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きれいな朝焼けを見て、メールやSNSのコメントを整理して約束の7時にホワイトハウスに行く。



波は小さいが、なんとかブレイクするので入ろうと支度をしていると、車の後ろで「これを見ろ!」とニックが言う。

彼らに近づくと、ウツボが釣り糸に絡まったまま投げ捨てられていた。

かわいそうに。

きっと夜釣りをしていて針にかかったのだが、気持ち悪かったのでそのまま糸を切って捨てたのだろう。

長い糸とオモリ、そして針がついたままになっていて、こういうのを結構見るのですが、釣り師のマナーが悪い典型です。

どの浜に行っても糸や針がそのままになっていて、見ていると地元の大人が普通に悪気なくやっているが、教育とはこういうことも教えなくてはいけないのか?

ハワイアンの釣り師の多くはこんなきれいな海を守ろうとはしないことにがっかりする。

「品がないなあ」と3人で大きな溜息をついた。



いくつかエクセレントな波に乗り、ニックは一本バレルに入ってご満悦。

今日は日曜日なので朝食を食べてからもう一回サーフしよう、ということになった。

ジョンたちが泊まっているピートの家に行くと、梱包を解かれたAVISOが勢揃いしていた。



おーすごい!

俺にテストしてもらいたい、とジョンが持ってきたのはAVISOの新DVS、"HYDRO HULL"です。

「世界のフィッシュマニアのために削ったんだ。これこそが本来のフィッシュの動きをするから乗って欲しい」」とDVSことディック・ヴァン・ストラーレン(DICK VAN STRAALENがマスターシェイプしたモデル。



5'9"x 20-1/8"x 2-1/4"
ハイドロボトム エッジドディープスワロウテイル 
FUTUREツインフィン 

このスワロウテイルはみたことがないほど、切れ込み、そして段になっている。
デッキ側の窪みと相まって、薄く、美しい。



ケアステッカーを剥がし、「ワックスは俺が塗っていいのか?」と再確認してイニシャルワックスアップ。



この写真だとテイルの窪みがよくわかりますね↓



暑い日のワックスはこうして「Xの字」を書くように塗ります。



ジョンが特製リーシュの紐を付けてくれました。



あまりにも美しいフォルムにふたりしてうっとりとする。

これなら世界のフィッシュマニアも納得するでしょうね。



と今度はジョンのワックスアップの仕方を見て勉強させていただく。



弧を描くようにしてワックスの接地面積を多く取り



塗り進めるやりかたでした。



闘牛岬に行くと、空いている空いている!
車が4台しか停まっていない。

これは波がないか、または風が悪いのか、どちらかであろう。

とブレイクまで歩いていくと、波はあるしサーファーはたったのふたり。

??

こんな空いていていいのか?

と疑問に思うと、フラガールで有名な文ちゃんが歩いてきて「昨日ノースで10匹の鮫が目撃されたのよ。だからみんな怖くてサーフィンしていないんじゃないかな?」

ということで空いているらしい。

でも食べられるとしたらまずは一番おいしそうなシーライオン(トド)・ジョンが食べられるから平気さ、と言いながら本人を見ると、「DUDE!笑いごとじゃないぞ」と顔が引きつっている。

こんな日は怖いけど、自身の直感で間違いなく大丈夫な気がしたので迷いなくパドルアウトした。

DVS5'9"のパドルは速い。

丸いノーズを海面に出してぐいぐい進んでいく。

DVS5'10"の時は「推進力」と書いたけど、その通り、似ている進み方をします。

きっと彼のフィッシュはこんなところにこだわっているんだろう。

それに加えて、体重75kg前後の人が乗る浮力設定だから61kgの俺には余計に進むのだろう。

余談となるが、「AVISOの浮力幅」というのはすごい。

俺も乗れるし、28kgのノア、そして88kgのジョンも乗れちゃうんだから無敵です。



もちろんそれぞれの適正な動きがあるから「ノアがレイルをグワシと沈め」、または「ジョンがロングボードが乗る位置からテイクオフ」することはできないのでご注意を。

考えるとこの浮力幅が広いのは、AVISO内部が中空になっているからに他ならず、乗っている方ならご存じ、「ターンをするときに体重によってデッキが凹む」のです。

いやあ新時代だなあ、などと思いながら波に乗っていく。

DVS5'9"の特徴は、さっき上に書いた推進力の他に操作性が高まっているということだろう。

これはテイルをエッジ(段)としたからで、波に食い込みやすくなっている。



見た目はマイナーチェンジなんだけど、乗ってみるコンセプトチェンジというデザイン変更となっている。



逆にDVS5'10"の方はテイルボリュームがあるので、パンチのきいたターンとなり、DVS5'9"はしっとりとした流暢なターンとなる。

好みで選ぶといいのかもしれません。

ただ、よくフィッシュを乗っている人が錯覚するのは「究極のボードではないか?」ということで、じつは普通のボードの方がターンはしやすい。

でもフィッシュボードには浮力が全体的についているので、テイクオフとパドリングは早い。



直進性と相反する回転性能は、ツイン系の翼フィンと、ボード全長が短いので良好です。

よく聞くのが「曲がりません」という質問で、そう言う方の乗られているボードはフィッシュだったりすることが多い。

まあ、このDVS5'9"はその「曲げづらかった」フィッシュボードの操作性を上げてより親しみやすくしたデザインです。

こんな闘牛波のようなゆったりと乗れる波、湘南だったら七里ヶ浜、千葉だったら片貝、御宿のような波質だったら完璧にはまることでしょう。



そして浮力があってパーフェクトなロッカーがつき、なおかつ回転性があるので、初心者〜中級者の人にも向いています。

ちなみに長女カイラはロングだとノーズが刺さって、波乗り不信になっていたのだが、このフィッシュ(DVS5'10")を乗ってから上手くテイクオフができるようで、突然波乗りが楽しくなったようだ。

前出した文ちゃんはロングボード一辺倒だったのだが、「持ち運びが大変だからショートに乗りたいの。そしてビャーってターンをしてみたい」ということでもこのDVS(5'10")をお貸ししたらいきなり一本目から乗れて、俺はもちろん、本人も驚いていた。

書いていて気づいたのだが、フィッシュボードはロングと通常ショートの中間の味わいなのです。

そうだそうだ、これで存在の意味を知ってようやく落ち着きました。

そんな中庸(中間)デザイン、フィッシュボード。

その最高峰にDVSシリーズがラインナップされています。

余談ですが、DVSをジョンがAVISOラインナップに加えたく、気むずかしいとされる彼に会いにオーストラリアまで行き、その密接な交流がはじまったのです。



その記念すべき3本目のデザインがこのDVS"HYDRO HULL"5'9"。

フィッシュデザインの世界最高峰と呼ばれる夢のあるサーフボードをぜひお試し下さい。

テストドライブにモデルを加えるようにジョンに5本注文しました。

デリバリーは湘南、千葉を予定しております、

と、熱くすばらしいボードミーティングを無事に終えました。



鮫は出ずにその代わりに大きなホヌ(ウミガメ)が現れました。

それからシェイブアイス(かき氷)を食べながらミーティングをしようとしていたら突然の大雨が降ってきて車に避難しました。



なぜか全員同じ注文で、#2ハウピア(ココナッツ)スペシャルというフレーバーです。



王子ニックは、どこに行ってももてるので、今回も店内で待っているときに20才くらいの地元の女の子3人に「どこからきたの?いつまでいるの?どこにいるの?電話番号教えて?」とナンパされていました。



「断るのが大変だよ」とはいつものセリフです。

新しい週がはじまりました。

新聞を読むと、日本各地で猛暑が伝えられています。
どうぞお体にはお気を付けてお過ごし下さい。



ALOHA!
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Hello!

と暗い店に入っていく。

カウンターにはビヨン(Bjorn)という名前の親父が「ハイ、ナキ!ずっと見なかったけど元気か?」と、にこやかにこちらに歩みよってきて、大きな手で握手してきた。

「元気でしたよ。奥を見ていいかな?」と聞くと、

「Absolutely(もちろん)!」と奥の部屋に通じるドアの鍵を開けてくれた。

その隠し部屋に入り、まず目に飛び込んできたのはデール・ヴェルジーよりも昔からシェイプを始めたと言われる「シモンズ」の新品ボード。
これは1951年製であるという。

ビヨンによると、このボードは最近になって見つかり、120万ドル(約1億3200万円)の値がつけられ、即決で売れてしまったんだと言う。

買ったのは投資で儲けた企業家だそうだ。
ひやあ、お金があるところにはあるんだねえ、と溜息をつきながらビヨンの顔を見ると、にやにやしている。

彼の後ろを見るとすごいボードがたくさん並んでいた。

エディ・アイカウが乗った最後のボード。
これはサンクレメンテにできたサーフボード博物館が購入したのだそうで、金額は極秘だそうです。

ヴェルジーのファーストモデル50/50、そしてグレッグ・ノールが持ってポスターになったガンにコン・アグリーの変な形をした試作品。
ドナルドのファーストボード?なんてのもある。

どれもスーパーミント(極上)コンディションで、こんなボードがアメリカにはちゃんと残っているんだなあ、と実感する。

うーん、と唸って見ていると、価格はそれぞれ10万ドル(約1100万円)の値が付けられていて、これらはもうすぐSOLD(売り切れ)になるんだそう。

冗談で「クヤシイなあ!」と言うと、俺が買わないことを見透かしているビヨンは、お前だったら特別ディスカウントするぞ、ドーダ?
と仕掛けてくる。

欲しいが、それだったら今乗っているサビタ号を買い換えて、それからそれからと代替え案がたくさん出るが、そんなお金はどこにもないことに気づく。

俺の弱ってきた目の色を察して、ビヨンは奥からサーフボードの箱を引っ張ってきた。

「これはな、お前が欲しがるはずのボードが中に入っているんだ、驚くなよ」

といいながらプライヤーで箱に留められている業務用ホチキスを外し、エアバブル梱包材を解き、中から俺が生まれて初めて買ったサーフボードが現れた。

ブルーワーの花柄ロゴが入っていて、ナガヌマさんシェイプだった。
これは松田さんという人がオーダーして、彼のスポンサーだった源さんから格安で俺が買ったボードだった。
懐かしさとうれしさで視界が滲む。

「どうしてこんなものがまだあるのだ?それもここに....」と自分の目を疑った。
欲しかったら特別価格45万円でいいぞ。

と言いながらビヨンは次のボードを出してきた。

「これは!」
と、またまた感電してしまった。

大好きだった黒レイルのパープルボードで、蜘蛛の脚を模したブラシがノーズに描かれてあった。
これはブルーワー工場内で下田さんのエアブラシを使わせてもらって俺が書いたもの。

ノーズの横を壊して、下手ながら直した跡までそのまま残っていた。
下重さんシェイプの178cm。
これが30万という。
欲しい!

さらにはカリフォルニアでコールが俺に作ってくれたオリジナルボードが出てきた。
これにはロイ・ゴンザレスが描いてくれたエルビス・プレスリーのアートがあり、ハービーが特別に仕上げてくれた改造アストロデッキがそのまま貼られてあった。
メキシコはサンミゲルのWQSコンテストの時に欠けたフィン先がそのままの状態でここにある。

そのフィンを触り、そのまま自分の名前が書いてあるボトムに触れた。
それはヒンヤリしているのだが、過ぎ去ったあの日のすばらしい波と乾いた風があり、日本人ということで愛され、歓声を受けた会場での微熱がそこにはあった。

全部買い戻したい衝動に駆られるが、何もお金は持っていないことに気づき、そのボードをビヨンに返す。

ビヨンは比較的新しい年代のコールのボードなら24万円を特別に20万円にするよ、と言ってきた。

買わない理由を探すのだが、どこにも見つからないので、ジーンズの隠しポケットからクレジットカードを出す。
これなら限度額いっぱいで買えるだろう。

「ドモ毎度おおきに!」

となぜかエセ関西弁になったビヨンの声を後ろに、ボード片手に店を出る。

家に戻り、昨日届いたタカオさん印のボードラックに飾った。

で、手に入れてしまうと、後悔することってありませんか?

ああ、20万円かあ、これだったらサビタ号を買い換えればよかったなあ、と少し後悔しながらもう一度ボードを見ると、それはポキ(ねこ)にすり替わっていた。



あれ、変だぞ?

と思った途端、目を覚ました。

これらは全て夢だったのです。

と始まった今日。

やはり大事なボードは、手放さずきちんと保管しておかないとだめだなあ、と思ったのであります。

昨夕、アクアノイドをBD3に貼り付けたので、それを持って闘牛に行く。



装着って、もっとむずかしいかな?
と思っていた作業でしたが、ドドゲの三浦さんやカビカのあっちゃんは知っているだろうけど、修理や調整、そんなことを超がつくほど苦手な俺なのです。

でもやってみると簡単で、なんなく貼れました。

貼ってから思ったのが、

「(抵抗としては)AVISOで言うところのプロフィニッシュ、グロスフィニッシュの違いは何もない」とみんなに言い切っていたので、

「何もライディングが変わらなかったら中根博士になんと言おうか?」という重たい不安が頭をよぎる。

やはりこういうものって、俺はあんまり信用しないのだなぁ、とその自分の小ささに自己嫌悪する。

「でもその時はちゃんとそう言おう」と決心しながら車を走らせ闘牛に着いた。

一昨日よりもサイズが少し上がったようで、たまに腰+くらいのセットが入ってくる。

ちょうどフレディのサーフ時間と一緒になり(最近いつもだが)、浜でストレッチをしている彼にこのアクアノイドを見せたら

「日本の最新技術だな。まあ調子いいのかどうか見せてくれ」

と外人特有の「見るまで信じないぞ」の疑問系であった。

パドルアウトしてみると、その速度はあまり変わらない。

でもフィルムだけでパドリングが変わったら怖いよな、とフレディと話しながら沖に出ると、ロングが乗ってきて、彼はいいセクションの手前でワイプアウトした。

おー!とボードを翻し、波に乗り、ワンターン、ツーターン、と進むと「あれ?速いぞ」と実感し、そしてアクアノイドを貼ってあったことを思い出した。
そのまま進み、崩れた泡波の下、平らな海面でボードを振るようにトリミングしてもボードの速度はあまり落ちてこない。

これは!

と驚き、「ずごい!機能したぞ」とにっこり。

2本目は、ピークから滑った胸近い大きな極上のセット波。

速い速い、少し奥から入りすぎたので肩から行こうとしていたフレディの横を「ヤッホー」と通りすぎた。

それは「まさか抜けてくるとは!」とフレディが後で教えてくれたほどのビックリするほどの速度でした。

フレディが「お前今日調子いいなあ」と言うので、

「これだよ、忘れたの?」

とボトムに貼ってあるアクアノイドを見せると、「OH!そうかこれで速いのか!」

とフレディもビックリ。



もう一本乗って、その速さを実感確認した俺はフレディとボードを交換した。

一本乗ってラインナップに帰ってきたフレディ、以前このBD3に乗ったことがあるので、その違いにびっくりしていた。

「速いよな、テイクオフはそんなに変わらないんだけど、加速してからが伸びる。不思議だ。これはヨットの底についているのと同じものか?」

と聞いてくるが、俺にはあまり詳しいことはわからない。

でもサーフィングを長くしていて、こんなフィーリングは始めてで、ちょうど今バリでWCT戦に出ているケリー・スレーターに貼ってもらいたくなった。

いや、待てよ。

話は逸れる。
ご存じだとは思うが、アメリカでは寿司ブームだ。
これは内緒にしておけばいいのに「ドーダ、俺たちはこんなおいしいものを食べているんだぞ」と日本人が誇示した結果、マグロはもちろんのこと世界中で魚不足となり、魚の値がまた上がってしまったので、外人にこのおいしさを教えなければよかった、というのは在米日本人共通の意見だと思う。

なので、外人にこんないいものを教える前に日本人だけでこのアクアノイドを使って、初のWCT選手誕生というわけにはいかないのかなあ?

そんなことを夢想しながら夏の闘牛岬に浮いていると、沖に白い鳥が一羽飛んでいた。

8月になりました。
夏はもうすぐいなくなっちゃいそうです。

(おまけ)
船木式アクアノイド装着レポート

まずはボードを用意。
これは上にも書きましたがAVIS BD3プロフィニッシュです。



取扱説明書(以下、取説)ワックスリムーバーできれいにする、とあったがそんなものはここにはないので、家庭用クリーナーできれいにしました。



でもこれだとワックスが溶けないので、結局は陽に当てながらから拭きしてワックスを取りました。

ぴっかぴか状態↓



さらに耐水ペーパーの2000番できれいにする、と取説にあったのだが、こういうのが面倒な俺は、いつもの180番でガリガリと表面を磨き、その後2000番で拭き取るようにしました。

そうだ、その前に一度ボトムパッドを置き、貼り位置を確認してから削りました。



乾いた布でよく拭いてからいよいよ貼り付けです。

半面を剥がして、目標位置にズバリと。



押しつけて固定したら残りも剥がし、こすりつけて圧着させます。



同じようにフィンの内側も耐水ペーパーで磨いてからフィンパッドを貼りました。



しっかりとこすって、密着させて完成です!

取説によると、ここから1〜2日置いておくと密着度が高まり、剥がれづらくなるみたいです。

全部で20分で終了しましたので、参考にしてください。
テープで仮止めとかの行程は無視しちゃいました。
(なぜなら、もし曲がっても性能に影響がないと理解しているから)

で、クリーナーも出ているので、このままNAKISURFステッカーも貼っちゃいます。

まずは白い、半透明の台紙にステッカーが乗るようにゆっくりと表面を剥ぎとります。

このとき、水色の台紙にステッカーが残るようだったら、指などで白いほうにくっつけてください。



希望する位置付近を上記アクアノイドのときと同様にきれいにして、はぎ取った白い台紙とステッカーを貼り付けます。



↓指などでよくこすります。



特に羽根、文字の細い部分は接着しづらいので一本一本密着させてください。



↓密着させたら白い台紙をゆっくりと剥がします。



剥がしたら



指で圧着させましょう。



最初に剥がした裏台紙(水色)を使ってもっと圧着させたら終了です。
(ここまで2分でした)



終了です!!

コスタリカにいるシエィ(・ロペス)からメールが届き、それにはこんな画像が添付されていた。



波もそうだけど、すごいボトムターンだ!
AVISOは間違いないんだけど、ブラックダイヤモンド?風のボードデザインです。

ブレイクはたぶんカリチェ岬。
とすると、南西うねり。

バレルもこのようにぽっかり口を開いています。



向こうはこんなに波があるのですね。
こっちは腰胸程度です。

さて、こっちのAVISO(BD3)はノアがレイルを車から落とし、地面(アスファルト)にぶつけてしまった。

ポリやEPS、XTR製だとぐっしゃりいっちゃっていた傷だろうけど、AVISOならではの強度で、なんと外側コートがヒビ割れただけでした。

そのまま波乗りしていたんだけど、レイルなので波待ちの際に内股にひっかかって痛いということで修理することにしました。



ついでに以前から空いていたテイルのピンホールも直しちゃいます。

(ここで3分クッキングのテーマ♪)

まず用意するのは紙ヤスリ。

私は荒削りをするので180番を用意しました。

それと、市販されている紫外線硬化型レジン(樹脂)。

これだけです。



紙ヤスリを折りたたみ、傷口=修理箇所をガリガリと30回こすり、向きを変えてもう30回、さらに向きを変え20回削りました。

合計80回往復させました。
じつはぞろ目好きなので後8回こすって88回としました。



↑もう直っちゃったようなきれいさで、傷はやはり表面コートのみと確認できました。
これで終わりにしても良かったのですが、せっかく樹脂を用意したので続けます。

今度はテイルのピンホール。



これはボトムとデッキの貼りあわせ部分、つまり継ぎ目にエアバブルが入ると、穴が開いてしまうようです。

よく聞かれるのですが、AVISOはフォームを使用していないので、内部に水が入っても平気ですよ。

もっと言うと、もし内部に水が入っても普通のボードと違い、劣化しないのです。
多くの人は、AVISOが宇宙船だと思っているらしく、穴が空いてしまうとびっくりしてしまうようです。

AVISOで大気圏突入するわけではないので大丈夫です。
そして、穴が空いてもすぐに直るのでご安心を。

こちらも穴の周りを先ほどの紙ヤスリでガリガリと向きを変え、合計88回こすり、穴を大きくします。

水を吸っていることもありますが、とりあえずガリガリと削ってください。

私のはこんな感じになりました。
やはり気泡の形です。



ここまできたら傷周辺から水分を拭き取り、日陰に移動して、紫外線硬化樹脂を塗ります。



さきほどのレイルにも塗ってください。



こんな感じです。



塗り終わったら陽に当てると硬化します。(1〜3分)

硬化したら先ほどの紙ヤスリで軽く削って終了です。

その際、指についた樹脂も陽に当てて硬化させて、後でぼろぼろと剥がしてください。

紫外線硬化樹脂は、エポキシでもポリエスターどちらも可です。

*AVISOにはエポキシが使用されていますが、発泡フォームを使用していないので溶ける心配はありません。なのでどちらでも大丈夫です。

こういった細かい仕事が大の苦手、という俺の5分作業でした。

プロの人はここから磨き込み、ピカピカにして仕上げるのですが、私は現場主義のボードが大好きなので、ここまでの「仕上げなし」状態で完成です。
完成して、ネバダカリフォルニアノースハワイエルサルバドルカリフォルニア南島台風5号キンチャンズと旅して酷使したAVISO BD3。

で、南島あたりから水が入るようになってしまった。

でも内部はコーティングされているので、そのまま放っておいて、台風5号の後にトリートメントも兼ねて茅ヶ崎でリペアしました。(提供HRS)

侵入箇所はFCSプラグに空いた小さなピンホール。

こんな小さな穴からでも波乗りの際の押しつける圧力で吸水してしまう。

この小さな穴はプラグ周りにある接着剤が劣化してできるもので、使用頻度にもよるが年月が経つと大小関わらず出てきます。

通常のポリエスター、EPSも同様ですが、こちらは中空じゃないのでわからないのですね。

まあこれが中空ボードの宿命で、AVISOも良くできていて、それを想定して最初から内部をコーティングしてある。

つまりリーシュプラグを外して水洗いもできるほどで、今までのサーフボードの概念を破った製品ではある。

修理に戻ります。
これは行程5〜10分、乾燥まで30分(晴天日)という簡単なものなので、同じような穴が出現した人に向けて少し写真を添えてレクチャーします。

必要なもの

A 80番の紙ヤスリ

B 紫外線で硬化するタイプの樹脂(エポキシでなくても普通のポリエスター系でOK)

1.まずはリーシュプラグを外します。そしてこのピンホール(赤矢印がそうです)付近の
  (簡単な探し方は水が入ったまま陽に10分当てておくと、水が穴から出てきます)



2.穴を大きくするように80番の紙ヤスリ(ここではペンタイプのサンダーを使用しています)でガリガリ削ってください。



3.穴が開いたら
  (もしここで水分を感じたらもうすこし乾かしてください。注意:ドライヤーを使用する際は熱風にしないように気をつけてください)



4.その穴の中、そしてプラグ周りをコートするように樹脂を付けてください。



5.硬化したら完成!



今回はどうせ樹脂を使うなら、ということで予防も兼ねて全てのプラグをコートしちゃいました。

私の場合はHRSさんのご厚意もあって、ミッキーマウス型に樹脂が塗られていました。(笑)

本当に簡単ですので、ぜひ!

と、ノースハワイに目を戻すと南南西うねりはまだ続いています。

これは南側シークレット、「ククイグローブ波」です!



エルサルバドルから一路メキシコ本国のバラに向かった亮太くんからメールがあった。

「毎日こんないい波でやっています」
とはうらやましい。

少し前、俺もこんなにいい波に乗っていたんだなあ。



と彼が防水コンパクトカメラで撮ってくれた写真を見る。
Aviso BD3です。



こんな国配置で、メキシコ南端もすぐです。



昨日載せきれなかったベセール印のキッシングフィッシュ。



分厚く、幅広のフィッシュボードの特徴である大きなスワロウテイルが付いている。



ティム(・ベセール)お得意のボキシーレイル。
同じセンター厚のコール「グラスホッパー」よりもかなり厚く感じます。

スペックは 5'6"x19-1/2"x2-3/8"



レイルとテイル、ノーズ幅が大きいため、前出のグラスホッパーと浮力を比較すると125%増し程度だと思います。





なのでパドルがさらに速い。
もうファンボード並ですね。

このフィッシュ系ボードの特徴はテイクオフは早いが、「ターンが重く」、「一度曲がり始めると切れすぎる」というデメリットがあるが、このキッシングフィッシュはそんな印象が薄く、写真で見る通りキレ味爽快です。

ベセールクアッド↓



でもグラスホッパーにくらべると切り返しは遅いのですが、それを補って余りある浮力と独特の艶っぽい色気がある。

アウトラインはじつにエロチックで、このデザインに惚れ込んでいる諸兄姉貴も多いのではないでしょうか。

そんなことを考えていたら柳瀬に「貸してください」と取られてしまい、その後戻ってこなかった。

65キロの体重の柳瀬には、このマキシマムボリュームのキッシングフィッシュを愛したようで、寄り添うようにターンを繰り返している。

先ほどオフィスに戻り、彼が書いたブログ「キッシングフィッシュ編」を見ると、

「フリーライドという楽しみ方を発見!」

「遊び感覚で自由に乗り回す」

というキャッチコピーが踊っていて、あら以前にも乗ったことがあったのね、と思い、尋ねると「はい、ティムに貸してもらい乗りました」だって。

さてさて、このリビエラを上から見るとこんな風景で、多くのサーファーたちがここで楽しんでいる。



この辺りで一般的なブレイクは、WCTなどでおなじみのローワー・トレッスルズだろう。

だが、狂気に激という文字が躍るほどの混雑ぶりで、通常のサーファーは1時間に一本の波に乗れたらその夜はうれしくて眠れないだろう。

それほど混んでいる。

で、サンクレメンテに住む多くのサーファーたちはそんな混雑ぶりを一瞥し、半ば馬鹿にしながらこの付近のビーチブレイクにやってくるのだ。

冬はソルトクリークが良く、北西うねりならアッパー・トレッスルズの倍のサイズはあります。

この前に住む王子ニックも現れました。



官能的なキッシングフィッシュの乗り味を発見し、したり顔の柳瀬。



ニック家のお隣ガレージにはランボルギーニの新型が入っていて、それにびっくり。

さっきネットで調べると、この車だった。



スーパーカー世代なので、こんなデザインに心が躍ります。



オフィスに戻るとウッドからメールで、「iPhoneを買ったぞよ、NAKISURFが見えたズラ」と写真が添付されていた。



すごい時代だなあ。


王子ニックと一緒にダナポイントの老舗「インフィニティ・サーフ」に行く。

AVISOスタンドアップ・パドルボードのサンプルボードが完成したのだ。



新しいボードを開けるのはいつもエキサイティングですね。



プロフィニッシュのざらざら感にうっとりするニック。



サイズは9'8"x28"x3-1/2" Quad-Vが装着されたKu Ku Hoeモデル。



シェイプ歴48年というスティーブ・ベイニー(Steve Boehne)が手がけるSUP(スタンドアップ・パドルボード)はカリフォルニアで一番人気と実績、歴史を誇る。



そこにAVISO社との契約が成立し、今回のサンプルボード完成となりました。



AVISO社製SUPとしてはタイタスモデルに次いで、第2弾となりました。

↓カーボンファイバーを増して、フレックス(しなり)させなくしたテストモデルということを強調するニック。



アメリカではSUP人気が高く、サンオノフレのドッグパッチでは常時10台のSUPが沖にいて、ノースハワイではハナレイ、または南の闘牛ポイントにみんな集まっています。

さて、弊社オフィスのバックヤードでは昨夜、親睦BBQパーティを催しました。



用意したのはこのコーベル・ブリュットのマグナムボトル、そしてコロナビールに手羽先、ネバダのテッドおじいちゃんに教わったステーキ肉。



この「テッド印のステーキ」をテッドから伝授され、それからこれを再現してじつに4回目となるが、どのBBQで披露しても大人気。

いつもレシピを訊かれるので、ここに記して共有します。

ステーキ肉塊。(リブアイ、ショートリブ、チャック等)

1.まずは肉がすっぽり入るような大きめのトレイ、または鍋を用意し、肉の塊に黒こしょう、岩塩、レモンペッパーを適量ふりかけます。

2.にんにくをすり下ろして肉に擦り込みます(少し多めに)。

3.ラップをかけて、肉の温度が室温になってそれから2時間くらい放置します。

4.炭に火を点けたら最も火勢が強い時に少し焦がすように両面を焼きます。(全面で5分程度)

5.塊の周囲が焼けたら、またトレイ、鍋に戻して30分放置させます。

6.炭の火力が下がってきたら中弱火でまた片面5分づつ焼きます。

7.さらに10分トレイに再放置し、弱火で5分軽く焼いて終了です。

調理のポイントは

イ.肉を室温で熟成させること

ロ.4で、きちんと30分間火からおろすこと。これは余熱を使って肉の内部を温め、肉汁を塊内部に閉じこめるのです。

ハ.余熱ステージではトレイ内に肉汁が出てきますからそれを肉によくからめてください。

これでおいしいおいしいテッド印のステーキが焼けます。

お皿に供するときは写真のように切り分けてサーブするとよろしいでしょう。

集まってくれたのは弊社メンバー、OB、そして現行アルバイトが来ました。



↑後列右からひできくん、りょうくん、ひろかずくん、朋民、柳瀬、彩ちゃん、大ちゃん。
前列池谷、俺です。

次回からは、「BBQ開催の際」にはこのブログで告知しますので、お近くの方、または旅行で南カリフォルニアに滞在中の方はぜひぜひ参加ください!
持ち込んだ5本のボード群と一緒にパシャリ。



俺の体も含めて全て、ディング(穴)もなく、コンプリート(完全)である。
こんなに波がある旅なのに無傷とは珍しく、これは自身の腕が上がったからに他ならない、と自惚れる。



さてこれらのボード詳細だが、持っているのがAVISOーBD3の5'0"モデルで
右から

Fire Blade 5'4"x18-7/8"x2-5/8"

HPS/Black label(EPS) 5'10"x18-1/8"x2-1/16"

Thang 6'6"x17-3/4"x2-3/8" (仮AVISOサイズ)

New Toy 5'5"x19-3/4"x2-3/8" (仮AVISOサイズ)

となっています。

ウエットはタッパを持ってきたが、水温30度を超えているのでまったく必要なく、バッグの中で丸まっている。

よって、ワックスもトロピカルが良く、「ベースコート」、「トロピカル」と塗り、波乗りをする前に「ウオーム」をトップコートとして薄く塗っている。

ちなみに以前はセックスワックス派であったが、最近はフェイマスワックス一辺倒である。



果物を買いに行き、見つけたのがこれ。↓



アボカドの雌というふれこみで、果肉がオレンジでふくよかなお味である。



気になってウイキペディアで調べるが、それについてはどこにも載っていなかった。



最近恒例になった魚市場を通り、今日の魚をながめつつ、バナナケーキを求める。



ラインナップはこんな感じで、一個25セントから50セントとなっている。



おいしいおいしい の2つ星で、昔懐かしいお砂糖の味に恍惚となる。

道端のハンモックに揺られる少女を見て、なつかしい郷愁感が溢れてくる。



味噌汁?いやうどんが食べたい。

和食が恋しいのか、それとも地が恋しいのか?

家に帰ると昨日出てきたチャーリーが例の剣を振って、枝を切っていた。



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プロフィール
名前:Naki 2009 または船木三秀
HP:NAKISURF
性別:男性
職業:専門職
趣味:海
自己紹介:
 11年暮らしたカリフォルニアからノースハワイ島に住みかえ、毎日クオリティの高い波で波乗りをしています。

 私は波乗り殉教者で、肩書きはプロサーファー、写真家、画家、ルポライター、デザイナーです。

 風が創ったさざ波が合わさり、遠くの洋(うみ)から陽の下、夜の中を駈けてきたうねりに乗る、というような気持ちで波に接している。
 その欲求と探求心は飽くことがないようで、小さい頃からの夢であった世界の海を旅し、自分なりのアウトプットを続けています。

 波を知ることは海を知ること。その深遠無限のインスピレーションを感じ、ゆらゆらと絡まった日々をこのブログで綴れたらなあ、と。

 そんな波乗りの奥深さ、その意識や感覚を文章、写真、絵で表現できたらと思っています。

 同業の方、同じ夢の方、海が好きな方、波乗りを愛する方、この場でお話しましょう。

 ありきたりの道具論に留まらないメッセージをみなさまと創ってみたいのです。

 また、カリフォルニア州、サンクレメンテ発のサーフショップ『NAKISURF.COM』も運営しております。

 こちらは長年培ったサーフ業界のコネクションを活かし、世界で一番誇れるWEB STOREを目指しておりますので、どうぞご覧になってください!

ぜひ!

 どうぞよろしくお願いします。
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