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ニックとジョンが最終日だというので、超早起きして、真っ暗な空の下を闘牛岬まで行く。

ホワイトハウスの時は暗い朝から行くが、闘牛はリラックスクルージング波なので、適当な時間にしか行ったことはない。

すると、すでに10台以上の車が来ていて、その数に驚く。

沖に出ると20人以上のロングが浮いていて、それを見て早起きを悔いる。

今日は某伝説ロングボードシェイパー(名を伏せる意味は後でわかります)のクアッドフィン・フィッシュがAVISO製であるので、それを試乗する日だった。

デッキコンケイブがくぼみ、丸いノーズが美しい。
レトロクアッドというほどなので、これに乗るのが楽しみであった。

長さは5'8"。

せっかくかっこいいボードを持ってきたのに、こんなに混んでいたら乗れないぞ、とジョンに愚痴をこぼす。

しょうがないのでインサイドで適当に乗ろうと、膝腰程度の波を求めてテイクオフする。

だが斜面でパドリングを始めると、ノーズが波に入り込む。

それを拒むべく胸を反らせるだけ反らすのだが、失速するだけでテイクオフしていかない。

うーん、もう一本と今度は先ほどより3cmくらいテイル側でパドリングするのだが、どうしてもノーズが喰う。

次の波でなんとかテイクオフできたのだが、力がない緩慢な波ではノーズが喰わないように、そして横を向けるのが精一杯だった。

???

いったいこれは正常なのか?
とボードを裏にしてフィン等全て確かめるが、見たところ完全に正常だ。

ニックにそれを伝えると「DUDE、お前もか、全く走らないだろ?」

と真剣な顔で言う。

こんなボードは誰が乗るんだろう?

セールスマンのニックに「こんなボードはこれから売っちゃいけませんよ。廃止としなさい」と真剣に伝えた。

でもあんなに有名なシェイパーがこれほど調子が悪いボードをデザインするとは...。

「世の中わからないものだ」とまた勉強になった。

AVISOモデルになるには様々なプロセスがあって、通常は製品になる前にみんなで乗ってみて意見やフィードバックを聞いてから作製認可をする。

でも、今回の件は高名なシェイパーだからみんな信用しきっていて、誰もそのチェックを行わなかったのではなかろうか?

と疑問符だらけで一度岸に戻り、ロケットフィッシュの一番大きなサイズ、6'6"バージョンと交換する。



このボードを持つと、「おお(幅が)広い」とそのロングボード並の幅に少し驚く。

「22インチはあるだろうなあ」と思いながら沖に出る。

するとそのパドリングの高速感に「ものすごく速い!!」と気持ちが高揚する。

そして目を落とすと、ワックスでシーライオン(トド)と書いてあり、このトドモデルは今回の旅で体重90キロのトド、つまりジョン用に持ってきたのだ、と知る。

じゃなかったら俺もニックもこのボードに乗るとは夢にも思わなかっただろう。



ロング並のパドリングスピードにかなり気持ちがよくなった俺は、インサイドで適当な波に合わせて漕ぎ始めた。

その速い走り出しに「ドヒャー」と感動し、ワクワクしながらダウンザライン。

セクションの終わりでデッキパッドがついている位置まで後ろ足を乗せ、それからウリャっと、ターンをしたらギュイーンと、かなりの加速を見せた。

波のトップ付近まで行き、今度は斜面の中にフロントサイドターンで落とし込むとさらなる加速感覚を受ける。

「いいぞいいぞ!」

何もクセがないボードってひさしぶりに乗った気がする。

どんなターンも俺のこころのおもむくままに繰り出していく。

オーバーフロートなので、実際には大回りのターンなのだが、JJ9'6"ロングボードに乗るジョンには「大きなカービングターンがかっこいい」と言われ、「いやいやーまだまだだよ」と謙遜しながらうれしくなる。



無人の膝腰インサイドで乗る→全力で戻る→また乗るということを繰り返していたら額に汗が浮かぶほど波に乗ってしまった。

俺にとってはロングボード並の浮力があるので、「乗れそう」と思った波は確実に乗ることができ、先ほどのレトロクアッドショックから軽く立ち直ってしまった。



アウトで待ちくたびれたニックがやってきて、DVS 5'9"と替えてくれと言う。

取り替えたくなかったが、強欲に思われるのも嫌なので、彼と交換してこの極上ロケットフィッシュとの蜜月(分)は終わった。

DVSに乗りながらこのブログのためにキャッチコピーを探す。

浮かんだのは

「ハピネスをあなたに」

「ビッグモデルで楽しむスムーズライディング」

「優雅なクルージングを確約します」

「伝統的なライディングから革新的なテクニックまで」

「夢は水平線を越えて」

「クラス最強の滑走性能」

「波を滑るスイートルーム」

「エモーショナル・レスキュー(魂救済)」

「パワー&スタイル」

「歓蓄」

「サーフボードのSUV」

「ラグジュアリーへの歓び」

「まだ見ぬ波の頂へ」

たくさん浮かんだなあ。
どのコピーもいいなあって、自画自賛する。(笑)

でもこんな気持ちになるとは乗る前には思わなかったので、多くの人がロケットフィッシュに乗って、「最高でした!」とその良さを伝えられてきたけど、それがすごくよく理解できた。

名匠ジェフ・ジョンストンのマジックボード、間違いなくマジックテンプレットです。

世の中広いなあ。

とまたオープンマインドとなりました。



この後、ニックがこのロケットフィッシュで「人生最長の波にスイッチスタンスで乗った」というのも彼の記録のためにここに記しておく。

「やっぱり中空製は、衝撃吸収に優れているので安定するんだろうね」とニックはカタログに書いてあるようなことを言うが、現場での言葉はやはり説得力があった。



長いサーフィングセッションを終え、ソフトサンドまで波チェックに行くが見渡す限りフラット。



ビデオマスターとなったニックが借りたレンタカーまで撮っている。
虹のロゴのハワイのライセンス(ナンバー)プレートがCOOLなんだって。



その帰り路に基地に行き、ニックの入場証の申請をする。

こうしておけば次回来たときに海軍基地内のメジャーリーグベイやマリグロリーフに入ることができる。



ランチはアイスクリームかかき氷かで少し議論となったが、結局かき氷となった。



先週もお伝えしましたが、俺たちはハウピア(ココナッツ)味に凝っているので、また同じものを食べた。



このかき氷のおいしさににっこにこのジョン。



(お知らせ)
先週発売になったマリン企画社刊の「オン・ザ・ボード」誌で、



AVISOボードのモニター募集の記事が出ています。

CJモデルの9'0"なので、2〜3ヶ月の期間乗られたい方はぜひご応募ください。



ブライアン・アンダーソンというAVISOのライダーが「リバース・キックファイブ」という大技写真、そしてその左にはチャド・マーシャルがAVISOを乗っている見開き記事を発見してニックはにっこり。

俺は逆真流に通じるので、後ろ向き系ライディングは大好きなので、この技の名前を知って悦に入る。

ニックによると、CJネルソンと行ったトリップからの写真であるということです。



空港への支度途中にパスポートを首から下げたジョンをパシャリ。
まじめな人なのです。



(お知らせ2)
もう一冊はこちらも先週発売になったサーフファースト誌。



今回のお仕事は、
見開き連載も13回目となる「ただいま撮影中」、



巻末には「松風王子」でおなじみロマンチック写真家のU-SKEさんポートフォリオ特集がどっさりあって、



勇人さんがAVISOバッドレイに乗ってバックドアでぶち当てている写真も乗っていました↓



この彼の紹介文は僭越ながら私が書かせていただきました↓
題して「ロマンチストの夜明け色」です。



最後にドノバンへのインタビューページは電話で彼と話し、サーフファースト誌独占記事として寄稿しました。



夏の暑い日にぜひ読んでください!

良い週末を!
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「サーフボードのSUV」
これは是非乗ってみたくなりますね!

水中の写真に何時間も見入ってしまってます(笑)
Ryota 2008/08/08(Fri)14:02:14 編集
砲弾ですか?
6'6"とはまた随分と大きな!
AVISO BD3を購入しました。
まだ1回のみの使用ですが、まるで金斗雲に
乗っているかのような感覚で、サーフィン、
またまた楽しいです!
短いのから長いのまでサーフボードは奥が深いですね!
kenny 2008/08/08(Fri)14:35:18 編集
「DUDE、お前もか、全く走らないだろ?」
以前お世話になって以来お店の前は毎日うろうろしているのですが・・・今日は思い切って入店させていただきます。
その板のポリ版、ついつい美しさに惹かれ家に連れて帰ってしまったのですが・・・全く走りませんでした。
フィンが無くなってしまったのか?と裏返したところも同じです。
しかし、安心しました。
そういう傾向にある板なんですね。

やはり船木さんの推奨する板に乗る事の重要さに
気づいたエピソードでした。

フォーカラットの新作楽しみにしています!
3Zen 2008/08/08(Fri)15:41:03 編集
ぜひ!
ぜひ乗ってください!

でも亮太くんのリクルート作戦、難航してます。
ふなき 2008/08/08(Fri)22:01:29 編集
はい、トドが乗れるボードなのですが、私も乗れることに気づきました。
今日はBD3をツインスタビで乗ってみようと思っています。
ふなき 2008/08/08(Fri)22:03:31 編集
時代が変わったのでしょうか?
入店ありがとうございます。
これからもお気軽にいつでもお越し下さい。
嗚呼、そうなのですか。。
同情(同乗)します...。
ポリエスター版でもそうなのですね。
しかし、あのボードを乗れる人はいるのだろうか?
とこれはこれで気になるところではありますね。
ふなき 2008/08/08(Fri)22:06:55 編集
良いものは良いっ!
こんばんは。

ダメなものはダメ。と、ちゃんと言って下さるので、nakisurfで安心して買い物をしているのだっ。と今回のblogで再認識しました。

surf1は月曜の出張のお供にしますっ。
てつ 2008/08/08(Fri)22:39:57 編集
おまかせください
そうなんです。
その製品を使って試して、というアナライズをして、それをNAKISURFで販売しています。
じつのところ、私が一番用品を使うからに他ならず、それを持って商品認可の礎としています。

さらには今回ニック友人の会社(カリフォルニア)のリーシュをぜひ扱って欲しいと、そのサンプルを試したのですが、これは引っかかるように重く、そして粗悪だったので取引を受けませんでした。
名は出せませんが、昨年からデッキパッドをはじめた会社です。
お気をつけください。
逆に良いものなのにビジネスのしがらみでご案内できない商品もあったりでむずかしいです。
今、そのしがらみを取っ払うことを各社と鋭意商談中です。
ふなき 2008/08/08(Fri)23:29:26 編集
さすがです
リーシュなど消耗品についても,NAKISURFフィルターをとおして良い物を提供するって姿勢だいすきです。
ボードも辛口評価とても参考になります。
どしどし辛口でお願いしますね。
markee. 2008/08/09(Sat)01:55:52 編集
ワックスもテストしているんですよ
辛口、もちろんです。
自分が買ってクヤシクなるのは悲しいので、これからもそうします。
ふなき 2008/08/09(Sat)07:04:12 編集
あの〜
その板って、紹介の欄で玉虫色にベタに誉めちぎっていたヤツじゃないんですか?

取り扱いが無くなったらコケ下ろしですか?

元々、質問にしてもインプレにしても甘言が多い気がしますが。かなり参考にしてますのでシビアにお願いします。
しょう 2008/08/10(Sun)01:28:45 編集
いい機会なのできちんとお答えします
しょうさん、

おはようございます。

このレトロクアッド5'8"は生まれて初めて乗った(触った)ボードなので、褒めちぎったことはもちろん、このボードについて今までどこにも書いたことはありませんよ。

それにこのボードは取り扱いしているんです。

弊社がAVISO日本正規代理店なので、全ての製品は私たちの取り扱いなのです。

(でもこの正規とか独占またはそうでないとかは、お客さまにはあまり関係ないお話なのと、そういうことを明記するのを私があまり好まないのです。よって大々的にお知らせしていませんでした)

甘言とありましたが、私たちは様々なサーファーや波質にあてはまるのだろうか、という可能性を考えながらインプレッションなりご質問への返答をしています。

例えば、俺が乗れなくても体重が10kg違うサーファーにとってはマジックボードということもありうると思います。

さらに、シェイパーは日々サーフボードシェイプということを考えているのです。
そんな人の作ったデザイン、俺がこの体重であの波で乗っただけでこきおろす、ということは避けたいです。

今回のはニックも乗ってそうだったし、ボードの長さに対してロッカーバランスがあまりにも悪かったので、BLOG読者が購入してしまうのは、と思いまして書くことにしました。

でも乗る前は垂涎デザインで、レイルを撫でながらうっとりとした自分がいました。

前向きに判断した結果が各インプレッションとなっております。

サーフィンは楽しいもの、と認識して読んでいただければ幸いです。

その代わりにお客さまに合わないボードのご注文があった際には「うーん少し〜」と、否定する返答をしていますので、ご安心ください。

さらにはAVISO「試乗プログラム」や「30日間返品可能」として、多くのサーファーにより良いボードを手にしてもらえるようにプロモートしています。

今回は言いづらいことを書いてくださって、ありがとうございます。
今後もどうぞよろしくお願いします。

いい波が来るといいですね。

ALOHA!
ふなき 2008/08/10(Sun)06:32:51 編集
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プロフィール
名前:Naki 2009 または船木三秀
HP:NAKISURF
性別:男性
職業:専門職
趣味:海
自己紹介:
 11年暮らしたカリフォルニアからノースハワイ島に住みかえ、毎日クオリティの高い波で波乗りをしています。

 私は波乗り殉教者で、肩書きはプロサーファー、写真家、画家、ルポライター、デザイナーです。

 風が創ったさざ波が合わさり、遠くの洋(うみ)から陽の下、夜の中を駈けてきたうねりに乗る、というような気持ちで波に接している。
 その欲求と探求心は飽くことがないようで、小さい頃からの夢であった世界の海を旅し、自分なりのアウトプットを続けています。

 波を知ることは海を知ること。その深遠無限のインスピレーションを感じ、ゆらゆらと絡まった日々をこのブログで綴れたらなあ、と。

 そんな波乗りの奥深さ、その意識や感覚を文章、写真、絵で表現できたらと思っています。

 同業の方、同じ夢の方、海が好きな方、波乗りを愛する方、この場でお話しましょう。

 ありきたりの道具論に留まらないメッセージをみなさまと創ってみたいのです。

 また、カリフォルニア州、サンクレメンテ発のサーフショップ『NAKISURF.COM』も運営しております。

 こちらは長年培ったサーフ業界のコネクションを活かし、世界で一番誇れるWEB STOREを目指しておりますので、どうぞご覧になってください!

ぜひ!

 どうぞよろしくお願いします。
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