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昨日の便は猛烈な雨浸水でゲートを故障にさせ、その搭乗タラップを取り替えることによって無事に飛び立ったが、ハワイアン航空にしては珍しく遅延便となった。
ノースハワイに着くと無風快晴で、「あの大雨が消えてしまうとは」と不思議な気持ちとなった。
そして波が上がっているというウッドからの波情報を聞き、荷物を降ろしてすぐに海に向かうと、大きな南うねりがやってきていた。
南うねりは夏にやってくるうねりで、こんな11月に届くとは季節外れであるが、今年一番大きいメジャーなうねりであることは間違いないサイズだった。
ホワイトハウスでサーフし、帰ってからサーフライン等の波情報サイトで調べると、どうやらタヒチ、クリスマス島に巨大波を炸裂させた南うねりがここにやってきているとあった。
そして今日、予想ではうねりが一番大きい「ピーク日」であるという。
ホワイトハウスに行くと、いつもより沖で、ものすごいバレルがパーフェクトに口を拡げていた。
こんな大波の時にいつも感じるのが「孤独である」ということ。
海は動き、波が切り立ち俺に降りかかってくる。
その下に飛び込んだり、潜ったりするのだが、その際には精神を閉じる、つまり無心になるのだが、これがまたむずかしい。
少しでも恐ろしいと思うと、巻かれている時間が倍増する。
自身の体調を自ら問いかけ、集中し沖で波を待つ。
セット波の線が現れ、それに向かってさらに沖にパドリングする。
逃げられない、と判断すると今度は右か左か?
と自問し、その方向にしっかりとパドルする。
ダックダイブして海面に浮くと目を開ける前に左手からしっかりと漕ぎ始める。
そんな繰り返しの中、一瞬だけ波の芯が自分の前に現れ、それに向かって漕ぎ、波の中に降りていく。
風を感じ、風切り音を聞きながらする波乗りはひさしぶりである。
この瞬間に俺は鳥となり、羽ばたくように波を滑走する。
キックアウトし、波から解放された瞬間に満たされるが、また遠くに見えるピークまでパドリングを始める。
苦行のようだが、そうではない、
愉快かと聞かれればそうではない、とも答えるだろう。
こんな日に波に向かうのはいったいどんな自己意識がそうさせているのだろうか?
サーファーの意地?
経験を得たいから?
波乗りの極意を求めて?
新しい世界を探している?
次なる扉?
高速滑走感覚を要求しているのか?
巻かれると何も見えなくなり、それが怖い。
目を開けると一面の泡。
俺は気泡に還るのか?
そんなことを考えた日でした。
ノースハワイに着くと無風快晴で、「あの大雨が消えてしまうとは」と不思議な気持ちとなった。
そして波が上がっているというウッドからの波情報を聞き、荷物を降ろしてすぐに海に向かうと、大きな南うねりがやってきていた。
南うねりは夏にやってくるうねりで、こんな11月に届くとは季節外れであるが、今年一番大きいメジャーなうねりであることは間違いないサイズだった。
ホワイトハウスでサーフし、帰ってからサーフライン等の波情報サイトで調べると、どうやらタヒチ、クリスマス島に巨大波を炸裂させた南うねりがここにやってきているとあった。
そして今日、予想ではうねりが一番大きい「ピーク日」であるという。
ホワイトハウスに行くと、いつもより沖で、ものすごいバレルがパーフェクトに口を拡げていた。
こんな大波の時にいつも感じるのが「孤独である」ということ。
海は動き、波が切り立ち俺に降りかかってくる。
その下に飛び込んだり、潜ったりするのだが、その際には精神を閉じる、つまり無心になるのだが、これがまたむずかしい。
少しでも恐ろしいと思うと、巻かれている時間が倍増する。
自身の体調を自ら問いかけ、集中し沖で波を待つ。
セット波の線が現れ、それに向かってさらに沖にパドリングする。
逃げられない、と判断すると今度は右か左か?
と自問し、その方向にしっかりとパドルする。
ダックダイブして海面に浮くと目を開ける前に左手からしっかりと漕ぎ始める。
そんな繰り返しの中、一瞬だけ波の芯が自分の前に現れ、それに向かって漕ぎ、波の中に降りていく。
風を感じ、風切り音を聞きながらする波乗りはひさしぶりである。
この瞬間に俺は鳥となり、羽ばたくように波を滑走する。
キックアウトし、波から解放された瞬間に満たされるが、また遠くに見えるピークまでパドリングを始める。
苦行のようだが、そうではない、
愉快かと聞かれればそうではない、とも答えるだろう。
こんな日に波に向かうのはいったいどんな自己意識がそうさせているのだろうか?
サーファーの意地?
経験を得たいから?
波乗りの極意を求めて?
新しい世界を探している?
次なる扉?
高速滑走感覚を要求しているのか?
巻かれると何も見えなくなり、それが怖い。
目を開けると一面の泡。
俺は気泡に還るのか?
そんなことを考えた日でした。
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深海の、果てしなく青一色の世界の静寂に包まれてただ一人となるとき、時間と空間と光はひとつのものとなり、私は私の呼吸を一時止めて宇宙の呼吸に身を委ねる。その時私は両棲人間という私の真の本性と再会し、ひとつの“宇宙の歯車”に再び還っている自分を再発見する。
これはジャック・マイヨールJacques Mayolさんの著書冒頭にあった言葉。
これで海はいかに宇宙的かが伝わる。
ジャック・マイヨールは1976年11月23日、人類史上初めて素潜りで100メートルを超える記録をマークした。
その記念日に俺は波に乗っていた。
6ftはあるピーク。
黒い影はリーフだ。
そこに浅く砂が付き、深い水深から急浅となるため、美しいバレルとなった。
バレルの多くは速すぎて、俺にはなかなかメイクできなかった。
この写真のように出口は遠ざかり、泡がボードを掬(すく)う、または沈めてしまうのだ。
【夜明け】
その後、回転運動をしている波に巻かれるわけだが、ここでは浅いのでそのままリーフを転がってしまう。
当然足や背中は切り傷だらけとなる。
一度、トップから巻き上げられ、変な角度で波下辺にたたき落とされた。
岩に激突を覚悟し、意識を閉じた。
すると、インパクト後にもどこにも当たらず、俺は柔らかな砂地に押さえつけられていた。
轟音の下の静寂エリア。
「やった!」とゆっくりと目を開けるとピントの合わない広い視界が拡がっていた。
泡の塊である白い波は真上を通り過ぎている。
遠くで太陽の白色が揺らいで、光線が差し込んでいる。
ここは砂で満たされた大きな穴だった。
ものすごく落ち着いた俺はその宇宙空間みたいな海を見ながら、ジャック・マイヨールのことを考えていた。
ゆらゆらと海面に上がる。
こんな時にいつも彼はこの世界を見ていたのだなあ、と。
宇宙からのパワーなのか、人間の潜在能力なのか、全く苦しくならなかったワイプアウト。
波乗りとは実に不思議で深く、こうして宇宙的な感性まで感じさせてくれる。
宗教的なものはこの世に数多くあるけれど、俺は海教にどっぷり入信しているのだろう。
拡大版↓
この後、Qちゃんはプリンスビルのリックに渡したので、この波が最後のライディングとなった。
さよならQちゃん。
これはジャック・マイヨールJacques Mayolさんの著書冒頭にあった言葉。
これで海はいかに宇宙的かが伝わる。
ジャック・マイヨールは1976年11月23日、人類史上初めて素潜りで100メートルを超える記録をマークした。
その記念日に俺は波に乗っていた。
6ftはあるピーク。
黒い影はリーフだ。
そこに浅く砂が付き、深い水深から急浅となるため、美しいバレルとなった。
バレルの多くは速すぎて、俺にはなかなかメイクできなかった。
この写真のように出口は遠ざかり、泡がボードを掬(すく)う、または沈めてしまうのだ。
【夜明け】
その後、回転運動をしている波に巻かれるわけだが、ここでは浅いのでそのままリーフを転がってしまう。
当然足や背中は切り傷だらけとなる。
一度、トップから巻き上げられ、変な角度で波下辺にたたき落とされた。
岩に激突を覚悟し、意識を閉じた。
すると、インパクト後にもどこにも当たらず、俺は柔らかな砂地に押さえつけられていた。
轟音の下の静寂エリア。
「やった!」とゆっくりと目を開けるとピントの合わない広い視界が拡がっていた。
泡の塊である白い波は真上を通り過ぎている。
遠くで太陽の白色が揺らいで、光線が差し込んでいる。
ここは砂で満たされた大きな穴だった。
ものすごく落ち着いた俺はその宇宙空間みたいな海を見ながら、ジャック・マイヨールのことを考えていた。
ゆらゆらと海面に上がる。
こんな時にいつも彼はこの世界を見ていたのだなあ、と。
宇宙からのパワーなのか、人間の潜在能力なのか、全く苦しくならなかったワイプアウト。
波乗りとは実に不思議で深く、こうして宇宙的な感性まで感じさせてくれる。
宗教的なものはこの世に数多くあるけれど、俺は海教にどっぷり入信しているのだろう。
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この後、Qちゃんはプリンスビルのリックに渡したので、この波が最後のライディングとなった。
さよならQちゃん。
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プロフィール
名前:Naki 2009 または船木三秀
HP:NAKISURF
性別:男性
職業:専門職
趣味:海
自己紹介:
11年暮らしたカリフォルニアからノースハワイ島に住みかえ、毎日クオリティの高い波で波乗りをしています。
私は波乗り殉教者で、肩書きはプロサーファー、写真家、画家、ルポライター、デザイナーです。
風が創ったさざ波が合わさり、遠くの洋(うみ)から陽の下、夜の中を駈けてきたうねりに乗る、というような気持ちで波に接している。
その欲求と探求心は飽くことがないようで、小さい頃からの夢であった世界の海を旅し、自分なりのアウトプットを続けています。
波を知ることは海を知ること。その深遠無限のインスピレーションを感じ、ゆらゆらと絡まった日々をこのブログで綴れたらなあ、と。
そんな波乗りの奥深さ、その意識や感覚を文章、写真、絵で表現できたらと思っています。
同業の方、同じ夢の方、海が好きな方、波乗りを愛する方、この場でお話しましょう。
ありきたりの道具論に留まらないメッセージをみなさまと創ってみたいのです。
また、カリフォルニア州、サンクレメンテ発のサーフショップ『NAKISURF.COM』も運営しております。
こちらは長年培ったサーフ業界のコネクションを活かし、世界で一番誇れるWEB STOREを目指しておりますので、どうぞご覧になってください!
ぜひ!
どうぞよろしくお願いします。
私は波乗り殉教者で、肩書きはプロサーファー、写真家、画家、ルポライター、デザイナーです。
風が創ったさざ波が合わさり、遠くの洋(うみ)から陽の下、夜の中を駈けてきたうねりに乗る、というような気持ちで波に接している。
その欲求と探求心は飽くことがないようで、小さい頃からの夢であった世界の海を旅し、自分なりのアウトプットを続けています。
波を知ることは海を知ること。その深遠無限のインスピレーションを感じ、ゆらゆらと絡まった日々をこのブログで綴れたらなあ、と。
そんな波乗りの奥深さ、その意識や感覚を文章、写真、絵で表現できたらと思っています。
同業の方、同じ夢の方、海が好きな方、波乗りを愛する方、この場でお話しましょう。
ありきたりの道具論に留まらないメッセージをみなさまと創ってみたいのです。
また、カリフォルニア州、サンクレメンテ発のサーフショップ『NAKISURF.COM』も運営しております。
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