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これはキンチャンズ全景図。

今日はハナレイ、ハエナ岬、キラウエア岬に行ってきました。
波は少し下がり、ストームが近づいているので、大雨、晴れ、小雨、曇天の繰り返しの忙しい日。
パームツリー右側で入り、柳瀬はQちゃん初ライドを決め、ライトでグイーンと走っていました。

さて、第二弾3回目、いよいよ明日が最終回です。
均と健一郎はどうなるのか?
ブルックスサーフに乗り込みます。

*************************
byブルース・カイパンズ

(昨日からの続き)

ブルックスサーフに着くと、均は店の死角になる木の横に車を停めて外に出た。
健一郎も出ようとしたが、均は首を2回横に振ってそれを静止して一人で店に向かっていった。
健一郎は車の中で待っているのも落ち着かないので、木の陰に隠れて様子を見ることにした。

外のデッキでは山内を囲んで5人程が談笑していた。
均がデッキの階段を上がっていくと、デッキにいた全員が見慣れないアロハシャツを着た男性の事を上から下まで凝視してきた。

「おいっ!」

山内が一言言うと、全員が気まずそうな顔をして均に向かって軽く会釈した。

「ウチの若い奴らがすいません。いらっしゃいませ、何かお探しで?」

そういう山内も、こんな入りにくい雰囲気のローカルショップにふらりと入ってきた均の事を少し不思議に思っていた。

「どうも、大崎です。山内君僕の事憶えているかなぁ?」

均が物腰柔らかく山内に問いかけた。

「大崎さんですか?いや、すいません。いつ頃お会いしましたっけ?」

「憶えてないだろうな、もう何十年も前の話だから。山内君が若い頃、何度か私の車に乗って波乗りに行ったんだけどなぁ。大勢いたしね、憶えてないか..」

木の陰で様子を見ていた健一郎はひっくり返りそうになっていた。

親父がサーフィンやっていた?
山内を海に連れて行っていた?
という事は伝説のパイオニア世代!?

さっき一瞬見えたグレッグ・ノールはあながち間違いではなかったのかもな。
デッキにいた他の若者も、突然のパイオニアの来店に話を中断し、耳を傾けた。

「大崎さん、先輩の事忘れるわけないじゃないですか、お久しぶりです。まだサーフィン続けてらっしゃるんですか?」

突然何かを思い出したかのように山内は均に握手を求めた。
健一郎には均が一瞬ニヤリと不敵な笑みを浮かべたように見えた。

「いやいや、若い頃だけだよ。今ではすっかりこんな体になっちゃってね」

「あはは、まだまだイケますよ、で今日はどうしたんですか?」

山内の問いかけに均は一瞬言いづらそうな表情をしてから口を開いた。

「実は私の息子の健一郎がそちらの若い子とトラブったらしくて、まあ山内君のお店の子とは知らなかったらしいんだけどね、ちょっと悩んでたんで私が話をしてみようかな。と思ってね」

5秒程、静寂の時が流れた。均が山内の顔を覗き込むと、少しぎこちない笑顔で山内が答えた。

「大崎さんの息子さんだったんですか。いや、自分の所のカワイイ子たちを守るのは僕の役目なんでね、相手には多少のリスクを背負ってもらわないと。というのが僕の考えなんですが、先輩直々のお願いなら受けない訳にはいきません。わかりました、彼には私の方からよく言っておきます」

デッキの若者達は一様に驚きを隠せないでいた。
無理もない、陰ではヒトラーとも揶揄される山内があっさり要求を飲み込んだのだ。

このオヤジただ者じゃない。全員がそんな表情で均を見つめていた。

中には動揺しすぎてTシャツをジーンズの中にしまう者もいた。

「ではまた海でお会いできるのを楽しみにしています。」

山内が均を店の外まで送り出すと、デッキの若者達も立ち上がって深くお辞儀した。

均はニッコリ笑って頷くと、少しぎこちなくハングルースをしてみせた。

親指と人差し指の立て方が逆で、スタンハンセンにも見えたが、健一郎の方に向かって歩いてくる父はやはり『グレッグ・ノール』だった。

「ケン坊、俺もなかなかやるだろ?見直したか?」

ブルックスサーフを出て、2つ目の交差点に差し掛かろうとした頃、均が健一郎に話しかけた。

「オヤジすげーじゃん!なんで今まで黙ってたんだよ、サーフィンやってたなんて母ちゃんからも聞いた事ねーぜ。しかも山内さんの先輩だったなんて、あそこのリーフを開拓した人達の一人だろ?伝説だよ、パット・カレンだよ。つー事は俺はトム・カレンか?アハハーすげ〜や!」

とんでもない先輩サーファーが今自分の隣にいる事と、ここ数日悩み続けていた事がクリアーになった事で緊張の糸がほぐれた健一郎は、少しナチュラルハイな状態になっていた。

均は苦笑いをしながら答えた。

「ケン坊、父ちゃんサーフィンなんてしたことねーよ。」

「はい???」

「お前俺が何年営業やってると思ってんだ、体育会系タテ社会ってのはな、先輩が一番強いのよ、例え見た事のない先輩が現れたところで否定する奴なんてまずいねーよ。それがタテのもろいトコでな、ある意味オレオレ詐欺だな、古いか?ガーハッハ」

助手席の健一郎は口をポカーンと開けたまま固まっている。

「健一郎、よく聞けよ。あれは嘘じゃあない、スキルだ。人にはな、時間ってのは平等に与えられてんだ。だけどな、センス、才能ってのは平等じゃない。才能あるやつを追い抜くとしたらスキルを磨くしかないだろ?俺の場合、営業成績あげるにはこれしかなかったんだ。いやな大人になっちまったもんだ。俺も若い頃波乗りにでも出会っていればな。少なくても山内の目は俺より澄んでたよ」

もっともらしく、訳の分からない事を言った後、黙っている健一郎を見て均はポーンと健一郎の肩を叩いた。

「しかしこんな所で役に立つとはな。結果オーライだ、結果オーライ!」

結果オーライ。あまりにも均らしい楽観的な片付け方に、一瞬にして「伝説のサーファー」から「いつものオヤジ」に戻った均を見て、健一郎は苦笑した。

「だな、結果オーライ、結果オーライ。でも絶対オヤジみたいな大人にはならねーからな。」

「アハハ、その方がイイな。」

健一郎はダッシュボードから均のお気に入りテープを出してカーステに差し込んだ。


同じ頃、ブルックスサーフのデッキはザワついていた。

「えー!?あのおっさん、山内さんの先輩じゃないんですか?」

「とんだ茶番だな..」
大崎均を見送った後に吐き捨てた山内の言葉に若者の一人が過敏に反応した。

「大崎なんて先輩はいないよ、だってあのポイントを開拓したのは5つ上の俺の兄貴とその友達の『風神・龍神』川中風太、龍太の兄弟の3人だけだぞ。おまけに兄貴達には一回も車で海になんて連れて行ってもらってないしな。ガキの俺が邪魔だったんだろうな、いつもチャリンコだったよ。車で海に行ったのなんて免許とってからだよ」

「じゃああのオッサンの言ってたのはデタラメだったんすか?」

「だから茶番だって言ったろ?途中から話に乗ってやってたんだ。あの小僧もあそこの木のかげから見えてたしな」

山内はさっきまで健一郎が隠れていた木を指差しながらそう言った。

「この俺を親子でだまそうとするとはな、あの小僧の事は許さねえよ」

不敵に笑ってデッキのテーブルを叩くと店の奥に入っていった。

(明日、最終回に続く)
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シュガートーストブルース
最終回が楽しみでワクワク。
マーボー 2007/01/09(Tue)14:48:45 編集
同じく
明日が楽しみです。
また10日以上経って、世の中が変わってしまっったような錯覚に陥りますだたくじ。
得♪ 2007/01/09(Tue)15:52:38 編集
サーフファースト最新号
マーボーさん、
俺もわくわくしています。
DFのインタビュー号届きました。
俺の名前が載っていてビックリ。
マー様まで出ていました。
感謝。

得♪さん、
ゆっくり休めたようですね。
055まで休んでいてください。
サーフファースト誌、最新号のドノバン・インタビュー良かったですよ。
特に翻訳が最高でした。
ティム・カレンになっていたり、にくいなー。
完璧。
イオキもそうでしたね。
さすがのファーストですね。
ふなき 2007/01/09(Tue)17:04:04 編集
凄いぞ山内!
山内の不敵に笑ったところが・・・
最終回はどうなるのだろう?
特番も組んで下さい。
じーじ 2007/01/09(Tue)21:09:58 編集
ぎこちなハングルース
フナキさん、ブルース・カイパンズさん。
変化球のオン・パレードですやん!! オモロ過ぎ!!!
我が青春の愛読書《源にふれろ》を超すか!?
明日も、よろしくです!
Fg 2007/01/09(Tue)21:37:09 編集
ありがとうございます。
皆さん読んで頂いてるんですね、ありがとうございます。
4回にもわたってページを割いていただいて感謝しています。
さて最終回ですが、

サザエ、七里のおじさんのブログに載る
波平、名前が縁起悪いと山内にどやされる
WCTチャンピオン争い カツオvsパー子(ジョエル)アニメ対決

の3本を予定しています。ZEHI〜♪
ブルース・カイパンズ 2007/01/09(Tue)23:12:57 編集
ブルース・カイパン 様
最終回はそのような展開ですか??

アンディ・あ!イヤ~ンもゼヒ登場させて下さい。
もしくはカイポ・気持ち悪い・ハキアスでもいいです!
一朗51 2007/01/09(Tue)23:25:13 編集
涙で彼女の島
じーじさん、
最終回はもうすぐです。
わくわく。

Fgさん、
「波乗りの島」はもう越えたと私は感じています。

ふなき 2007/01/10(Wed)01:32:02 編集
映画版カイポ
ブルース・カイパンズさん、
ちょうど柳瀬とサザエさんの映画版の脚本を書いていたところです。
まずは1作目、
2008年お正月公開用に

「サザエさんThe MOVIE うちのハワイ旅行」です。

オープニング旅行記は

♪ ハナウマベイ(魚と泳ぐタラ、イクラ)
♪ メリー・モナーク・フェスティバル(ソロでフラを踊るサザエ)
♪ ワイキキショッピング(荷物をたくさん持たされたマスオ)
♪ タンタラスの丘(アロハとムームーのノリスケ、ウキエ)
♪ ラニアケアのウミガメ(一緒に泳ぐワカメ)
♪ パールハーバー(涙ぐむ波平、舟)
♪ ワイメアの滝(軽く飛び込むカツオ)

♪ サンセットディナー・ルアウ(全員大団円)

♪♪♪


一朗51さん、
アンディのネーミングはすばらしいのですが、カイポのは失礼です。
ん?
「吐く」にかけているんですね。
今わかりました。
カイポいい人ハキアスなのに、と思っちゃいました。
ふなき 2007/01/10(Wed)01:52:19 編集
無題
続きが気になって眠れません。

素晴らしい波です、キンサンズは夢の楽園ですね!

T35ZH 2007/01/10(Wed)05:47:03 編集
ニヤリ
おもろい展開なり。ノンフィックションッッ=3??くしゃみでちゃった☆
t-mean 2007/01/10(Wed)08:49:29 編集
楽しみ!
のめり込む内容です
最終回、どんな展開が待ち受けているのでしょうか?
どきどき.....
manga 2007/01/10(Wed)12:46:58 編集
曽ザメハ
T35ZHさん、
キンチャンズにようこそ!

t-meanさん、
パルプンテです。
ふなき 2007/01/24(Wed)08:25:55 編集
音頭
mangaさん、
最終回はいかがですか?
ふなき 2007/01/24(Wed)08:26:29 編集
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プロフィール
名前:Naki 2009 または船木三秀
HP:NAKISURF
性別:男性
職業:専門職
趣味:海
自己紹介:
 11年暮らしたカリフォルニアからノースハワイ島に住みかえ、毎日クオリティの高い波で波乗りをしています。

 私は波乗り殉教者で、肩書きはプロサーファー、写真家、画家、ルポライター、デザイナーです。

 風が創ったさざ波が合わさり、遠くの洋(うみ)から陽の下、夜の中を駈けてきたうねりに乗る、というような気持ちで波に接している。
 その欲求と探求心は飽くことがないようで、小さい頃からの夢であった世界の海を旅し、自分なりのアウトプットを続けています。

 波を知ることは海を知ること。その深遠無限のインスピレーションを感じ、ゆらゆらと絡まった日々をこのブログで綴れたらなあ、と。

 そんな波乗りの奥深さ、その意識や感覚を文章、写真、絵で表現できたらと思っています。

 同業の方、同じ夢の方、海が好きな方、波乗りを愛する方、この場でお話しましょう。

 ありきたりの道具論に留まらないメッセージをみなさまと創ってみたいのです。

 また、カリフォルニア州、サンクレメンテ発のサーフショップ『NAKISURF.COM』も運営しております。

 こちらは長年培ったサーフ業界のコネクションを活かし、世界で一番誇れるWEB STOREを目指しておりますので、どうぞご覧になってください!

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