忍者ブログ
nakisurf ナキサーフ
nakisurf.com
[117] [118] [119] [120] [121] [122] [123] [124] [125] [126] [127]
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。



 むかしむかし、相州の浜前に、サーフボードを削って乗る主人と、波乗りをするおかみさんだけでやっている、小さなサーフショップがありました。

 この夫婦は、特別に金持ちではありませんが、毎日の波と乗るボードには不自由せず、健康にもめぐまれて、幸せにくらしていました。

 ある日の夕方ふたりで仲良く波乗りをしていると、 かっこいいプロサーファーとそのガールフレンドが黒のAvisoと、EPSクアッドに乗って、ふたりの目の前でバックサイドエアと、波の後ろからフィンまで飛び出るカービングリエントリーを決めました。

 それを見て、おかみさんが言いました。

「あの人たちみたいに、わたしも一度でいいから、すてきなEPSのクアッドフィンに乗り、アストロデッキを貼って、ターンをしてみたいものだわ」

 すると、主人も言いました。
「そうだな。何をするのにも、あの軽い中空カーボンファイバーならきっとエアが出来るし、目立つし、かっこよくいばっていられたら、もう言うことはないさ」

 このおかみさんはスタイルがよく、目のパッチリとした美人でした。

「ねえ、おまえさん。わたしがEPSに乗ってなぜいけないのさ」

「そりゃ、いけないっていうことはないさ。ただエポキシ樹脂の扱いがわからないだけなんだ。そんなこと言うのなら、俺だって毎日、あんな大変なシェイプをやめて楽しく暮らしたいさ」

 こんなことを言っているうちに、二人には自分たちの生活が、急にみすぼらしく見えてきたのです。

 それからというもの家の前でサーフィンをするプロサーファーを見るたびに、うらやましい気持ちがおこり、とたんに自分たちには、苦労ばかりしかないように思われてきたのです。

 おかみさんは、ため息をつきながらつぶやきました。
「こういう時に仙女がいてくれたらねえ。仙女が魔法のつえをひとふりすれば、たちまち願いがかなうっていうのはどうだい?」

 こう言ったとたん、家の中にサッと光のようなものがさしこんだのです。

 二人はおどろいて、ふりかえってみたのですが、誰もいません。

 しかし、家の中には、たしかに人の気配を感じるのでした。

「なんだか、気味が悪いね」
 二人が顔を見あわせていると、そこへスーッと、女の人があらわれたのです。

「あなたたちの話は、みんな聞きました。もう、不平をいう必要はありません。願いごとを三つ、口でとなえなさい。注意をしておきますが、三つだけですよ」

 仙女はそれだけいうと、スーッと消えました。

 主人とおかみさんは、しばらくポカンと口をあけたままでしたが、やがて主人が、ハッとしていいました。

「おいおい、おまえ、聞いたかい!」

「ええ、たしかに聞きました。三つだけ、願いがかなうって」

 二人はおどろいていましたが、だんだんうれしさがこみあげてきました。

「えへヘ、 願いごとは三つだけか。そうだな。一番はやっぱり、長生きできることだな」

「おまえさん、長生きしたって、働くばかりじゃつまらないよ。なんといっても、金持ちになるこったね」

「それもそうだ。大金持ちになりゃ、願いごとはなんでもかなうからな。AVISOシリーズ全部買って、フェラーリとくりゃ、この浜の英雄だな...」

 二人は、あれこれ考えました。

「ねえ、おまえさん、考えていたってはじまらないさ。急ぐことはないよ。ひと晩寝れば、いい知恵も浮かぶだろうから」

 こうして二人は、いつものように仕事にとりかかりました。

 しかしおかみさんは、台所仕事をしていても、三つの願いごとばかりが気にかかって、仕事がすすみません。

 主人のほうも、夢に見たフェラーリやAVISOが目のまえにちらついて、仕事が進みません。

 長い一日が終わって、夜になり、二人は暖炉のそばに腰をおろしました。

 暖炉の火はごうごうと燃え、妖しい光をなげかけていました。
 おかみさんは、暖炉の赤い火につられて、思わずさけびました。

「ああ、なんて美しい火だろう。この火で肉を焼いたら、きっとおいしいだろうね。今夜はひとつ、分厚いステーキでも食べてみたいもんだわ」

 おかみさんがそう言い終わったとたん、 願いごとがかなって、大きなリブアイステーキ肉がバタンと、天井から落ちてきました。

 すると、主人がどなりました。
「このまぬけ! おまえの食いしんぼうのおかげで、だいじな願いごとを使ってしまった。こんなもの、おまえの鼻にでもくっつけておけ!」

 主人がい言い終わるか終わらないうちに、ステーキ肉はおかみさんの鼻にくっついてしまいました。

 あわててひっぱってみましたが、どうしても取れません。

 きれいだったおかみさんの顔は、大きな肉がくっついて見られたものではありません。
 おかみさんは、大声で泣き出しました。

 それを見て、主人は言いました。
「おまえのおかげで、大事な願いごとをふたつも無駄にしてしまった。最後はやっぱり、大金持ちにしてほしいとお願いしようじゃないか」

 おかみさんは泣きじゃくりながら、足をドタバタさせました。
「おだまり! もうたくさんよ。最後の願いは、たったひとつ。このステーキ肉が鼻からはなれますように!」

 そのとたん、ステーキ肉は鼻からはなれ、おかみさんはもとの美しい顔に戻りました。

 それから二人は、二度と不平など言わず、今の暮らしを大切にしたということです。
 
 みなさんもいい波に乗って、楽しく健康に、幸せな年の瀬をお過ごし下さい。

PR


今日は222回記念なので、最近読んだいいお話を載せてみました。
クリスマスも近いので、タイミングがばっちりだと思います。
俺はどんな贈り物をするのか心配になりましたが。(笑)


*****
賢者の贈り物

オー・ヘンリー作
結城浩訳

1ドル87セント。それで全部。しかもそのうち60セントは小銭でした。小銭は一回の買い物につき一枚か二枚づつ浮かせたものです。乾物屋や八百屋や肉屋に無理矢理まけさせたので、しまいに、こんなに値切るなんてという無言の非難で頬が赤くなるほどでした。デラは三回数えてみました。でもやっぱり1ドル87セント。明日はクリスマスだというのに。

これでは、まったくのところ、粗末な小椅子に突っ伏して泣くしかありません。ですからデラはそうしました。そうしているうちに、人生というものは、わあわあ泣くのと、しくしく泣くのと、微笑みとでできており、しかも、わあわあ泣くのが大部分を占めていると思うようになりました。

この家の主婦が第一段階から第二段階へと少しづつ移行している間に、家の様子を見ておきましょう。ここは週8ドルの家具付きアパートです。全く筆舌に尽くしがたいというわけではないけれど、浮浪者一掃部隊に気をつけるためにアパートという名前をつけたに違いありません。

階下には郵便受けがありましたが手紙が入る様子はなく、呼び鈴はありましたが人間の指では鳴らせそうもありません。その上には「ミスター・ジェームズ・ディリンガム・ヤング」という名前が書かれた名刺が貼ってありました。

その「ディリンガム」の文字は、その名の持ち主に週30ドルの収入があった繁栄の時代にはそよ風にはためいてきました。でもいまや収入は20ドルに減ってしまい、文字たちはもっと慎ましく謙遜な「D」一文字に押し縮めようかと真剣に考えているようでした。しかし、ジェームズ・ディリンガム・ヤング氏が家に帰って二階のアパートに着くと、すでにデラとしてご紹介済みのジェームズ・ディリンガム・ヤング夫人が、「ジム」と呼びながら、いつでもぎゅうっと夫を抱きしめるのでした。これはたいへん結構なことですね。

デラは泣くのをやめ、頬に白粉をはたくのに意識を集中させました。デラは窓辺に立ち、灰色の裏庭にある灰色の塀の上を灰色の猫が歩いているのを物憂げに見ました。明日はクリスマスだというのに、ジムに贈り物を買うお金が1ドル87セントしかありません。何月も何月もコツコツとためてきたのに、これがその結果なのです。週20ドルでは、大したことはできません。支出はデラが計算した以上にありました。支出というものはいつだってそういうものでした。ジムへの贈り物を買うのに1ドル87セントしかないなんて。大切なジムなのに。デラは、ジムのために何かすばらしいものをあげようと、長い間計画していたのです。何か、すてきで、めったにないもの —— ジムの所有物となる栄誉を受けるに少しでも値する何かを。

その部屋の窓と窓の間には姿見の鏡が掛けられていました。たぶんあなたも8ドルの安アパートで見たことのあるような姿見でした。たいそう細身で機敏な人だけが、縦に細長い列に映る自分をすばやく見てとって、全身像を非常に正確に把握することができるのでしょう。デラはすらっとしていたので、その技術を会得しておりました。

急にデラは窓からくるりと身をひるがえし、その鏡の前に立ちました。デラの目はきらきらと輝いていましたが、顔は20秒の間、色を失っていたのでした。デラは手早く髪を下ろし、その長さいっぱいまで垂らしました。

さて、ジェームズ・ディリンガム・ヤング家には、誇るべき二つのものがありました。一つはジムの金時計です。かつてはジムの父、そしてその前にはジムの祖父が持っていたという金時計。もう一つはデラの髪でした。シバの女王が通風縦孔の向こう側のアパートに住んでいたとしましょう。ある日、デラが窓の外にぬれた髪を垂らして乾かそうとしたら、それだけで、女王様の宝石や宝物は色あせてしまったことでしょう。また、ソロモン王がビルの管理人をやっていて、宝物は地下室に山積みしていたとしましょう。ジムが通りがかりに時計を出すたび、王様はうらやましさのあまり、ひげをかきむしったことでしょう。

さて、そのデラの美しい髪は褐色の小さな滝のようにさざなみをうち、輝きながら彼女のまわりを流れ落ちていきました。髪はデラの膝のあたりまで届き、まるで長い衣のようでした。やがてデラは神経質そうにまた手早く髪をまとめあげました。ためらいながら1分間じっと立っていました。が、そのうちに涙が一粒、二粒、すりきれた赤いカーペットに落ちました。

デラは褐色の古いジャケットを羽織り、褐色の古い帽子をかぶりました。スカートをはためかせ、目にはまだ涙を光らせて、ドアの外に出ると、表通りへ続く階段を降りていきました。

デラが立ち止まったところの看板には、「マダム・ソフロニー。ヘア用品なら何でも。」と書いてありました。デラは階段を一つかけのぼり、胸をどきどきさせながらも気持ちを落ち着けました。女主人は大柄で、色は白すぎ、冷ややかで、とうてい「ソフロニー」という名前のようには見えませんでした。

「髪を買ってくださいますか」とデラは尋ねました。

「買うさ」と女主人は言いました。「帽子を取って見せなさいよ」

褐色の滝がさざなみのようにこぼれ落ちました。

「20ドル」手馴れた手つきで髪を持ち上げて女主人は言いました。

「すぐにください」とデラは言いました。

ああ、それから、薔薇のような翼に乗って2時間が過ぎていきました。 …なんて、使い古された比喩は忘れてください。デラはジムへの贈り物を探してお店を巡っておりました。

そしてとうとうデラは見つけたのです。それは確かにジムのため、ジムのためだけに作られたものでした。それほどすばらしいものはどの店にもありませんでした。デラは全部の店をひっくり返さんばかりに見たのですから。それはプラチナの時計鎖で、デザインはシンプルで上品でした。ごてごてした飾りではなく、素材のみがその価値を主張していたのです —— すべてのよきものがそうあるべきなのですが。その鎖は彼の時計につけるのにふさわしいとまで言えるものでした。その鎖を見たとたん、これはジムのものだ、とデラにはわかりました。この鎖はジムに似ていました。寡黙だが、価値がある —— この表現は鎖とジムの両者に当てはまりました。その鎖には21ドルかかり、デラは87セントをもって家に急いで帰りました。この鎖を時計につければ、どんな人の前でもちゃんと時間を気にすることができるようになるでしょう。時計はすばらしかったのですが、鎖の代わりに古い皮紐をつけていたため、ジムはこそこそと見るときもあったのです。

デラが家に着いたとき、興奮はやや醒め、分別と理性が頭をもたげてきました。ヘアアイロンを取り出し、ガスを着けると、愛に気前の良さを加えて生じた被害の跡を修繕する作業にかかりました。そういうのはいつも大変な仕事なのですよ、ねえあなた —— とてつもなく大きな仕事なのですよ。

40分のうちに、デラの髪は小さく集まったカールで覆われました。髪型のせいで、まるで、ずる休みした学童みたいに見えました。デラは、鏡にうつる自分の姿を、長い間、注意深く、ためつすがめつ見つめました。

「わたしのことを殺しはしないだろうけれど」とデラは独り言をいいました。「ジムはわたしのことを見るなり、コニーアイランドのコーラスガールみたいだって言うわ。でもわたしに何ができるの —— ああ、ほんとうに1ドル87セントで何ができるっていうの?」

7時にはコーヒーの用意ができ、フライパンはストーブの上にのり、チョップを焼く準備ができました。

ジムは決して遅れることはありませんでした。デラは時計の鎖を手の中で二重に巻き、彼がいつも入ってくるドアの近くのテーブルの隅に座りました。やがて、ジムがはじめの階段を上ってくる足音が聞こえると、デラは一瞬顔が青ざめました。デラは毎日のちょっとしたことでも小さな祈りを静かに唱える習慣がありましたが、このときは「神さま。どうかジムがわたしのことを今でもかわいいと思ってくれますように」とささやきました。

ドアが開き、ジムが入り、ドアを閉めました。ジムはやせていて、生真面目な顔つきをしていました。かわいそうに、まだ22歳なのに —— 彼は家庭を背負っているのです。新しいオーバーも必要だし、手袋もしていませんでした。

ジムは、ドアの内で立ち止まりました。うずらの匂いにじっとしている猟犬と同じように、そのまま動きませんでした。ジムの目はデラに釘付けでした。そしてその目には読み取ることのできない感情が込められていて、デラは恐くなってしまいました。それは憤怒ではなく、驚嘆でもなく、拒否でもなく、恐怖でもなく、デラが心していたどんな感情でもありませんでした。ジムは顔にその奇妙な表情を浮かべながら、ただ、じっとデラを見つめていたのです。

デラはテーブルを回ってジムの方へ歩み寄りました。

「ジム、ねえ、あなた」デラは声をあげました。「そんな顔して見ないで。髪の毛は切って、売っちゃったの。だって、あなたにプレゼント一つあげずにクリスマスを過ごすなんて絶対できないんだもの。髪はまた伸びるわ —— 気にしない、でしょ? こうしなきゃ駄目だったの。ほら、わたしの髪ってすごく早く伸びるし。『メリー・クリスマス』って言ってよ、ジム。そして楽しく過ごしましょ。どんなに素敵な —— 綺麗で素敵なプレゼントをあなたに用意したか、当てられないわよ」

「髪を切ったって?」とジムは苦労しつつ尋ねました。まるで、懸命に頭を働かせても明白な事実にたどり着けないようなありさまでした。

「切って、売っちゃったの」とデラは言いました。「それでも、わたしのこと、変わらずに好きでいてくれるわよね。髪がなくても、わたしはわたし、よね?」

ジムは部屋をさがしものでもするかのように見まわしました。

「髪がなくなっちゃったって?」ジムは何だか馬鹿になったように言いました。

「探さなくてもいいのよ」とデラは言いました。「売っちゃったの。だから、—— 売っちゃったからなくなったのよ。ねえ、クリスマスイブでしょ。優しくして。髪がなくなったのは、あなたのためなのよ。たぶん、わたしの髪の毛の一本一本まで神様には数えられているでしょうね」デラは急に真面目になり、優しく続けました。「でも、わたしがあなたをどれだけ愛しているかは、誰にもはかることはできないわ。チョップをかけてもいい、ジム?」

ジムはぼうっとした状態からはっと戻り、デラを抱きしめました。さて、それではここで10秒間、趣を変えたささやかな事柄について控え目に吟味をしてみましょう。週8ドルと年100万ドル —— その違いは何でしょうか。数学者や知恵者に尋ねたら、誤った答えが返って来るでしょう。東方の賢者は高価な贈り物を持ってきましたが、その中に答えはありませんでした。何だか暗いことを申しましたが、ここで述べた言明は、後にはっきりと光り輝くことになるのです。

ジムはオーバーのポケットから包みを取り出すと、テーブルに投げ出しました。

「ねえデラ、僕のことを勘違いしないで。髪型とか肌剃とかシャンプーとか、そんなもので僕のかわいい女の子を嫌いになったりするもんか。でも、その包みを開けたら、はじめのうちしばらく、どうして僕があんな風だったかわかると思うよ」

白い指がすばやく紐をちぎり紙を破りました。そして歓喜の叫びが上がり、それから、ああ、ヒステリックな涙と嘆きへと女性らしくすぐさま変わっていったのです。いそいで、そのアパートの主人が必死になって慰めなければなりませんでした。

包みの中には櫛(くし)が入っていたのです —— セットになった櫛で、横と後ろに刺すようになっているものでした。その櫛のセットは、デラがブロードウェイのお店の窓で、長い間あがめんばかりに思っていたものでした。美しい櫛、ピュアな亀甲でできていて、宝石で縁取りがしてあって —— 売ってなくなった美しい髪にぴったりでした。その櫛が高価だということをデラは知っていました。ですから、心のうちでは、その櫛がただもう欲しくて欲しくてたまらなかったのですけれど、実際に手に入るなんていう望みはちっとも抱いていなかったのです。そして、いま、この櫛が自分のものになったのです。けれども、この髪飾りによって飾られるべき髪の方がすでになくなっていたのでした。

しかし、デラは櫛を胸に抱きました。そしてやっとの思いで涙で濡れた目をあげ、微笑んでこう言うことができました。「わたしの髪はね、とっても早く伸びるのよ、ジム!」

そしてデラは火で焼かれた小猫のようにジャンプして声をあげました。「きゃっ、そうだ!」

自分がもらう美しい贈り物をジムはまだ見ていないのです。デラは手のひらに贈り物を乗せ、ジムに思いを込めて差し出しました。貴金属の鈍い光は、デラの輝くばかりの熱心な気持ちを反射しているかのようでした。

「ねえ素敵じゃない? 町中を探して見つけたのよ。あなたの時計にこの鎖をつけたら、一日に百回でも時間を調べたくなるわよ。時計、貸してよ。この鎖をつけたらどんな風になるか見たいの」

デラのこの言葉には従わず、ジムは椅子にどさりと腰を下ろし、両手を首の後ろに組んでにっこりと微笑みました。

「ねえデラ。僕達のクリスマスプレゼントは、しばらくの間、どこかにしまっておくことにしようよ。いますぐ使うには上等すぎるよ。櫛を買うお金を作るために、僕は時計を売っちゃったのさ。さあ、チョップを火にかけてくれよ」

東方の賢者は、ご存知のように、賢い人たちでした —— すばらしく賢い人たちだったんです —— 飼葉桶の中にいる御子に贈り物を運んできたのです。東方の賢者がクリスマスプレゼントを贈る、という習慣を考え出したのですね。彼らは賢明な人たちでしたから、もちろん贈り物も賢明なものでした。たぶん贈り物がだぶったりしたときには、別の品と交換をすることができる特典もあったでしょうね。さて、わたくしはこれまで、つたないながらも、アパートに住む二人の愚かな子供たちに起こった、平凡な物語をお話してまいりました。二人は愚かなことに、家の最もすばらしい宝物を互いのために台無しにしてしまったのです。しかしながら、今日の賢者たちへの最後の言葉として、こう言わせていただきましょう。贈り物をするすべての人の中で、この二人が最も賢明だったのです。贈り物をやりとりするすべての人の中で、この二人のような人たちこそ、最も賢い人たちなのです。世界中のどこであっても、このような人たちが最高の賢者なのです。彼らこそ、本当の、東方の賢者なのです。

Copyright (C) 1999 Hiroshi Yuki (結城 浩)




波乗りの
コール寄りそひて
イナリーズに 

うき世のうさを
知るよしもなし

これは「コールボードと俺がイナリーズで波乗りしていると、この世のつらさも全く感じない」という意味の五句体(31モーラ)つまり和歌。
この和歌は、817年前に他界された西行先生からインスピレーションを得ました。

で、今日のお話はバットフィッシュ・インプレッションです。



先週、ニューポートビーチでの膝腰進水式を終えて、そのバランスとスムースさに感激して、コールのロゴがまた輝いた。



このバットフィッシュを受け取るまでには紆余曲折(うよきょくせつ)であった。

メイヘムがコールのクアッドをコピーし、その前にはコールがメイヘムのラウンドノーズフィッシュをコピーしていたのだからそれはしょうがない。

そこで俺はメイヘムのクアッド・ラウンドノーズフィッシュ(Q-RNF)と、このバットマン、じゃなかったバットフィッシュを対決させようと同時にオーダーしたのだけど、その後すぐに「コールショック」が起きてしまった。
以前ここでも書いたが、Q-RNFは「Qちゃん」としていくつもの伝説が誕生した。

コールに「俺が行くカリフォルニア前にはシェイプしておいて、そっちで乗るから」と一月も前から電話で言っておいたのだが、俺の到着初日にようやくプレシェイプが仕上がってきたという状況...。
その後超急ぎでシェイプしてもらい、グラスショップ(巻き屋)で夜なべし、24時間で仕上げてもらったのがこのバットフィッシュ。
よって受け取りも日程最終日、しかも早朝5時と異例の時間だった。
デフォルトでついてくるFUTUREフィンを4枚取り付けていくと、まだ硬化完了していないのか樹脂が柔らかく感じた。
そういえば、最近のこのクアッドフィンにはコールロゴが入っていないんだなあ。
しかもデッキのロゴが逆さま(反転)です。(笑)
そんなことはどうでもいいや。



さてさて、このバットフィッシュはラウンドノーズ系でコールブランドではブレットフィッシュモデルに属する。これはその亜種になるのだろうか。
サーフボード製作工業界の達人でもあり、妖術を使うとされるコールが開発設計した新4フィンモデルだ。
4フィンなのにクアッドの文字はひとつもなく、「バットフィッシュ」という単語だけで全てを表現しているのにも、ネオクアッドの創始者コールならではの自信を感じた。

軽く、密度が細かく、強く、安定していて樹脂が染みこみづらい(重くならない)というUSA製のJUSTFOAMを使用したそうだ。
今回の私のオーダーは準ブラックレーベル(BL)なので、フィン以外はBL仕様となる。
デッキ側にはWARPとD-SIZEクロスの4オンスを各1層づつ、ボトムには4オンスWARP1層。
プロボード製作を20年近く担当している名職人ジェフ・ウエルズが余分な樹脂を巻き付けないように、樹脂を取りすぎて強度を落とさないように完璧にラミネートしてくれた。

改めて詳しくボードを見ると、女性の体のように曲線、つまりカーブだけで形成されたアウトラインと気づく。
スムースな乗り味を実現させるミディアム(ロー・ボキシー)レイルが削り出されていた。テイル付近からコールが言うところのコントロールエッジが効いている。貫禄のレイルタッチにうっとりとして、何度も触れてしまった。
いわば禁断のレイルなのだろうか....。

エントリーロッカーを極限まで抑え、テイルキックを少しリフトアップさせています。
これによってスピード、そしてコントロールという相反するアーニングポテンシャル(earning potential=所得潜在力)をポジティブ側に導いたのですね。

さて、ボードを裏返し、詳細微細のチェックをする。
ボトムコントゥアー(形状)は、ノーズ側からフラット、シングルドーム、その中にダブルバレルコンケイブをフロントフィン(後ろ足部)まで延ばし、テイルエンドでごくわずかのVEEをセットしてある。



このシステムは、コールの考えるところのターンのトラブルの原因となる「歪流」を取り除いた傑作で、現在カリフォルニアのシェイパーはほとんどこのスタイルである。
そして他のシェイパーがこぞって真似をしたバットテイル。

ルーツはダイアモンドテイルから組み替えられたコンセプトスタイルで、テイルアウトラインをばっさり1インチ短くできる。
結果、ライダーはオートマチックに約2.5cmテイル側を踏むこととなり、より激しいパフォーマンスとなってしまう。
本当によく考えられていて、そして理にかなっている。
ケリー・スレーターがサーフィングの天才ならば、コールはボードデザインのそれに違いない。
コール印の魔法をあますところなく使い、短く、丸いアウトラインのサーフボードが持つ特有の「不正確な浮き上がり」を排除し、直感的な、つまり意志のおもむくまま操れる性能を実現しました。



そのバットフィッシュを持ち、イナリーズへ行くと艶のある頭半の波がブレイクしていました。
上等の舞台と、至高、つまりこの上なく高く優れているボードを抱え、俺は踊るように砂浜を走り、海に飛び込んだのです。

何本か至福のターンを経験すると、冒頭に書いた和歌が頭に浮かびました。


今日はサーフボードのスウィートスポットの見つけ方というお題を見つけました。

というのはこれが見つけられないと、どんな名作ボードでも駄品になりさがります。
事実私もアマチュアの頃は、かなりの確率でこの場所が見つけられず難儀しました。



そのスウィートスポットを見つけるのにはコツがあるのですが、それはどのボードにも全員がうまく行くとは限らないのです。
ここにいくつかルールがあるのでそれを紹介します



1)デッキパッドを使う
  これによって足を置く位置をわかりやすくします。デッキパッドの先端付近は通常フロントフィンのちょうど真上に位置することをおぼえておきましょう。

2)前足を使うサーファー
  ニューボードを手に入れたらできるだけ薄くワックスを塗ってみる。前足の置く位置によってボードにへこみが出来る。ここが前足のスイートスポット。これを見つける事が出来たら、もう前は終了。もう前足は動かす必要はほとんどありません。

3)コンディションによって違いをつける
  足を置く位置の話ですが、掘れている波の場合、後ろ足はアクション系の波よりも前方に置きましょう。デッキパッドの前です。デッキパッドの上ではありません。大きなターンの時に1で触れたフロントフィンの上に足を戻す。このように波の状況に合わせて足の位置を変化させていく。



4)ガンタイプの場合
  これは少し時間を必要とします。ボードスペースが大きい分、足の位置も変わりやすいのです。ただ全般的にガンを使用する時は、後ろ足を前方に出すのが好ましいでしょう。

5)全く別のボード、例えば、シングルフィンやレトロフィッシュ等に乗ってみよう
  スピードの出し方がわかっているならボードをコントロールする事に集中してください。後ろ足をなるべく後ろに置く。そしてさらにターンをする時に足にボードが付いてくる位置まで少しずつ下げてみる。



これでそれぞれの足の位置が決まったわけですが、基本は前足をボードのセンター(中心)に。後ろ足が加速の際に前方(ノーズ寄り、フィン前)に、ターンの際はフロントフィンの上に下げ、大きなターンの際はさらにテイル側に下げるということです。
昔に調子の悪い時にビデオでスタンスの位置をチェックすると、後ろ足がデッキパッドの前にあって、絶好調なときにはきちんと後ろ、つまりちょうどバックフィンとフロントフィンの間に乗っていました。
それぞれのサーファーのスウィートスポットは違うのでしょうが、次の波乗りの際に自分の位置を注意してみると、これからのサーフィンライフがぐっと変わると思います。


アメリカ、カリフォルニア州でサーフボードに関わる仕事をしてきて12年。

シェイパーはもちろん、メーカーやサーフボード職人たちと多く関わってきた。
自身がプロサーファーであったこともあり、一般の人には足を踏み入れることのできない、工場やシェイピングルーム、またはモデル詳細のいきさつまで、いわば「聖域」での微細を顧客に伝えてビジネスにしてきた。

手前味噌で恐縮だが、超がつくほどの名匠とされるコール・シムラーと、NAKISURFとの間で独占販売権を得たのもそれまでのリレーションシップ、そして歴史と将来への希望以外には考えられない。

最近のサーフボードビジネスでは、モールド、新素材が目白押しだが、その中でもハイテクのリーダーで、その製造行程を超極秘としているAVISOのボード製作秘密を先日初めて知った。
彼らは秘密を保持するために工場をネバダ州に設立するほどの念の入れようだ。
だからここでもどこでもそれは言えないが、それはものすごいものである。
高圧力、高温...、あれ?もう言っちゃいそうになった。(笑)

そのAVISOとコールの初のコラボレーションであるファイアーフライ(FF)のプロトタイプが誕生した。
そしてそれを乗るという機会に恵まれた。

さて、このFFは3フィン全盛の時、コールがネイザン・フレッチャーと共に誰も乗らなかった4フィンに焦点を当て、長い間温め、育んできた新フィンシステムデザイン。



一時ソルトクリークの鬼マーク・ガブリエルが「ファイアーフライやばいぜ、乗ったか?」とそればかりみんなに聞いていたのがフラッシュバックされた。

その後、ネイザンと仲良くなったストレッチという奇妙なシェイパーがコールのデザイン、バットテイルまで全てを盗用し、「私のデザインだ!」と言い張り、シェイパー大賞まで取ったものだから、そのコールとネイザンのしてきた課程を知っているディノ・アンディーノを旗本に、当時者ネイザンまでも巻き込んで、コール擁護論を引き起こした。
この内容はハッピーマガジンにまで公表され、業界はちょっとした騒ぎとなった。
しかし当事者コールは涼しいもので、「言いたい奴には言わせておけばいい」と実力と創始者のみができる重く、対決しないという発言をして、イライラしていた周囲をはっとさせた。

話がそれた。
レイルにあるくぼみはコール考案のグラブコンケイブという試みで、クロスやストリンガーをそのままにレイル部の剛性を高めるというデザイン。
レイル剛性を高めると、ボトムターンでの伸びが変わる、折れが少なくなるという重要な利点を持つ。

これを受けて2006年度はファイアーワイアー、パラボリックストリンガーに代表される新システムが登場した。
このデザインが来年からやっているサーフボード工業デザインを新型だ!とハイプ(刺激)しているけど、これもこのコール印のグラブコンケイブを違う形で表現したのだ。
昨今の流行は全てコールのアイディアが実現されているに過ぎない。

その4フィンについてコールと話すと、フィンの角度と距離、そしてそれにあわせたコンケイブとレイル、ロッカーとのバランスが重要なのだと言い切った。

それら全てをシンクロナイズドさせて完全表現できなければAVISO社にはFFを製作させない、という条件付きで製作したのがこのプロトタイプFF。



AVISO社も世界的なカーボンファイバー技師がいるので、複雑なコールデザインの再現はお手のものとばかりに製作に入った。
だが通常3週間でサンプルは製作できるのだが、このFFの場合、実に倍の日数を費やした。
完成後AVISOは、すぐにコールのところにこのプロトサンプルを持ち込み、いかに彼の創造を再現できているかをチェックしてもらう。

この日のことはStaff Blogにもアップされているが、「ロッカー、レイル、コンケイブ、テイルVEE、フィンの位置、角度、重さ、バランス、ボリュームまで全て完璧だ」とコールから満点合格を得たのだ。
涙ぐむAVISO制作チーム。
夢と情熱の結晶なのだ。

ちなみにこのツール(モールド)を製作する費用は1万ドル。日本円で120万円もかかる。
モデルに対してではなく、サイズに対してだから現在FFは3サイズの生産が見込まれているからこれだけで準備金が360万円。

その記念すべきプロトモデルを試すべく、私が垂涎の読者になりかわり、我が身を挺してニューポートビーチのクローズアウト・バレルに突っ込み、その性能と強度を試してみることとなった。

話題の新作を試してみたいという興味本位なのだが、だれもがやりたいことはこちらがやるということを実践してみた。

このAVISO FFのサイズは5’10”x18-3/4”x2-1/4”と私には少し大きめだが、浮力が足りないよりはいい。
ワックスを塗り、いざいざと、その激浅のショアブレイクに向かった。

ボードをチェックするとポリエスターやEPSのFFと何も相違ないことに気づいた。

特にグラブコンケイブは完璧に再現されていて、黒光りするえぐれを眺めてうっとりとしてしまった。

そのグラブコンケイブの廻りには一段と濃い色の縁取りがされていて、AVISOのブラントはサンプル生産のみにこの色目が付いていると言う。



なぜ付いているのかを聞くと、この黒い縁取りは強度が強いもので、最初にグラブコンケイブの強度に対しての敬意だったのだが、実際には必要なく、製品版には反映しないそうだ。



バットテイルもカーボンファイバーが入り組んでいて、とてもセクシー。
他のAVISOのように中空なので、叩くと太鼓のような共鳴音がした。
ターンをすると、これがデッキ部だけ凹み、スプリングの役目をするのだろう。

全体の美しさに見とれていたらブラントはすでに海に入っていた。
波はどう見てもクローズアウト、日本風に言うところのダンパーである。

パドリングは安定している。
うれしいのでノーズをダンダンと叩き、海面に共鳴させた。
強度テストをするためにクローズアウトバレルに入り込み、ショックを与えてみようと巻き上げる波のコーナーからテイクオフ。



強いオフショアの割にはテイクオフが早く、波の壁にレイルをセットし、バレルイン。



すると一瞬真ん丸に拡がったバレルが下から吹き上げてくるフォームボール(泡)と交わった。
容赦ない一瞬のワイプアウト。
バックサイドだったのでレイルを掴んだまま、ノーズダイブしてしまった。
すると膝程度の浅さしかなかったので、ノーズはそのまま砂にめり込み、ボードを掴んだまま前転した。
「絶対に折れた....」と後悔するあれだ。
波の中でボードを離し、砂まみれになって上がってきてボードをチェックするが、まさかの無傷。
この強さには驚いた。
俺の体重をノーズにかけてしまったのに、本当に強いなあ、などと独り言。

4フィン独特の切れ込むようなターンもAVISOだとさらなる切れ味となる。



AVISO-FFすごい!と吼えると、「いやまだお前は佳い波に乗っていない」とコールからの声が聞こえるようだった。



着替えている間、横に立てかけてこのボードを眺めていると、フェロモンが出ているようで、愛おしくなってしまった。
これをAVISO社に返さずに逃避行か?などという考えも横切るが、ぐっとこらえる。(笑)
AVISO社にとっても大事な001号だからね。



車に積む時にそのフォルムが彗星みたいで、かっこいいなあ、とまたうっとりとした。
ニューポートビーチ市での2006年12月のことだった。
空にはふたご座流星群が見えるらしい。

ノースハワイに戻り、波はイナリーズが小さく、ソフトサンドは6フィートのジャンク。
でノーサーフ。

メイラーの調子が悪く、12/9-12/10の間のメイルが200通ほど受け取れていない事実が発覚。
昨夜から格闘しているが、復旧不可能と判断。
このサンダーバードというメイラーにすっかり慣れていたのに悔しい。
今までのところ全て返信したので、俺に送ってくれたメイルが返信されていなければ、すいませんがもういちど送信ください。
お願いします。

EPSONプリンターも壊れているらしく、スイッチを入れても動かずこちらもリタイア。

今ジミー・クリフを聴いているが、さっきかかっていたToo Many Rivers to Crossという歌詞が今の俺の気持ちにぴったりなんだなあ、って実感する。

歌詞がこれ。

Many rivers to cross
But I can't seem to find my way over
Wandering I am lost
As I travel along the white cliffs of dover

Many rivers to cross
And it's only my will that keeps me alive
I've been licked, washed up for years
And I merely survive because of my pride

And this loneliness won't leave me alone
It's such a drag to be on your own
My woman left me and she didn't say why
Well, I guess I'll have to cry

Many rivers to cross
But just where to begin I'm playing for time
There have been times I find myself
Thinking of committing some dreadful crime

Yes, I've got many rivers to cross
But I can't seem to find my way over
Wandering, I am lost
As I travel along the white cliffs of Dover

Yes, I've got many rivers to cross
And I merely survive because of my will...

ああ、放浪したいなあ。(笑)
これはノアのカリフォルニア移動部屋であった後部座席。
彼が持っているのはパイレーツオブ・カリビアンのジャック船。
旅の間はずっとこれで遊んでました。
ノアだけに舟好きです。(ノアの箱船)
まだまだ子供。



さて、昨日掲載できなかったカリフォルニア総括です。
実は2時間くらいかけて全て書いて、掲載投稿ボタンを押したら消えちゃった。
もう一回書く気力もなくて...。

だから昨日はあんなに短かかったのです。
大変な日でした。
バランスだからしょうがないか。

最終日(移動日ではない)の朝は早くから起き、メイル下書き保存し、ニューポートのスターバックスで全て発信し、新しいメイルを受け取り、そのまま56th streetで弊社柳瀬と合流。
この54、56th streetはニューポートのメインブレイクなのだが、いつも混んでいるので俺的には入りたいブレイクではない、しかし波の出る前日、それもセットでようやく膝腰という状況なら話は別。
堤防には2人、メインにはたったひとりがサーフしていた。

Qバットフィッシュの初乗りだあ。
フィンを取り付け、ハーチャン印のアストロデッキを貼って、いざ!



最初に堤防横に入ったけど、ピーク確保のために奥へ奥へと回り込むティーンエイジャーにうんざりし、ショアブレイクのメインに移動。
競争はフリーウエイだけで十分だ。
波はこんなものだが、ノアが写真を撮ってくれた。
浜に置いておいたカメラのスイッチをオンにし、タイミングもまあまあでよく撮れている。
これなら俺のアシスタントになるな。(笑)



後ろに見えるのは弊社柳瀬ともうひとりのサーファー。
平穏でした。
たっぷりと1時間サーフし、Qバットフィッシュの威力と性能に大満足。
早くインプレッションを書きたい。
柳瀬とさくさく着替え、AVISO社のアポイントメントに急ぐ。



アヴィソ社ではディレクターのDRブラントが出迎えてくれた。
彼は大の日本好きで、来年一緒に日本に連れて行こうと思っている。
先日サーフィンライフに掲載された四国の波に乗ろうと思っているらしいが、そんなに甘くないのは行ったら気づくのだろう。(笑)
そういえば飛行機に同席したジョエル(・チューダー)も「人生最高の波は実はショウナンビーチブレイクだ」と言っていたから、改めて日本の良さを知る。

オフィスでは来年製作されるモデル、タイプのスケジュール確認。



アメリカで大爆発している少し大きめなサイズの「ホバークラフト」というタイプのボード、大きめなラウンドノーズフィッシュをチェックする。
これらは大きい体型のサーファーにはもちろんロングボードからの転身者、そして初心者にぴったりのゆったりサイズなのだ。
俺も闘牛ポイント用に欲しくなった。



それからヴォルコムパークに行き、自信をつけたノアのボウルアクションを撮影。



フォトグラフィー屋でプリント用紙を買い込み、銀行や他の商店を廻り、最後は弊社で柳瀬、池谷とでミーティング。

旅終了の打ち上げはみんなで大好きなカフェヒロに行きお水で乾杯。

それから俺はコスタメサのロッジ(山小屋)に行き、暖炉の横で大好きな赤ワインとマティーニを飲みながらまったり。

運転するのは危ないので車内で少し仮眠。
気が付いたら深夜。

そのまま荷物を積み替え、朝陽のサンディエゴ空港に向かったのでした。
お世話になった人、新しく出会った人にありがとう。
愛をたくさんいただきました。

farewell.



今朝は夜明けと同時に出てサンディエゴ空港に向かう。

愛車レンちゃんともしばしのお別れだ。
今回は600マイル(960km)走破。
よく走ってくれた。



めちゃくちゃ混んでいたサンディエゴ空港。
やっとゲートまで辿り着き、ノアはマックのパンケーキ。
俺はソイチャイの朝食。



まずは最初の目的地ホノルル行きの機に乗り込むと、なんと隣はジョエル(・チューダー)だった。
これにはノアもびっくり。
「来週頃ノースハワイに行くから電話するよ」
だって、アーチに引き続き偶然シリーズ。
180席あるのに、日付も行き先も航空会社も一緒とは。
どんな確率なのだろう。



6時間かけてホノルルまで辿り着き、乗り換えてもうすぐ到着。



短かったけど、永い旅だった。
明日掲載忘れ、またはトピック詳細をアップします。



ノアの親友たち。
みんなかわいい。
左からモアナ、カレナ、ノア、EJマッカーサー、ジョイ、マヤ。
ちょっと見ない間にみんな大きくなった。
子供の成長は本当に早い。
お問合わせ・ご注文
カレンダー
10 2024/11 12
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
プロフィール
名前:Naki 2009 または船木三秀
HP:NAKISURF
性別:男性
職業:専門職
趣味:海
自己紹介:
 11年暮らしたカリフォルニアからノースハワイ島に住みかえ、毎日クオリティの高い波で波乗りをしています。

 私は波乗り殉教者で、肩書きはプロサーファー、写真家、画家、ルポライター、デザイナーです。

 風が創ったさざ波が合わさり、遠くの洋(うみ)から陽の下、夜の中を駈けてきたうねりに乗る、というような気持ちで波に接している。
 その欲求と探求心は飽くことがないようで、小さい頃からの夢であった世界の海を旅し、自分なりのアウトプットを続けています。

 波を知ることは海を知ること。その深遠無限のインスピレーションを感じ、ゆらゆらと絡まった日々をこのブログで綴れたらなあ、と。

 そんな波乗りの奥深さ、その意識や感覚を文章、写真、絵で表現できたらと思っています。

 同業の方、同じ夢の方、海が好きな方、波乗りを愛する方、この場でお話しましょう。

 ありきたりの道具論に留まらないメッセージをみなさまと創ってみたいのです。

 また、カリフォルニア州、サンクレメンテ発のサーフショップ『NAKISURF.COM』も運営しております。

 こちらは長年培ったサーフ業界のコネクションを活かし、世界で一番誇れるWEB STOREを目指しておりますので、どうぞご覧になってください!

ぜひ!

 どうぞよろしくお願いします。
最新の記事
(04/28)
(03/08)
(03/07)
(03/06)
(03/05)
(03/05)
(03/04)
(03/03)
(03/02)
(03/01)
(02/28)
(02/27)
(02/26)
(02/25)
(02/24)
(02/23)
(02/22)
(02/21)
(02/20)
(02/19)
(02/18)
(02/17)
(02/16)
(02/15)
(02/14)
ブログ内検索
CURRENT MOON
忍者ブログ [PR]

お問合わせ | プライバシーについて | サイトマップ
Copyright(c) 2008 Naki's Surfboards California. All rights reserved.
ホーム About Us Naki'sフレンズ コラム 壁紙ダウンロード リンク お問合わせ Sweet Blog naki's blog Staff Blog Tide Blog Hayato's Blog インプレッション nakisurf ナキサーフ