シャーキーズ＿大晦日

これでもか、と吹いていた貿易風が止んだ。
雨も止んだ。

東系の大きい風波だったので、そのうねりを追いかけてノースショアまで行ってきた。

ノースの重鎮リック・リーボウと、はるばる品川から来ている旧友高林さんと３人で遠くのリーフまでパドルアウトする。

ここは鮫に腕を噛みきられてしまった「ソウルサーファー」の著者で知られるベサニー・ハミルトンが被害に遭った場所なので、鮫関係の霊感を研ぎ澄ましてパドルアウトする。

干潮だったので、浅瀬の正面からは行けずに横の深いチャンネルの上を岩に沿って進む。
釣りをするからよく分かるんだけど、こういう場所は鮫アタックの特Aスポットです。

このチャンネルの深さは６０フィートとリックが言っているから約１８メーターもある！
それじゃ鮫さんは間違いなくいるぞ。

ひえー、っと獲物に間違われないように鋭く速くパドルしていく。



１５分ほどかけて沖に出ると、ものすごくいい波。
さすがノースショアの特級シークレットだ！

大きく分けてセクションが３つあり、うまくするとそのどれかがつながる。

夢のような波。

でも鮫がいるんですよね...。

新しい北西うねりも混じって入ってきていて、大きなセットでダブルくらい。

初めてのブレイクだったが、ホワイトハウスそっくりの波質で、セクション塊の後ろ側から波に入っていく。
この行為を通称「バックドア」と言う。
最高のドロップをメイク。

ひさしぶりにアドレナリン噴出。

人はたった５人だった。

「風がまったくない、お前はラッキーだ」とおじさんがにっこにこで話しかけてきた。

この「にっこにこ」を分析すると、鮫恐怖連帯感なのでしょうか。

「今日がこの冬でいちばん良いコンディションだ」とリックは言う。

一本テイクオフで思いきり吹き飛ばされ、リーフの上を転げ回り、それでも海面に上がらずに怖い思いをしたが、無事にそこから脱出した。

ここでは一本一本が真剣勝負であり、大げさでなく命がけであった。

たっぷりとたっぷりの波に乗り、また深い海の上を長いパドルで砂浜まで戻ると、えもいわれぬすがすがしさが俺を満たした。



本日２００７年の最後の日です。

今年もいろいろなことがありました。

ここでそれを回想はしないけれど、さっきから今年の記憶をたぐるように思い起こしています。

２００７年、ありがとうございました。

２００８年もみなさまにとってすばらしい年、そして時でありますように。

良いお年をお迎え下さい！

にっこにこ！！