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今日は北西のうねりが入るというので、ソフトサンドへ。

ちょうど今、弊社柳瀬がバケーションを取ってここにいる。
イナリーズ、闘牛ポイント、トムクンズ、ホワイトハウスと視察を終え、とうとう冬の代表ブレイクにやってきたのだ。
あいにく天気は晴れ、曇り、そして大雨とバリエーション豊かで、風は弱いサイド。
波はダブルちょいくらい。
ダブルと言ってもノースショア、しかもハワイ諸島で一番北の島、つまりオホーツクで作られたうねりが長い距離を旅してきて、そのまま最初にぶつかるのがここ。
波圧が違う、うねりのスピードが速い、波長が長い、砕ける破壊力は同サイズの大陸波とはくらべものにならないのだ。

ここはイナリーズと違い、結構沖で待つことになる。

遠浅なので、セットが入ってくると、本気でパドリングをするのだが、たいてい大型なのは、無情にも鉄槌のように頭の上にリップが降ってくる。



こんな天誅セットを喰らうと、ダックダイブしたまま縦2回転、斜めきりもみ、ムーンサルト、バックドロップ等々と、波によって繰り出されるアソート拷問となる。
それらにも無言で耐える俺たち。

今日、感動したのが柳瀬の根性である。

最初に入ったとき、一発目を乗った柳瀬に対し、ソフトサンドちゃんは大波6連発の洗礼を喰らわせた。
そのままインサイドまで持っていかれた柳瀬。
普通の人なら絶対に岸に上がるほど打ちのめされたはずである。
なのに、彼は沖に向かってパドルを続けていた。

その後、3連、5、4のフィーバーがあったが、40分後、うねりが来なくなった時に柳瀬は砂を巻き上げるインサイドセクションを超えてパドルしてきた。

「いまだ!」

と手を廻し、早く速くはやく、ハヤクとおいでおいでをする俺。
沖にセットはまだ見えない。
なんとか滑り込みセーフ。

はあはあ、俺まで疲れたよ。

その後3時間に渡るセッションを行い、広々としたピークの上で、山々の連なり、大きな無人の砂浜を遠くに眺めながら、バレル、レイトテイクオフ、トップターン、カービングターン、江戸前プルアウト、火事場のアイランドプルアウト、スープの下グラブレイルと、

「しんのサーフィング」

を満喫しました。

この場合の「しん」は真でもいいし、芯、または神、信、深、辛、震、伸、進、沁、沈、心かなあ。

俺たちは岸に上がって、あらかじめアイスボックスに入れて用意してきたハイネケンビール(瓶)をゴポン(栓を抜く音)グビグビグビーっと!。

おいしー。

めでたしめでたし。

今日も生きています。
柳瀬も無事です。

ここからブルース・カイパンさんの投稿コラムの続編です。
ぜひ!

************************************************
(昨日からの続き)

「おい、ケン坊、手が震えてんぞ?それともアレか、女に振られたか?ガッハッハー」

健一郎の父、均が茶化してきた。

「ウッセーよ!」
「なんだと〜、親に向かってその口の利き方はないぞぉ」

いつもの調子の適当口調。営業一筋30年、阪神戦と晩酌しか楽しみのない54歳。

調子のいい所は好きだったが、健一郎にとって均は決してカッコイイ父親ではなかった。
マイク真木が父親だったらと、何度思ったかわからない。

「なんだ、ケン坊。悩み事なら聞いてやるぞ?」

普段なら絶対にこんなオヤジに悩みなど打ち明けないのだが、かなり切羽詰まっていた健一郎は堰を切ったように均に全てを話した。

「フ〜ン、そうか。ガキにもいろいろあんだな」

均はテレビの画面に映る「阪神×巨人戦」を観ながらそう言うと、金本のホームランに小さくガッツポーズして席を立った。
やっぱ話さなきゃ良かった。
一瞬でも均を頼った事を健一郎は激しく後悔していた。

しばらくすると、書斎という名の倉庫から均がアロハシャツを着て出てきた。

「ケン坊行くぞ!」
「どこにだよ?」
「そのブルドッグサーフとかいう店だよ」
「ブルックスだよ、行って何すんだよ!」
「いいからついてこい」

均の突然の行動に健一郎は戸惑っていた。
なんでこいつと?
なんでアロハシャツ?
さまざまな疑問点があったが、アロハを着た恰幅の良い均の後ろ姿が一瞬グレッグ・ノールに見えてしまった健一郎は、何かに吸い寄せられるように均の車の助手席に座っていた。

「おうっケン坊、テープ裏っ返しにしてくれ」
「またこれかよ〜!」

古ぼけたカーステからいつものように「六甲おろしオマリーバージョン」が流れてきた。

「オヤジ、オマリーバージョンはよせよ」
「ハハハ、ケン坊、オマリーバージョンはな、2番がイイんだよ。わかるか?わっかんねーだろーなー。おめーは巨人ファンだからな。1985年生まれのくせして巨人ファンとは、バチ当たりもいいとこだぞ」

そう、健一郎が生まれた1985年は万年Bクラスだった阪神が優勝した年だ。
均は続ける。

「お前が産まれた時な、名前を掛布から取って「雅之」にするか岡田の「彰布」にするか迷ったんだぞ」

「何回も聞いたよ!それか真弓か源五郎丸かって話だろ?真弓も源五郎丸も名字だから!って何回突っ込んだかわかんねーよ」

均は決まって車に乗るとこの話を始める。

猛反対の末、「健一郎」という名前にしてくれた母にはこの話を聞くたびに感謝していた。

「もうテープ出すからな」

イジェクトボタンを押してテープを取り出したその時、切り替わったAMラジオのナイター中継からは二岡の逆転スリーランを興奮気味に実況するアナウンサーの声が飛び込んできた。

健一郎は小さくガッツポーズして均にウインクしてみせた。

均は苦虫を噛み潰すような顔をして、「だから井川は替えるなって言ったのに」と言った後ボソっと呟いた。

「不吉だなぁ...」

(明日へ続く)
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空虚
・・・。

は~。。。

う~。。。

あ~あ。。。笑
kenboku 2007/01/08(Mon)16:45:22 編集
井川君
スゴイ波!あいかわらず恐ろしい島です。
そこで3時間?ゲゲゲ・・・

本日の湘南はそれはそれは寂しい波で頑張っても1時間半が限度でした。
しかも全てのサーファーが「目指せ、富士山!」
にて横にパドルをしていました。

出来ることなら「サーファー版箱根駅伝」でもしちゃおうぞって感じの襷リーレーをすれば良かったです。

さて本日のスポーツニュースは井川君が髪の毛を切ってNYに向かいました。

均さんは成田で泣いているのでしょうか?
きっと打たれたのは久保田だろうな・・・・
一朗51 2007/01/08(Mon)19:01:40 編集
天誅セット
絶句ですね。サメも恐いけど、ダックダイブのまま引きずり込まれるのはリアル過ぎです。柳瀬氏の気持ち凄くわかります。僕も、負けず嫌いなので(笑)  コラムですけど、変化球で来ましたね。いいですね〜。明日も待ってます。
Fg 2007/01/08(Mon)19:03:48 編集
爆弾低気圧
爆弾低気圧・・湘南は不発でした。
更に発達しているようなのでそちらは凄い事になりそうでね!
ローカリズムの問題は難しいですね、私も23年疑問を感じています。上手くいえませんが仲間意識を持つのは良いのだけれど、場所によってはちょっと方向性が間違っているよう気がします。
サーフィンと平行しウィンドをしてた時期もあるのですが、ウインドの世界では感じた事が無いんですよね・・・不思議です。
TAKEO 2007/01/08(Mon)19:17:39 編集
一朗51様
正解です。設定としては200X年、対巨人16回戦甲子園球場、8月の後半あたりですね。
井川→安藤→ウィリアムス→球児とつないでの久保田で炎上。とそんな感じです。
補足すると二岡のホームランは延長10回の表です。

   1 2 3 4 5 6 7 8 9 10  計
巨人 0 0 1 0 0 0 0 0 0 3   4
阪神 0 0 0 0 0 0 1 0 0 0   1


江戸前プルアウト、最高です!!
ブルース・カイパン 2007/01/08(Mon)19:55:44 編集
おお!
ブルース・カイパンさんだー!

読者を代表して質問です。
カイパンさんは船木さんではないのですか?
ゴーストライターってヤツ?
多少、文章表現が違うので不思議ですが・・・

なにやら巷では今年の芥川賞もしくはすばる文学賞は決まりとの声が出ています。

どちら様かは分かりませんが受賞したらなんか奢って下さい!

一朗51 2007/01/08(Mon)21:56:58 編集
GO航空縦縞空心
kenbokuさん、
。。。>?
リフエまで迎えに行けば良かったです。

一朗51さん、
西風だったのですね。
こういうときは逗子から伊豆白浜までのパドル駅伝です。
均さん?
あっ、シュガートーストですね。
阪神ファンの方はこういうとき泣かれてしまうのですね。
ランディ・ジョンソン獲得!
と東スポに出てました。
横に小さく(2年30億超、Dバックス)
と書いてはありましたが...。
ダークダックスかと思いました。
青葉城恋唄。
ふなき 2007/01/09(Tue)02:14:49 編集
景浦農協JA前
Fgさん、
ここでこのサイズとなると、ダックダイブが決まるのは1/20程度と打率が下がります。
あぶさんが中日の門倉を苦手にしているようなものです。
そんなときは種田打法で開眼していましたが..。(コミックス86巻参照)

TAKEOさん、
すごい低気圧で、お隣のとおるさんBLOGで気圧配置が出ていますが、イナリーズ15ftもあながち過大評価ではなさそうです。
怖そう...。
わかります。
きっと、波に対してのサーファー数が釣り合っていないのだと思います。
元トーダイ、マノア校のあっちゃんに式を出してもらいました。

ウインドゲレンデ<サーファー数

サーフィング波>サーファー数

ということです。
でも、前に千葉、南房総を旅した時に岩場で無数に割れる無人波がありました。
そのひとつでやりましたが、私と友人のふたりだけで、誰も来ませんでした。
楽しい、やわらかい時間でした。
ふなき 2007/01/09(Tue)02:23:20 編集
トラトラトラゾーン
ブルース・カイパンさん、
これって、2004年の試合では?
さっそくナンバー誌を開いてみます。
お詳しいですね。
私のトラ憶はバース掛布真弓の3連打で途切れています。
スペンサーってまだいますか?
彼のNY時代のユニフォームを持っていました。

富士山世界文化遺産登録申請プルアウトというのはどうですか?
コラム投稿ありがとうございました。
住所を見たら富士山だったので感動しました。
早速プレゼントをお送りします。
よかったらさらに執筆してください。
ブルースさんブログ開設しますよ。

一朗51さん、
残念ながらブルースさんは私と違います。
まずはブンタイが違います。
句点位置が少し広めです。
外側に逃げるボールも多様してきて、追い込まれるとそこにも手を出さなくてはならず、特に主審がデビッドソンの時は、ほとんどストライクと認定されるので、早打ちして、詰まされてしまいます。
一朗51さんに対して野球ネタは恥ずかしいですが、私のBKさんのブンタイ相違説明に代えさせていただきます。
ふなき 2007/01/09(Tue)02:34:39 編集
わぉ!
 オホーツク海に抜けた爆弾低気圧からのスウェルでしょうか? ⇒ まだ早い?

 柳瀬さんのガッツにかんぱ~い♪
manga 2007/01/09(Tue)12:43:05 編集
巨大北西335°
mangaさん、
週末だそうです...。
ANAで飛んで来てください。
機長の後ろのジャンプシートが開いているそうです。
ふなき 2007/01/09(Tue)17:05:53 編集
はじめまして
どういう風にか、こちらにたどり着きました。
ハワイ、オアフ島在住の者です。
あまりうまくないのですが、日本ではじめた波乗り、サウスショアばかりですが、今はここで時間さえあれば海に、なくてもビーチにという生活をしています。波乗り歴だけ長く恥ずかしいばかりです。

天気、荒れてきましたね。とても寒いです。わたしのところも断続的に強い雨がたたきつけてきます。

小さいサイトですが、ブログで毎日の海のことなど書いています。寝ても覚めても海が好きです。
時々、お邪魔させて頂くと思います。
Thank you and Aloha, Rene
Rene 2007/01/09(Tue)18:19:42 編集
南海岸
Reneさん、
初コメントありがとうございました。
それでは、あっくんやトムくんボブさんとも顔見知りだと思います。
よろしくお願いします。
今、Reneさんブログを検索しましたが見あたりません。
よろしければURLをお知らせ下さい。
ふなき 2007/01/10(Wed)02:04:57 編集
blog
わ、ごめんなさい。
ブログのアドレスです。
嵐、オアフ島は抜けました♪
今日は青空、波1フィート。。。凹○コテッ
http://seabluemoon.blog48.fc2.com/
Rene 2007/01/10(Wed)08:01:00 編集
朦朧
ふなきさん、こんにちわ。
緊張感がひしひしと伝わってきます。気が付いたら息を止めて読んでいました(笑)鉄槌ですか...
こちらはサンタアナでぽかぽか陽気です。

コラム最終回も楽しみでワクワクしています。
Todd 2007/01/10(Wed)09:28:14 編集
sea breeze ca
Reneさん、
ブログ見ましたよ。
80年代の話題もあって驚きました。
感じいいですね。

Toddさん、
今となっては波の感触も忘れちゃいました。
寒いです。
ふなき 2007/01/24(Wed)08:31:09 編集
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プロフィール
名前:Naki 2009 または船木三秀
HP:NAKISURF
性別:男性
職業:専門職
趣味:海
自己紹介:
 11年暮らしたカリフォルニアからノースハワイ島に住みかえ、毎日クオリティの高い波で波乗りをしています。

 私は波乗り殉教者で、肩書きはプロサーファー、写真家、画家、ルポライター、デザイナーです。

 風が創ったさざ波が合わさり、遠くの洋(うみ)から陽の下、夜の中を駈けてきたうねりに乗る、というような気持ちで波に接している。
 その欲求と探求心は飽くことがないようで、小さい頃からの夢であった世界の海を旅し、自分なりのアウトプットを続けています。

 波を知ることは海を知ること。その深遠無限のインスピレーションを感じ、ゆらゆらと絡まった日々をこのブログで綴れたらなあ、と。

 そんな波乗りの奥深さ、その意識や感覚を文章、写真、絵で表現できたらと思っています。

 同業の方、同じ夢の方、海が好きな方、波乗りを愛する方、この場でお話しましょう。

 ありきたりの道具論に留まらないメッセージをみなさまと創ってみたいのです。

 また、カリフォルニア州、サンクレメンテ発のサーフショップ『NAKISURF.COM』も運営しております。

 こちらは長年培ったサーフ業界のコネクションを活かし、世界で一番誇れるWEB STOREを目指しておりますので、どうぞご覧になってください!

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