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早朝の満潮を狙って夜明け90分前から行動を開始した。

途中「ヤマネコ注意」の標識区間があって、そこを走っていた。

街灯などないので無論「闇」である。

この道はいつ走っても行き交う車などないので、たまにヘッドライトを消すと、宇宙空間に吸い込まれたかのような一瞬となる。

カーブを曲がって、道路中央に小さく、そしてしっかりとした2つの光りがぎらり。

動物だ!

急ブレーキを踏むと、ガーッという低い音を立て停車した。

路肩に逃げていったその動物詳細を目に焼き付けた。

耳は厚く丸く、目が大きく、独特の模様でしっかりとした足。
ヤマネコだ!!

あわててカメラを取り出したが、時すでに遅く、目の反射すら写らない。

到着後、徳ちゃんに報告すると、「珍しい!あそこにネコはいないから、絶対ヤマネコです。俺なんか17年住んで3回しか見たことないからすごいなあ!」

と感想をいただき、目撃した実感が高まってきた。

世界にこの島にしかいなくて、たった100頭前後とされているヤマネコ(特別天然記念物、絶滅危惧種)を見られるとは思わなかったので、びっくりしました。

さて、その後隣島から遊びに来ているがんちゃん、八重山のルアー釣りの魚紳さんと呼ばれている洋ちゃんと合流し、「ミナゴロシ」と名付けた恐ろしいブレイクに行くと、みんなは



「潮がないなあ」

「あんなに浅い」

「俺たちには手に負えない」

と、やはり恐ろしいことを言っている。

とにかく「他が小さいからここでやろうよ」

と沖に出ると、今年一番の朝焼けがお出迎え。


    てぃだひきゃり手を合わせて夢の波 (太陽光手をあわせてゆめのなみ)


と句を受け、カメラはないがしっかりとこの美しさを受け取りました。

こういうときにカメラがないのが残念で、でもそれはなんというか逆真会流で、自身の目でしっかりとその朝焼けバレル波を写し撮りました。

ここの波はやはり信じられないほど掘れ、それは海底を露わにするほど波面をエグレさせる。

ヒロシ君も現れ、「あっさいですねー!」

と言いながらテイクオフして吸い込まれている。

みんなは波に乗るたびに傷を得て、俺も同様に膝をクラッシュ。
こういうのはあまり載せたくないのですが、参考までに。

原因はリーフ直撃です。



関節を直撃したようで、とても痛いです。

今回お世話になっている島のグッドサーファー3人組。



左から洋ちゃん、徳ちゃん、ヒロシくん。
彼らは毎日この付近でにっこにこでサーフしています。

「波を、ハッピーをありがとう!」とにっこにこ返しをしてきました。

いいなあ。

横にいた隣島のがんちゃんも混ざってにっこにこ〜!



と住み処である女神洞窟に戻りました。



今回は潮の満ち引きが少ないので、浜側にセッティングしました。



寝床からの景色です。



風と雨が多く、夜中、顔に雨が当たって起きると、緑色の小さい光がこちらに飛んできました。

!人魂!?

と驚くとなんとそれはホタルで、「そのはかない光が闇の中だとこんなに明るいのだ」とびっくりしました。

旅はまだまだ続いています。
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風は落ち、そして波は下がってしまった。

しかし、ビーナスポイントはあいかわらずこんな波です。
イナリーズみたいだけど、さらに速く、そして浅い溶岩があります。
天国と地獄のようなセットアップですね。



隣島からハワイアングロットーのマスター、ガンチャンも遊びに来ているのだが、あいにくの曇雨天です。



牛も寒そう。



海鳥の研究と保護をして30年というものすごい人がこの島にいるという。

その人を土井さんより紹介していただいた。

お名前を河野さんと言い、海鳥研究では世界のパイオニアであり、そしていまだ第一人者であるのです。

東海大学准教授で、海洋生物学、特に海鳥にその情熱を燃やしている。

俺は無類の鳥好きなので、河野さんから数々のすばらしいお話を聞いてきました。

繁殖、そして「渡り」
海鳥の「渡り」は過酷で戻ってくるころはその95%を失うという。

1980年代にこの島で研究を始め、日中はその仕事をし、終業後は外離れ島に船で向かう毎日。

無人島なので港など当然なく、船が着けられないので、沖に停泊し、ロープ伝いに泳いで渡り、深夜からヘッドライトを点けて夜明けまで海鳥にタグの取り付けをし、少しの仮眠後、また朝から研究所に戻る。

そして「主観と客観」のお話。

さらには「孫と子供」のお話。

話を聞くとそれぞれ激烈なのだが、とても深く、やさしく、やわらかく、そしてお若く、エネルギッシュな人で感じ入りました。

俺はずっと鳥にあこがれていたのだが、過酷なその鳥生涯を想像すると、「ああ人間で良かったなあ」と思いましたね。

そんな河野さんのお話をしっかりと噛みしめ、消化してみると、また違った自己が出現し、旅先でのつながりに感謝した日だった。



鳥鳥鳥の感動の本棚。





シーカヤックの達人というか鉄人である河野さんは毎日の鍛錬を欠かさない。
昨日のどん吹きのアップウインド(向かい風)で、ビーナス沖までやってきたと聞き、少し絶句したほどです。

こんな北風(ぱいかじ)日は行きがアップウインド、帰りがダウンウインド(追い風)なので、「上りは修行で、帰りは天国ですねぇ」と河野さんは言うが、口で言うほどたやすくないことを俺は知っている。

しかも毎日なので、ウオーターマンの徳ちゃんが感動する鉄人なのです。

徳ちゃんと星砂レストラン前で。



波乗りもされるので、カメラを持ってこられるほど、BD2にご興味がある様子。
熱いです。



河野さん行きつけのお寿司屋さんに連れていっていただくと、見慣れない魚名が並んでいました。

南島の魚はあまり、という印象でしたが、おいしかったあ。

特においしかったのがミーバイ(ハタ)とオジサン(ヒメジ)でした。



これがメニューで、面白い名前がたっくさん。

普段ノースハワイで釣っているお魚もいっぱいいて、それらが刺身で食べられることを知り、大きな収穫でした。

ありがとう!

の一日です。

(お知らせ)
あの「グリーンルームフェスティバル2008」のメインビジュアルが決定しまして、なんと私の作品を使用してくれることとなりました。

来年5月、
またみんなで揺れましょう!


ほぼ日本の南端近くにいる。



こんな辺境の場所で、唯一唯二のスーパーマーケットに入ると、3日前のオリンピック野球種目予選で「日本が韓国に競り勝つ!!」という見出しの新聞が届いたところだった。

忙しいモーレツ日本で、こんな大きな時差があるのはなんともすてきなのだろう、とうっとりしつつメロンパンを買うとやはり賞味期限切れのものだった。

それは幼い頃初めて食べた味で、粗目糖の歯触りに銚子のおばあちゃんの顔が浮かび、なぜかそこからパワフルな青い波「君ヶ浜の三角岩ライト」が、そして「大久保」の伊達巻き寿司までを瞬間連想した。

こちらは到着後から北風が強く、ずっと時化(しけ)となっている。
海を見ると、室内に戻って読書をする気にしかならないのだが、ここに住む徳ちゃんによると、風でおこされたうねりが東側に回り込んで、うねりとなり、岬状になった山の稜線で風向きが変化して、まっすぐオフショアとなり、パーフェクトなライト波の場所があるという。

よくある話なので、それを耳の後ろで聞き、つまり信用せずに彼と一緒にその場所に行ってみると、不思議なものでそこは前回ここに来た時に滞在していた女神洞窟入り口であった。

その時も蝶が出迎えてくれたが、今日も同じ蝶がやってきた。



「ここ?あの時はまったく波なんかなかったぞ」

と言うと、「そりゃそうですよ、あの時は南うねりでしたから」と返された。

「うーむ、感動は深く時を越えてつながっているのだなあ」

と女神浜に降りると、イナリーズのように沖に向かって右側からうねりは規則的にやってきて、浅い棚に沿ってズドズドズドーンと凄まじい音を発してブレイクしていた。



150mは続く究極高速(多分抜けられないだろう)のセクション最後に岩の切れ込みがあるようで、波の角度を変え、持ち上げ、ボウルとなっていた。

そこで入ることに決め、沖に出るとオフショアが強く、体感温度ということを思い出す。

徳ちゃんの勧め通り、ロングスリーブスプリングスーツを持ってきてよかったなあ、と実感した。

自分が滞在していた女神洞窟地区を沖から見ると、また不思議な気持ちとなる。

さて、波なのだが、急浅となる棚があり、その少し沖はディープブルーの世界。一度風に流され、深海色をした沖に流されたのだが、「鮫地域ですね」という言葉にぞっとし、全力で棚に戻る。

ノースハワイも鮫が多いので、その怖さは知っている。

その最終棚はかなり面白く、何本か乗り、満足しているとヒロシくんという若いサーファーが現れた。

彼はにっこにこで「こんちはー」と言いながら、奥の超高速棚方面にパドリングしていく。

うねり方向が斜めなので、こちらから丸見えなので少し見学すると、あのセクションを抜けてきた。



それを見てその棚に移動し、ノンショルダーの波にパドリングするが、テイクオフするころにはショルダーは一気に延び、ベイル(この場合後ろに止めること)を余儀なくされる。

その後のヒロシくんはテイクオフした直後にチューブというか波穴に勇敢にも入りこみ、そのまま浅い棚に吸い込まれていき、心配して見ていたら膝くらいの水深で立ち上がり「ワハハハー」と大笑いしている。

すごいサーファーである。
これなら世界のどこに行こうとサーフィンを楽しむことができる、世界クラスに浅くて、シャープで、速く、掘れる波だった。

似ているとすれば、トトヤ島の「カンニバル」というレフト波の小さいときに似ているが、ここまで浅くないだろう。

すると徳ちゃんが、「ヒロシ、そんなところに立つとミノカサゴに刺されるぞ」と言って、しばし俺たちはその毒の痛みについて話す。

徳ちゃんは2回刺された経歴の持ち主で、その痛みは激しきもので屈強の男が涙するという。処置としては「出来る限りの熱湯に患部を2時間浸けておく」と言うが、猛痛の中、患部を熱湯に入れ120分と考えるだけで恐ろしい。

こんなきれいな海だからこそ、鮫だ、毒魚だとトゲがあるわけで、鮫がいない陸ではハブがいて、都会に行くと、鮫やハブがいない代わりにスモッグと辛いことがあるわけで、都会も原生も善悪は同比率だというその自然界バランスにしばし呆然となった。


衝撃の「ブラックダイヤモンド2」体験はいかに。
左からひろしくん、徳ちゃん、洋ちゃん。




静かに弱々しく暗くなり、日没を知った。

それほどまでに雲は厚いのだ。

「島で一番おいしい」というレストランに行くと、店内にいたネコたちに驚く。

床に7匹、天井にも3匹、よく見ると厨房にも数匹入り、食器棚にもはまりこみ、まさしくこれはネコ版「ウオーリーを探せ」である。
30匹?はいるのだろうか。

俺もネコ好きだが、食品と一緒に彼らの毛を食べる気はしないし、あまりの凄さにこれは夢なのか?と供された白ワインを見ると、小さなグラスにしかも1/3量しか注がれていなかった。

ウエイター氏に「700円も取るグラスワイン、しかも白でこれはいかがなものか?」

と訪ねると、「すいません、次からはちゃんと注ぎます」との返答。

「そんなことを言わずに1杯しか飲まないからこれに注いでもらえる?」

と言うと、「お店の決まりでこの量なんすけどぉ」と言いながらボトルを持ってやってきた。

見ると、ボトル1本680円のソービニョンブランであった。
それをあの量で提供したら大儲けだろうと察した。

とにかく通常量まで注いでもらい、徳ちゃんと春ちゃんと乾杯すると、さっそくネコがニャーとタコをかっさらいに来た。

徳ちゃんがそれを払い、「俺もネコ好きだけど、教育のためにこうする」と複雑な顔。

食べる前に取り皿、フォークを紙ナプキンで良く拭きとる。
複雑な気持ちだ。

ガーリックトースト、野菜炒めと石垣牛のアラビアータ(スパゲティ)。
それらの料理はどれも信じられないほどすばらしく、やはり気になるのは衛生面だけである。

病気のネコがいたらこちらも一発で病気となるが、この夕食でも自然界の善悪一定となるバランスを感じる。

衛生的な生活に慣れた俺にとって、この食事は痛烈なパンチを受けた気がするが、体勢を立て直して「これもまた真なり」と恍惚となった。

(追記)
この旅の主役だった純城はこの旅をキャンセルしたのだが、この寒く、強風、メルヘンであったネコレストランを考えるとそれはそれで正解だったなあ、と風でひしゃげた水平線を見て、しみじみ思う。

すると旅の極意がまたひとつ生まれた。

「旅は悪い天気、食を喰うことでもある」

いかがなものでしょうか?

(追記2)
最後に一句。


    北風にパイヌ海から夢のせて


これは少し難しいので解説すると、
パイヌという意味は沖縄方言で「南」ということ。

そして、気圧配置が「西高東低」となると、この風がその強い北風の起点部分となっているようで、この風に乗ってこの句がみなさんに届いて欲しいと思いました。
ほんの少し前、鎌倉の夜明けを見たと思っていたら、もう南島の夜明けだった。



これは土井さんボードコレクション。
夢のようなセットだなあ。



荷物を積み込み、



到着後、いくつもの南島のバーで飲み、



朝起きると、ガンチャンが離島に行くために迎えに来てくれた。



昨日飲み切れなかった「リトルジェームス・バスケットプレス」
安かったのと、エチケットに惹かれて飲んだのだが「お渋うございました」。

おいしいおいの1.5星(5が最高)

ですが、ほとんど残したのももったいなく、ミネラルウオーターのボトルに詰め替え、こちらに持ち込んで昨夜飲むと、

おいしいおいしいおいしいおいしいの4つ星(5が最高)に昇華していました!

きっと移動中、揺れて空気に触れてやわらかくなったのだと思います。
ワインって不思議ですね。

「残り物には福がある」の典型でした。



これは76サバニ船長の津村さんとの2ショット。
みんな二日酔いのようです。



で、離島船に乗り到着後、レンタカーを借りに行くと真っ赤な車が....。

「あのう、他の色がいいのですが...」

と伝えると、にっこにこで同型(ビッツ1000CC一日5000円!)の白、銀を用意してくれたが、それらの車内があまりにもたばこ臭く「やはり赤が好きです」と出戻りしたのがこの車。

機材が多く、それらを狭い後部に全て積み込み、持ってきたBD2はシートを倒さずにこの通り収まりました。



レンタカー店員さんも「おおーすごいですね!サーフボードがこうやって入るのを初めて見ました」と喜んでいた。

とても便利です。

北風なのでこれから島の西側に波チェックに行ってきます!



++++++++++

12/5 追記

毎日更新のブログとともに、ふなき自身がサーフボードの構造を理論的に語り、読者とのQ & Aでさらに深くわかりやすく示されるディスカッションフォーラム「SURFIN' LABORATORY」。

そのNAKI'S OCEAN LABが毎日更新されている、携帯電話の波情報サイトなみある?で、いよいよ動画配信が始まりました!

↓これはNAKI'S OCEAN LABのスクリーンショット
©NAMI-ARU?

そのチャンネル名もズバリ、【Nakisurf Channel】!

このnaki's Blogでもたびたび掲載していたコールのクリップや、ノースハワイから届くサーフダイアリーのエンドテロップに、

「NAMI-ARU? なみある?」

と入っていたのを気付かれた方も多いと思いますが、その本編が、なんと携帯電話のストリーミング配信という形態で始まりました。

その第一回のタイトルは、

コールシェイプ理論
ハンドシェイプにこだわる理由

です。

コールによるサーフボードを語る言葉は、マジックボードが誕生するまでの断片そのもの。

コールの頭の中では、宇宙のように無限の思想が海の表情のように千変万化しながら、サーフボードに写し込まれていくんだなあ。

と、この動画配信を見て思いました。

ぜひご覧くださいね。


追記部分:スタッフとおる


茅ヶ崎支部長茂木さん夫妻と汐音(しおね)さん、暖くんと加藤さん。↑

↓七里ヶ浜四支部長マンガさんと長谷支部長マーボーさん。



二次会場の土井さん邸でのドドゲ式宴会。



↓BD2を土井さん号に積み、いざぜひ!





↑湘南某所のここと、ここでBD2を走らせてきました。↓



某所で偶然に会った暖くん。
昨日からのつながりはすごいなあ↓



お魚のメッカなので、金目鯛と↓



干された鰺↓



今日のランチは早生みかんとわさび漬でした。



現在無料貸し出し中のBD2をチェックしながらヘアカットに行きました。



湘南は辻堂トリムズオブヘアにどーぞ。(要電話予約)

ヘアカット支部長のかばさわさんがみなさんのご利用をお待ちしています。

(明日に続きます)
アラモアナボウルズでベン・アイパと会い、サーフボード講義を聞いてきました。

BD2に続く短いボードを模索しているので、ベンがアキラ(・アイパ)の5才の誕生日に作った短いツインフィンを引き合いに出して、すばらしいお話でした。



これは公平さんシェイプをベンがしっかりと論じながら確認して、最後には

「これにチャンネルアイランドのプロボードのマークをつけたらみんなケリーのボードと間違えるだろうね。そのくらい完璧なシェイプだぞ」



と言いました。

帰りの車の中で純は、「ベンはすごいよな、あのボード調子がいいとは言っていなかったんだけど、ボードに触っただけでその性能を見抜いたもんな」

サーフボードって深いですね。

そのベン理論を取り入れたサーフボードを来年制作します。
その後、インプレッションの項でこれを語りますので、しばしのお待ちを。

うう、言いたいな。(笑)

他には「コールのシェイプ理論について」というのを全12編で配信しようと、編集作業中であります。

先週にもちらりとお伝えしましたが、予告編はこちらです。



上に画面が現れない方はこちらをクリックしてください。

その後、ダイヤモンドヘッドに行くと、ほぼ無風の美しい波がブレイクしていました。



それにしても混んでいますね。
土曜日の朝ということにしてもノースにも波があるのに、この混み方はすごいなあ。
とにかくホノルルは100万人都市ということが実感できました。



こんなに混雑したところにはもちろん入らずに、この西側にある10人程度のラインナップに行きました。



波がいいのにこちらが空いているなんて変だな、と思っていたらローカルスポットらしく、みんなトムくんと顔見知りであった。

混雑が苦手な俺は、例によっておとなしくインサイドでひっそりとサーフしました。

少し経つと、トムくんがフィリピン系ハワイアンと口論になっていました。

彼はいきなりトムくんに「○ァッキンジャパンニーズ、お前!GO HOMEだ!」

と言ってきて、それを聞いた愛国心の強いトムくんが「なにぃ、今からパールハーバー2だ!この!!」と激昂したのです。

まわりにいたみんなは「まあまあ」とふたりを止め、その場はおさまりましたが、友人として日本人として非常に不愉快な出来事でした。

「意味なく嫌われる日本人」

そんなことってありますよね。

やさしい国民性だからなのかなあ。

似たようなことがボルコムのアニメーションクリップにもありましたが、「文句を言うと、謝ってくる気の弱い日本人」がインプットされているからそんなことを言ってくるのでしょうね。

ことが収まった真相はローカルのひとりが機転を利かせ、「トムくんはカラテ10段だぞ、お前生きていてラッキーだぞ」と言ったとか言わないとか。

侍の血を引くトムくんですが、いつもやさしくおとなしい性格なので、今回の件はそのフィリピン系ハワイアンを俺は憎く思っています。

都会はつまらないことでこんな苦しい気持ちになるんですね。

少し昔、ここでよくサーフィンしている人にものすごい中傷をされたのを思い出し、なるほどなあ、と少し納得する。

30分間だけ、という波乗りも波の良さに負けて結局3時間近く入り、混んでいたけど満喫しました。

空腹度100%なのでダイヤモンドヘッドグリルに行き、



「ミックスプレート」と「アヒ(マグロ)プレート」2つを頼み、二人で仲良く分ける。

ミックスプレートはチキン照り焼き、ハンバーグ、暖かいチャーシューのセットでおいしいおいしいおいしいの3つ星です。

アヒもさっぱりで最高。

横のデリでしっかりとパイのデザートも購入して大満足の昼食でした。



トムくんはブレッドプリンがよかったんだけど、



俺がこっちがいい!と押し出したピーナッツバターパイ。



これもふたりで仲良く分けてたべました。
でもこれで3ドル67セント、約450円は高いよなあ。

その後、アラモアナセンターに行きショッピングとなったのですが、



虚飾の象徴のブランド店を見てきました。



でもこういう店に行くと、「全身ブランド品」みたいな人もいました。

このルイヴィトン店から出てきた推定21才の日本の若者(男)は野球帽がルイヴィトン、夕方で室内なのにグッチの大きなマーク入りのサングラスをつけ、ベルサーチと思われるシャツの襟を立て、金の太いネックレス、さらにわざとらしくめくった腕からは金ぴかの特大腕時計をつけ、さらに金色ベルトをちらつかせて、ピカピカジーンズに白の尖ったエナメル靴を履き、肩を両方に振りながら顎を前方に突きだして歩いてきました。

衣料、装飾品だけで推定500万円ですね。

すごいなあ。

あまりのすごさに写真は撮らなかったのですが、今から思うと追いかけていって何気なく撮れば良かったなあと少し後悔。

結局この彼は「白木屋」大衆食堂でラーメンを食べているところを後で発見するが、その対比に今度は呆れてしまいました。

これはニューマンなんたらのエスカレーターにある装飾品を撮ってみました。↓



俺の今日は衣料、装飾品合計で37ドルだけど、夕食はラーメンなどと言わずに豪華に焼き肉を食べに行く。

証拠写真。(笑)



その後、ダウンタウンになんとなんと、心待ちにしていた「3Dナイトメアビフォアクリスマス」を見に行きました!



これはつきあわされた不機嫌トムくん。



大好きなティム・バートン作品で、それが3Dになり、後何分かで見られるとはもう心の臓ははりさけそうです。

でも館内はがらがらで、ほぼ無人。
残念。
あまり人気がないのですね。

予告でホンダのPOPなコマーシャルを発見。
サイケデリックです。



3Dなので、メガネをかけます。



始まった...!



うわあ、本当に距離感がある。

でも画像だとわからないか、すいません。



すばらしいすばらしいすばらしいすばらしいすばらしいの5つ星でした。(5が最高)

終わっちゃいました。(涙)



外に出ると大雨で、雨に滲む都会もきれいだなあ、と映画に洗脳された目で眺めました。



おやすみなさい。

今日は朝から大雨のワイキキ。
観光客の恨めしそうな表情に天候の無情さを知りました。

私も同様で、雨の中、荷物を積み込み空港に向かいます。

空港に着いて、窓から滑走路を見るとまだまだすごい雨です。

飛行機は飛ぶのかなあ?

今のところ搭乗時刻は10分遅れています。



(おまけ)
純の愛犬プリです。
俺が泊まったとき、一緒に寝てくれました。
やさしい性格。



到着後、この島の詳細地図を食い入るように見る。

神乃河(かみのかわ)というものすごい名前の川を見つけ、そこに行くことに。

行ってみると、ここは営林省の管轄で林道使用はできないという。
入山はかまわないというので川の下流から上流に向けて登ることにした。

川沿いの山道をぐいぐい登っていく。

深い林の木陰の隙間から入る眩い光。

ものすごい数の蝉の声。

「鹿の罠があります」

「作業中発泡禁止」

と営林省が立てた幟(のぼり)。



ここはまだ真夏であるようで、汗が吹き出してきた。
特にバックパックをしょった背中が熱い。

眼下に見える渓流は、円い岩の間をさわさわと抜けている。

同じような景色が過ぎ、目測で50mづつ計っていったのだが、それが24回目、つまり1200m地点で傾斜がきつくなった。

そこには緑色に満たされた淵があった。
直径30mの円い、豊かな淵で、狐につままれたような気持ちとなる。

それまでのちょろちょろ流とは違い、豊かでゆったりとした水流がここを満たしている。

胸の高鳴りを感じながら苔で満たされた崖を斜めに降りていくと、花崗岩のかけらでできた小さな砂浜にたどりついた。

砂浜といっても間口1mほど、面積は2平方メートル程度のささやかなものである。
ここに荷物を置き、岩の上に立ち、足を差し入れるとひんやりと冷たい。

標高1300m以上もある山から降りてきた水なのだろう。

汗まみれのTシャツとトランクスを花崗岩に干し、すっぱだかとなる。

ここは名前の通り神の川なので、しっかりと敬い、祈るように川に入る。

腰まで浸かるとその冷たさと神さまへの畏怖で全身は震えた。

ゴーグルをつけて顔を沈めると、緑色の水はどこまでも透明で、この世界を映し出す。
まるで小宇宙である。

子鮎の群れが泳いでいる。
流れ込みの急流を逆らい泳ぎ、大岩の向こうまで行くと、深緑色をした水底。
ここの水深は6m程度であろうか、圧倒感のある淡水におののいている俺には無限の深さにも感じられ、近づくのが怖い。

(実はここで神秘体験をするのですが、ここで書くのは字数と時間が足りないのでそれは今度コラムにでもまとめて書きますね)



川から戻り、次は波探し。
安房の、やたらとしょっぱいラーメン屋で見たNHKニュースでの台風9号は、未だ小笠原の南方海上にあり、期待しているうねりはまったく入っていなかった。

島一周し、おいちゃん川河口、豆腐屋河口、蓬羹(よもぎかん)リーフもまったくのフラット。

今回持ってきた乗り物は、COLEの意向もあって、ブラックダイヤモンド2(BD2)とバットフィッシュの2本です。



小波をBD2の4'10"で、台風の大波をバットフィッシュ5'5"。

2本とも短いからレンタル軽バンに軽く入ります。

BD2を横にするとこんな感じ。

後2インチ短ければばっちり横に収まるんだ。
軽にもフィットするとは、やはりすごい!



後部座席に人を乗せると仮定して、2本を荷室のみに積む。
立てかけちゃいました。
とてもハンディ。



さっきの河の上流、標高1300m山に入ると、もののけ姫で言うところの山神さまに遭遇。
御姿を一枚パシャリ。



宿は今回の台風9号に狙いを定め、島で一番東向きの「溶岩海岸」で得意のゲリラ野宿。

ここは5月に行ったヤマネコ島と違い、あいにく前回の旅のような海岸洞窟はありませんでしたが、この岩を発見。
その横にごろ寝です。

もちろん設置前は俺流のお祈りを捧げ、最大の敬意をはらいます。

火は焚かず、あくまでも「砂浜でのんびりうたた寝」という野宿。

この写真は旅後半で、最小限の野営がチューンナップされた状態です。



ここは枕状溶岩だらけで、夜明けなどはとても神秘的。

人が来なくて、夜はとても怖いが、

星がきれいで、



この砂浜でウミガメも孵化して、



世界でも珍しい海中温泉に数々の銘水を味わっていると、台風9号からのうねりが届いた。

最初は腰くらい、島東側の消防士のヒデキさんと楽しくハイスピードサーフ。

それからうねりはぐいぐいと上がり、9月5日の夕方、この溶岩海岸に最大で6フィートオーバーの美しい波がやってきた。



ここで今回の旅の大波用であるバットフィッシュを使用しようと取り出すのだが、この4フィンが車内どこにも見あたらず、陽も落ちてきていて、探す時間もなかったのでそれまで使用していたBD2で挑戦することに。

突然現れたローカルサーファー土井さんが「沖へのショートカット岩越え」というルートを案内してくれ、あっという間に沖に到着。

沖は俺と佐藤さん、そして土井さん。

どーんとセットが現れ、それは5本以上にもなる、海の怒りにも似た怒濤系。
ダックダイブをしながらBD2と一緒に海中大回転を繰り返す。

台風の海ってすごい。
こんなときはいつも人間の力では太刀打ちできない強さを感じてしまう。

ブレイクして初めてわかったのですが、ここは世界的な、語るに足りるパワフルですばらしい波。

沖に突き出ている三角岩の向こう側にあるリーフから吹き出すボイル。
そのさらに沖には水深20cmという浅くドライに近いリーフがあり、ここにセットが入ると阿鼻叫喚のものすごい掘れ方のファーストブレイクが出現する。

テイクオフは全てエアドロップとなる恐ろしいもので、ピークの廻り、そしてライン上に岩が露出してくるブレイクは初めて。

これをメイクすると、ファーストセクションの最終地点にまた隠れ三角岩があるようで、そこから3平方メートルくらいの白泡が波面に吹き出してくる。

それに当たらないように下に過ぎると、セクションは一度安息し、緩やかな長い甘美なセクションが現れる。

ここを高速でカーブさせながら3つ目のインサイドセクションに入ると、隠れ岩が次々と現れ、

「ボトムターンをすると、フィンが全部なくなるぉー」

というなぜか房総弁に似た土井さんの忠告を守り、トップ、ミドルターンを繰り返し、BD2でそのセクションを高速滑走。

一度、セクションは開き、キックアウト(プルアウト)へ誘(いざな)ってくれたのですが、それを無視し、最終セクションへ突入しました。

ここからはボウル(お椀)となり、岩露出もいくつかあったのですが、無事に過ぎ、最後の大岩の前で波の中に体を突っ込んで脱出する。(アイランドプルアウト)

こんなにロングライドはひさしぶりなので、興奮で体が震えた。

どこまで来られたのか位置を確かめようと岸を振り返ると、なんと!

真っ黒の身長15mの一つ目小僧がこちらを見て、口を開いている....。

しかもその一つ目小僧と後ろの断崖が太陽を遮り、深い影が落ち、ここは暗い暗黒世界になっていた。

なんだ!?

俺はどこに来たのだ...。

と、そのパーフェクト波の歓喜を失い、その怖さに震えてしまった。

ここから逃げだそう!

と沖に逃げるのだが、ここは岸へ、そして左側に、つまり逆方向へのカレントが強く、その一つ目小僧が流れを作っているのか、俺を引きこむようにしている。

やばい....本当にやばい。

短いBD2のパドリング能力を悔やむが、もうすでに遅い....。

その巨大妖怪がいる後ろを見ないように全速パドルし、次の波を越えたらその吸収流から逃れられた。

よかったぁ...。

そこでおそるおそる一つ目小僧を見ると、それは上部に洞窟が空いた大岩であった。

沖から見ると角度がついて、洞窟がよく見えなかったので、正面から見ると一つ目小僧に見えてしまうのである。

ここはやはり神の島、こんなこともあるのですね。

全速パドルは功を奏し、ようやくサードセクション付近に戻り、日当たりが良くなってきた。
もう安心だ。

遠い沖にいる佐藤さんが手を振っている。

「おおー!!!」

っと、そこで自分がさっき通過した300mライドを振り返り、それに大満足。

遠くに行った一つ目小僧をちらりと見ると、湿気で靄となった向こう側に小僧はにやりとしているように見えた。

やはり怖いので、次は手前でキックアウトしようと誓う。

不思議体験である。

「(41才になって、こんな妖怪じみたことが起きるとは)やはりここはスゴイなあ」

とひとりつぶやく。

沖に戻り、岸を見ると緑の山々の稜線が淡い色となった空の下にあった。

「美しい時よ永遠なれ」と俺はその景色を目に焼き付けた。

暗くなるころ、無傷で岸に立つと、俺はその一つ目小僧にお辞儀をし、自分の岩に戻った。

干いてきた枕状溶岩上でトランクスを脱ぎ、全裸でそこに立ち、この島での全てを回想した。

すると沖から風が吹き、股間をすり抜けた。

普段は股間に風は当たらないので、それが新鮮で心地がいい。

そういえば河も全裸、温泉ももちろん全裸、そんな毎日だった。
電話も入らず、もちろんインターネットもない。

その原始なこころの緩やかさ、まろやかさを体現させてくれた旅時間であった。



北緯:30°20’55” 東経:130°37’51”

とGPSがこの場所を数字として表示しているが、この符合を見ると

「サーフ・ゴーゴー、イチサン オー・サンナナ・ゴイ」

となっていた。

わからないのが東経のところだが、松風王国でネットを開くと、イチロー選手背番号51が7年連続200本安打を達成していた。

うーん、

関係ないね。(笑)

最後に今回お世話になった全ての方に感謝します。

さらに泊さん、大ちゃん、池田さん、おせさん、じょうもんのおいちゃん、おばちゃん、OSEの人たち、OSEのマスター、ふうたくん、げんちゃん、太陽君、こうたかくん、平海さん、永田さん、土井さん、ヒデキさん、楠川さん、尾之間さん、林さん、平内さん、佐藤さん、晃さん、ありがとうございました。

また行きます!!

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プロフィール
名前:Naki 2009 または船木三秀
HP:NAKISURF
性別:男性
職業:専門職
趣味:海
自己紹介:
 11年暮らしたカリフォルニアからノースハワイ島に住みかえ、毎日クオリティの高い波で波乗りをしています。

 私は波乗り殉教者で、肩書きはプロサーファー、写真家、画家、ルポライター、デザイナーです。

 風が創ったさざ波が合わさり、遠くの洋(うみ)から陽の下、夜の中を駈けてきたうねりに乗る、というような気持ちで波に接している。
 その欲求と探求心は飽くことがないようで、小さい頃からの夢であった世界の海を旅し、自分なりのアウトプットを続けています。

 波を知ることは海を知ること。その深遠無限のインスピレーションを感じ、ゆらゆらと絡まった日々をこのブログで綴れたらなあ、と。

 そんな波乗りの奥深さ、その意識や感覚を文章、写真、絵で表現できたらと思っています。

 同業の方、同じ夢の方、海が好きな方、波乗りを愛する方、この場でお話しましょう。

 ありきたりの道具論に留まらないメッセージをみなさまと創ってみたいのです。

 また、カリフォルニア州、サンクレメンテ発のサーフショップ『NAKISURF.COM』も運営しております。

 こちらは長年培ったサーフ業界のコネクションを活かし、世界で一番誇れるWEB STOREを目指しておりますので、どうぞご覧になってください!

ぜひ!

 どうぞよろしくお願いします。
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