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超強力ハリケーン・フロッシーが近づいてきているので、ブイをチェックすると東南東のうねりだった。
外は大雨。
ホワイトハウスはさぞかし大きいことだろうと、覚悟を決め、一番長いガンを車に積みこみ、夜明けに出発しようとしていると、ウッドから電話があった。
「ヘイ、波なんかないぞ。セットでようやく頭サイズが横風ビュンビュンの中をやっとブレイクしているけどどうする?」
「えっ!(絶句)」
そんなわけはないと思いながら頭の中を整理する。
1.ハリケーンが近すぎる
2.ハリケーンが逸れている
3.ハリケーンの勢力が弱まった
4.うねりの向きが変わった
5.強い横風にうねりが消されている
このどれか、または複数の理由だろう。
さっきサイトでハリケーン情報をしっかりチェックしておけばよかった。
仕方がないので、ウッドを誘ってこのサイドショア(東北東)がオフショアになる西に向かうことにする。
途中で快晴となる。
西側は地形の関係で、普段から晴れることが多く、南側が大雨でもこのように快晴無風となる。
ハワイ諸島全ての島で西側はこのような気候らしく、こんな日は「ウエストバンザイ!」といつも思う。
闘牛ポイントに着くと、すでに車列が出来ていて、最後尾にすべりこむようになんとか停める。
「混んでいるからイナリーズに行こうよ」とウッド。
「いや、地形もわからないのにあっちに行くのは賭けだよ。せっかく朝早くここに来たからここで」
と言った瞬間に思い出した。
ここの湾北岬に南東うねりをうけるマボロシの波があるという。
ウッドにそれを伝えると、彼は半信半疑ながら「お前が言うのなら行ってみよう!」
となり、そこに向かう。
ショートジョンに着替え、ワックスをたっぷりとバットフィッシュ(小さいと判断)に塗り、ゲートを抜け、闘牛放牧場を越え、浜に着くと、頭サイズの闘牛ポイントにはたっくさんのサーファーたちが結集していた。
島中が強風でも、ここはなぜかトレードウインドが弱いオフショアになるから無理もない。
俺たちはそれを横目に見ながら、反対側の岬を目指す。
遠い白波。
小さそうだが、距離があるのでなんともわからず。
途中でセットが入り、形の良さそうな波が弾けた!
おおー!
とふたりして砂浜を走り、走り、河口までたどりつくと、その沖には極上のライトハンダーが100m以上に渡り、パーフェクトにブレイクしていた。
俺たちは大きく「YEAH!」と叫び、ハイファイブをして沖に向かう。
波は全てバレルである。
ということは浅いのだろう。
波の面がゴワゴワしているので、かなり浅いことは推測できる。
セクションが4つ以上あり、最初は河口につながるピークで待つ。
沖にセットが現れる。
ん?頭半はある!
ウオー、っと一本目に乗ると、テイクオフして軽いターンをしたらバレルに包まれた。
波の斜面が朝陽に反射してまぶしい。
そのままバレルセクションを越えて、ショアブレイク手前でダブルアップするところでキックアウト。
ウッドが沖から吠えているので、立ったまま両手を拡げて応えた。
こんなすばらしい波を今日乗れることを俺は想像していなかった...。
メンタワイのHTそっくりで、それをマイルドにしたような波。
大きすぎず、小さすぎず、夢のような波。
他は風が強く、そして反対側の岬は今日一番混んでいて、うねりはこの半分程度に小さい。
不思議だなあ、とずっと波乗りしていたが、どうにもならないほど空腹になってしまった。
車までは遠いし、仕方がないとあきらめた。
もう一度岸まで乗った際に波打ち際を見ると、多量の黄色い果実風な球状のものが砂浜を彩っていた。
もしかしたら?
と上がるとやはりリリコイ(パッションフルーツ)だった。
川から流れ着いたのだろう。
その何個かを拾い、両方の親指で分厚い皮を裂き、果実を大きく開けた口に流し込むと、大当たり!
砂糖のように甘ーい完熟リリコイだ!
うおー、っと手当たり次第に食べ、種まで全て飲み込み、沖にいるウッドに何個かおみやげとしてウエットの中に入れて持っていく。
なんとも幸せだなあ。
風はまだオフショア、波は余りまくっている。
やがて潮が干いてきて、インサイドでプルアウトするとボードがリーフに擦るようになってきたので、ここであきらめて上がる。
「夕方また満潮になるからまた来ようぜ!」
とにっこにこで俺たちはここを後にしたのだ。
帰り道、ウッドが「ここってなんていう名前がついているんだろう?」と言うので、俺は
「リリコイポイントにしようよ」
と勝手にネーミングした。
家に帰ってニュースを見ると、そのハリケーンは勢力を弱め、なおかつ進路を変え、ハワイ諸島へは何も被害を出さないだろう、とキャスターはうれしそうに言っていた。
良かったぁ....。
一度家に帰ったウッドは疲れたようで、午後戻らずに明日また朝行こう、とさっき電話があった。
ブイ情報を見ると、うねりは半分程度に下がっていて、きっと今日乗った波が最大になるのだろう。
ハリケーン・フロッシーがもたらした奇遇なる波である。
リリコイポイント、今度はいつそのラインナップを現すのだろうか?
(お知らせ)
来たる8月28日、午後7時より60分間アップルストア渋谷店にて私のスライドショーを行います。
写真に合わせて、撮影裏話などもお話しますので、みなさんお誘い合わせの上、ぜひお越し下さい。
サーフィンライフのニュース覧にも掲載されています。
最近撮った特級作品、そして「DODOGE」、「ありがとう」ステッカーなども持っていきますのでお声をおかけ下さい!
【今日のワイン】
こんな日はおいしいワインを飲もうと、アルゼンチンの高地ワインを開けました。
マルベック種のブドウで、トロピカルフルーツのアロマ。
アンデス山脈に作られたワイン畑で丹念に収穫され、樽詰めされたそうです。
すこし硬かったけど、グラスに入れて少しおいてから飲んだら、おいしいおいしいの2つ星でした。
9ドル。
外は大雨。
ホワイトハウスはさぞかし大きいことだろうと、覚悟を決め、一番長いガンを車に積みこみ、夜明けに出発しようとしていると、ウッドから電話があった。
「ヘイ、波なんかないぞ。セットでようやく頭サイズが横風ビュンビュンの中をやっとブレイクしているけどどうする?」
「えっ!(絶句)」
そんなわけはないと思いながら頭の中を整理する。
1.ハリケーンが近すぎる
2.ハリケーンが逸れている
3.ハリケーンの勢力が弱まった
4.うねりの向きが変わった
5.強い横風にうねりが消されている
このどれか、または複数の理由だろう。
さっきサイトでハリケーン情報をしっかりチェックしておけばよかった。
仕方がないので、ウッドを誘ってこのサイドショア(東北東)がオフショアになる西に向かうことにする。
途中で快晴となる。
西側は地形の関係で、普段から晴れることが多く、南側が大雨でもこのように快晴無風となる。
ハワイ諸島全ての島で西側はこのような気候らしく、こんな日は「ウエストバンザイ!」といつも思う。
闘牛ポイントに着くと、すでに車列が出来ていて、最後尾にすべりこむようになんとか停める。
「混んでいるからイナリーズに行こうよ」とウッド。
「いや、地形もわからないのにあっちに行くのは賭けだよ。せっかく朝早くここに来たからここで」
と言った瞬間に思い出した。
ここの湾北岬に南東うねりをうけるマボロシの波があるという。
ウッドにそれを伝えると、彼は半信半疑ながら「お前が言うのなら行ってみよう!」
となり、そこに向かう。
ショートジョンに着替え、ワックスをたっぷりとバットフィッシュ(小さいと判断)に塗り、ゲートを抜け、闘牛放牧場を越え、浜に着くと、頭サイズの闘牛ポイントにはたっくさんのサーファーたちが結集していた。
島中が強風でも、ここはなぜかトレードウインドが弱いオフショアになるから無理もない。
俺たちはそれを横目に見ながら、反対側の岬を目指す。
遠い白波。
小さそうだが、距離があるのでなんともわからず。
途中でセットが入り、形の良さそうな波が弾けた!
おおー!
とふたりして砂浜を走り、走り、河口までたどりつくと、その沖には極上のライトハンダーが100m以上に渡り、パーフェクトにブレイクしていた。
俺たちは大きく「YEAH!」と叫び、ハイファイブをして沖に向かう。
波は全てバレルである。
ということは浅いのだろう。
波の面がゴワゴワしているので、かなり浅いことは推測できる。
セクションが4つ以上あり、最初は河口につながるピークで待つ。
沖にセットが現れる。
ん?頭半はある!
ウオー、っと一本目に乗ると、テイクオフして軽いターンをしたらバレルに包まれた。
波の斜面が朝陽に反射してまぶしい。
そのままバレルセクションを越えて、ショアブレイク手前でダブルアップするところでキックアウト。
ウッドが沖から吠えているので、立ったまま両手を拡げて応えた。
こんなすばらしい波を今日乗れることを俺は想像していなかった...。
メンタワイのHTそっくりで、それをマイルドにしたような波。
大きすぎず、小さすぎず、夢のような波。
他は風が強く、そして反対側の岬は今日一番混んでいて、うねりはこの半分程度に小さい。
不思議だなあ、とずっと波乗りしていたが、どうにもならないほど空腹になってしまった。
車までは遠いし、仕方がないとあきらめた。
もう一度岸まで乗った際に波打ち際を見ると、多量の黄色い果実風な球状のものが砂浜を彩っていた。
もしかしたら?
と上がるとやはりリリコイ(パッションフルーツ)だった。
川から流れ着いたのだろう。
その何個かを拾い、両方の親指で分厚い皮を裂き、果実を大きく開けた口に流し込むと、大当たり!
砂糖のように甘ーい完熟リリコイだ!
うおー、っと手当たり次第に食べ、種まで全て飲み込み、沖にいるウッドに何個かおみやげとしてウエットの中に入れて持っていく。
なんとも幸せだなあ。
風はまだオフショア、波は余りまくっている。
やがて潮が干いてきて、インサイドでプルアウトするとボードがリーフに擦るようになってきたので、ここであきらめて上がる。
「夕方また満潮になるからまた来ようぜ!」
とにっこにこで俺たちはここを後にしたのだ。
帰り道、ウッドが「ここってなんていう名前がついているんだろう?」と言うので、俺は
「リリコイポイントにしようよ」
と勝手にネーミングした。
家に帰ってニュースを見ると、そのハリケーンは勢力を弱め、なおかつ進路を変え、ハワイ諸島へは何も被害を出さないだろう、とキャスターはうれしそうに言っていた。
良かったぁ....。
一度家に帰ったウッドは疲れたようで、午後戻らずに明日また朝行こう、とさっき電話があった。
ブイ情報を見ると、うねりは半分程度に下がっていて、きっと今日乗った波が最大になるのだろう。
ハリケーン・フロッシーがもたらした奇遇なる波である。
リリコイポイント、今度はいつそのラインナップを現すのだろうか?
(お知らせ)
来たる8月28日、午後7時より60分間アップルストア渋谷店にて私のスライドショーを行います。
写真に合わせて、撮影裏話などもお話しますので、みなさんお誘い合わせの上、ぜひお越し下さい。
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こんな日はおいしいワインを飲もうと、アルゼンチンの高地ワインを開けました。
マルベック種のブドウで、トロピカルフルーツのアロマ。
アンデス山脈に作られたワイン畑で丹念に収穫され、樽詰めされたそうです。
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9ドル。
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この記事にコメントする
情熱果実的な
前から思ってたんですけど、フナキさんって
ライトタイムライトプレイスが非常に多い
ですよね。超人的に。打率で言ったら結構
良い数字じゃないですか?羨ましいです。
でも直撃じゃなくてホント良かったですね。
俺はこれからワインを飲みに出撃です。
ライトタイムライトプレイスが非常に多い
ですよね。超人的に。打率で言ったら結構
良い数字じゃないですか?羨ましいです。
でも直撃じゃなくてホント良かったですね。
俺はこれからワインを飲みに出撃です。
すみません・・・
今日は気合を入れての登板でしたが空回りにてKOされました・・・
ガンさんも遠慮と言う物を知りませんね~。
さて渋谷当日はたぶんNYにいます。
ヤンキースタジアムでの登板を楽しみにして下さいね。
おっと余ったご飯はおにぎりにして空輸して下さい!
なきさん、わかりますねー!!
ガンさんも遠慮と言う物を知りませんね~。
さて渋谷当日はたぶんNYにいます。
ヤンキースタジアムでの登板を楽しみにして下さいね。
おっと余ったご飯はおにぎりにして空輸して下さい!
なきさん、わかりますねー!!
みんな
買い貯めた水とかコーンフレークとかビスケットとか、みんなどうするんでしょ。イニキのときには2ヶ月停電、断水したというから、凄い量買い込んだはずですよね・・冷凍食品ならまだしも、クッキーなんてパサパサだから毎日は食えないよね
正しい時間東海道53次
Q#003さん、
おひさしぶりです!
カ○スがいい時期なのではないでしょうか。
ライトタイムライトプレイスだとうれしいです
いつまでも平和であってほしいものです。
ワインはいかがでしたか?
Fgさん、
遠いですが、江戸まぜひいらしてください。
ハリケーンは本当によかったです。
天災はやはり怖いですね。
おひさしぶりです!
カ○スがいい時期なのではないでしょうか。
ライトタイムライトプレイスだとうれしいです
いつまでも平和であってほしいものです。
ワインはいかがでしたか?
Fgさん、
遠いですが、江戸まぜひいらしてください。
ハリケーンは本当によかったです。
天災はやはり怖いですね。
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プロフィール
名前:Naki 2009 または船木三秀
HP:NAKISURF
性別:男性
職業:専門職
趣味:海
自己紹介:
11年暮らしたカリフォルニアからノースハワイ島に住みかえ、毎日クオリティの高い波で波乗りをしています。
私は波乗り殉教者で、肩書きはプロサーファー、写真家、画家、ルポライター、デザイナーです。
風が創ったさざ波が合わさり、遠くの洋(うみ)から陽の下、夜の中を駈けてきたうねりに乗る、というような気持ちで波に接している。
その欲求と探求心は飽くことがないようで、小さい頃からの夢であった世界の海を旅し、自分なりのアウトプットを続けています。
波を知ることは海を知ること。その深遠無限のインスピレーションを感じ、ゆらゆらと絡まった日々をこのブログで綴れたらなあ、と。
そんな波乗りの奥深さ、その意識や感覚を文章、写真、絵で表現できたらと思っています。
同業の方、同じ夢の方、海が好きな方、波乗りを愛する方、この場でお話しましょう。
ありきたりの道具論に留まらないメッセージをみなさまと創ってみたいのです。
また、カリフォルニア州、サンクレメンテ発のサーフショップ『NAKISURF.COM』も運営しております。
こちらは長年培ったサーフ業界のコネクションを活かし、世界で一番誇れるWEB STOREを目指しておりますので、どうぞご覧になってください!
ぜひ!
どうぞよろしくお願いします。
私は波乗り殉教者で、肩書きはプロサーファー、写真家、画家、ルポライター、デザイナーです。
風が創ったさざ波が合わさり、遠くの洋(うみ)から陽の下、夜の中を駈けてきたうねりに乗る、というような気持ちで波に接している。
その欲求と探求心は飽くことがないようで、小さい頃からの夢であった世界の海を旅し、自分なりのアウトプットを続けています。
波を知ることは海を知ること。その深遠無限のインスピレーションを感じ、ゆらゆらと絡まった日々をこのブログで綴れたらなあ、と。
そんな波乗りの奥深さ、その意識や感覚を文章、写真、絵で表現できたらと思っています。
同業の方、同じ夢の方、海が好きな方、波乗りを愛する方、この場でお話しましょう。
ありきたりの道具論に留まらないメッセージをみなさまと創ってみたいのです。
また、カリフォルニア州、サンクレメンテ発のサーフショップ『NAKISURF.COM』も運営しております。
こちらは長年培ったサーフ業界のコネクションを活かし、世界で一番誇れるWEB STOREを目指しておりますので、どうぞご覧になってください!
ぜひ!
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