波乗りをしています。

 私は波乗り殉教者で、肩書きはプロサーファー、写真家、画家、ルポライター、デザイナーです。

 風が創ったさざ波が合わさり、遠くの洋(うみ)から陽の下、夜の中を駈けてきたうねりに乗る、というような気持ちで波に接している。
 その欲求と探求心は飽くことがないようで、小さい頃からの夢であった世界の海を旅し、自分なりのアウトプットを続けています。

 波を知ることは海を知ること。その深遠無限のインスピレーションを感じ、ゆらゆらと絡まった日々をこのブログで綴れたらなあ、と。

 そんな波乗りの奥深さ、その意識や感覚を文章、写真、絵で表現できたらと思っています。

 同業の方、同じ夢の方、海が好きな方、波乗りを愛する方、この場でお話しましょう。

 ありきたりの道具論に留まらないメッセージをみなさまと創ってみたいのです。

 また、カリフォルニア州、サンクレメンテ発のサーフショップ『NAKISURF.COM』も運営しております。

 こちらは長年培ったサーフ業界のコネクションを活かし、世界で一番誇れるWEB STOREを目指しておりますので、どうぞご覧になってください!

ぜひ!

 どうぞよろしくお願いします。
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