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やっと、波が小さくなった。
それでもまだ胸くらいはあるのだからしぶとい。
これはこの国の海岸線が南に向いているからに他ならず、太平洋は南うねりだらけだとはじめて知った。
風も悪いので、街にププーザを食べに行く。
家にいて本を読んでいればいいのだけど、ここは暑く、蚊が異常発生し、そして増築工事をやっているのでうるさく、どこかに逃げたくなるのだ。
ここはルイスとマリーによると、「ププーザの銘店」というふれこみで、なるほど店に格が感じられる。
ププーザはとうもろこしの粉を水で練って、タネとなる「ビーンズ」、または「チーズ」、「カルネ(牛肉)」、「ペスカド(魚)」を入れ込み、この鉄板で焼いたものだ。
色々食べたが、直径が15cm〜18センチ程度で、値段も5セントから50セントとあった。
俺の名前「三秀」からおわかりの通り「3」が好きなので、いつもこうして三枚注文する。
これは「トレス(3)ペスカド、」と言うと、このように出てくる。(150円)
亮太くんはお腹が減りすぎたのか、「トレスププーザ」の他にこの「牛焼肉定食(300円)」を食べ、胃をもたれさせた。
それはこの暑さからなのか、銘店というふれこみに食欲が逆上したからかはわからないが、確かに彼はこれを全部食べたのだ。
ププーザには重要な脇役がいて、それは酢漬けのキャベツとほんのり辛いトマトソースだ。
野菜不足の俺は逆上気味にこうして皿に盛ってしまう。
本来は巻いてというか、キャベツをはさんで半月状に折って食べるププーザもこうなってしまうと、「すいません、フォークをください」となる。
フォークを持ってきたお店の人が俺の皿を見てぎょっとしているから、これはかなり異質の食べ方なのだろう。
前の八百屋で買ったアボカドも追加してあるので、「豪華絢爛なププーザスペシャルとなった」と自負しながら写真を撮った。
↑店内風景。他のお客はサッカー中継を食い入るように小さなTVを見ていた。
家に戻り、スーパーマーケットで見つけたこの「コンチャイ・トロ」のシャンパン(800円)を冷やす。
俺のブログに精通している方なら俺がいかにこのチリ産のコンチャイ・ワイナリーを愛しているかご存じだろう。
ここはメルロー、カベルネ、そしてシャルドネがおいしく、日本でもスーパーなどで600円程度で「フロンテラ」ラベルで販売しているからぜひお試し下さい。
「それのスパークリングを飲んでみたい」と長年願っていたら、なんとこんな辺境で見つけてしまったのだ。
それもそのはずチリはここから近く、ラインナップを見ると、ワインの主流はチリ産のようだった。
冷やすあいだ、オンショア波で波乗りをすると、胃が痛くなった。
これはププーザの怨念というか、そんな痛み方だ。
俺は軽く食べてこれだから食べ過ぎた亮太くんは今頃死んでいるのだろうな、とチラリ思う。
上の写真で気づいた人もいるだろうが、あれは飲料水のボトルを切って作った自家製シャンパンクーラーで、ラベルに「クリスタル」となっているのが、おしゃれでニッチだなあ、とうっとりする。
(ちなみにクリスタルとは、超高級シャンパンの銘柄です)
まったく色のつく気配のない夕陽を見ながらこれを開けて飲むと、ププーザ油にからまった胃が炭酸で洗われるようで、芳香なる白葡萄の香りを飲み込みながら、「さようなら今日」と浮かんできた。
お味は おいしいおいしいおいしいおいしいおいしい のひさしぶりの5つ星です!
こんな悪い波の日、そして非生産的なことをした一日だけど、きっとこれは俺の旅にとって重要なのだろうな、とむりやり考えていると、その意識は細い煙のようにからまりながらのぼっていった。
(追記)
おいしい酒を飲んだら運気が上昇したようで、この女の子たちが「レゲエバンドを聴きに行こうよ」と誘いに来た。
俺は「You Got The Silver」を唄い終えたキース・リチャーズのように「波が悪いから行ってもいいぜ」とふてぶてしく返事をした。
突然のガールズの来訪に喜ぶ亮太くんをパシャリ↓
この後、俺たちがどうなったかは秘密である。
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プロフィール
名前:Naki 2009 または船木三秀
HP:NAKISURF
性別:男性
職業:専門職
趣味:海
自己紹介:
11年暮らしたカリフォルニアからノースハワイ島に住みかえ、毎日クオリティの高い波で波乗りをしています。
私は波乗り殉教者で、肩書きはプロサーファー、写真家、画家、ルポライター、デザイナーです。
風が創ったさざ波が合わさり、遠くの洋(うみ)から陽の下、夜の中を駈けてきたうねりに乗る、というような気持ちで波に接している。
その欲求と探求心は飽くことがないようで、小さい頃からの夢であった世界の海を旅し、自分なりのアウトプットを続けています。
波を知ることは海を知ること。その深遠無限のインスピレーションを感じ、ゆらゆらと絡まった日々をこのブログで綴れたらなあ、と。
そんな波乗りの奥深さ、その意識や感覚を文章、写真、絵で表現できたらと思っています。
同業の方、同じ夢の方、海が好きな方、波乗りを愛する方、この場でお話しましょう。
ありきたりの道具論に留まらないメッセージをみなさまと創ってみたいのです。
また、カリフォルニア州、サンクレメンテ発のサーフショップ『NAKISURF.COM』も運営しております。
こちらは長年培ったサーフ業界のコネクションを活かし、世界で一番誇れるWEB STOREを目指しておりますので、どうぞご覧になってください!
ぜひ!
どうぞよろしくお願いします。
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