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北うねりがこれから週末にかけて猛烈になるそうで、今日から届く、という予報を受けた俺と長老フレちゃん。
サビタで泥だらけの道をゴトゴト行くと、そこにはこの程度の波があるだけだった。
やってやれないことはないが、小さすぎて浅いリーフの上のよろよろブレイクはここでは危険な波なのです。
そんなことを話していたらアートとクレイグの親子が現れた。
北側に波を見に行ったのだそうで、「あまり良くありませんね」と美しい日本語と英語でそれを教えてくれた。
クレイグはここでサーフしたくて、フレちゃんは北うねりが入っているのでここより3km北側のトロピカルJベイ(Jトロ)がいいはず、と主張する。
長老の意見を採って、また泥道をガタゴト走り、そのJトロに着いて波をチェックすると、ほとんどブレイクしていなかった。
↑これは泥道をチャージしたトラックの泥化粧。
しかし、目の前のビーチブレイクが激浅のようで、全ての波がバレルになっていた。
そこでやることにして、沖に出ると胸肩、たまに頭サイズのものすごく掘れて、バックウオッシュも入っていて、「首が折れちゃうかも」系の波だった。
なんとかショルダーからテイクオフしたりして、バレル風の波を味わう。
バックウオッシュ・エアドロップ等々、普段の波乗りではあまり起こらない技を繰り出し、そのクリスタルクリアーの波に乗っていった。
一本パーフェクトの波が入り、それに乗った俺はターンターンでどんどんショルダー側に走っていった。
トップターン、ボトムターン、ターンの円弧がどんどん大きくなり、パワーサーフィンになった俺がいた。
それを横で見たフレちゃんに「おーいいターンだったな」と褒められ、「エヘへ〜」と照れる俺。
キックアウトした腰程度の浅さの砂州に立ち、波が来たのでボードを持ち上げて泡を越えようとすると、
ボードが持ち上がらないほど重くなっていた!
なぜだ?
となんとかその重くなったボードを持ち上げてみると、3/4ほど浸水していた。
これは先々週から気づいていたんだけど、かなり前にボードをコンクリートに落とした時にノーズを壊し、それをいい加減に直したんだけど、結局直っていなくて、明日直そうと思ったまま、今日まで来ていたのだ。
中の水が動いて、ターンに影響してパワーサーフィンになっていたのかな?
と不思議なターンをもう一度思い出してみた。
実際に切り立った波の日は、ボード内に水が少量(100cc程度)入った方が調子よくて、あえてそのままにして、水を吸わせながら波乗りしていたんだけどそろそろその亀裂が大きくなってしまったようだ。
一度上がり、プラグを外して水をドバーと出す。
サーフボードからこれだけ水が出るのは奇妙でおもしろい感覚だ。
また戻ってフレちゃんにそれを伝えると、「まだ直していなかったのか?」とびっくりされた。
フレちゃんは先々週からこの亀裂を指摘していたので、少し呆れられたのかも知れない。
もうワンセッションを終える頃にはまたたっぷりと水を吸っていた。
穴は小さいのだが、ボードを沈めたときに水圧で吸水するようだ。
上がって、フレちゃんにその吸水状況をお見せしたのがこの写真。
ドバア、ザバザバ〜。
フレちゃんはなぜかこの水で手を洗うというリアクション。
バケツ程度の水が入るから災害時には役に立つかも、と一瞬思った。
で、ようやく本日修理をしました。
1.
まず用意したのは、ソーラーレジン(通常、ポリエスター製)、180番の耐水ペーパー、サランラップ。
リーシュプラグを外し(後で意味がわかります)ました。
2.
まずは日の当たる場所に持って行き、耐水ペーパーでガリガリと修理部分を削ります。
(ここは以前直した箇所なので、その削り残しも今削ります)
ガリガリ、ザッザツっと、紙ヤスリを50往復させると、亀裂が現れました。
内部が濡れているので耐水ペーパーを選択したのです。
壊れた直後に干さずに直せるのがAVISOの魅力でもあります。
(実際には乾かせと言われていますが、その違いわからず)
亀裂は見えますか?
今回は2cmの長さでありました。
でも元々この傷はボードを落とした時のもので、それはかなりの衝撃で、最初にリペアしたときはヘアクラックで、見えなくて直しきれなかったのです。
あの衝撃が長時間経ってもこの程度で済んでいるのはカーボンファイバーの強みだと思う。
新時代だなあ。
3.
その前にリーシュプラグを掃除しました。
砂を落として、シリコングリースをリングとねじ穴に塗りました。
4.
そして今度はボードを日の当たらない、温度が下がる場所に持って行きます。
5.
ソーラーレジンを出して、
亀裂にのせて、
6.
指で塗り込みます。
7.
塗ったら、サランラップで傷部分をしっかりと密着させます。
8.
そしてリーシュプラグをはめ込みます。
これは暖かいところで暖まったボードが日陰で冷えていくので、その時に亀裂から外気を吸収しようとする特性を利用してソーラーレジンを亀裂内部まで引き込もうというアイディアです。
外が暖かくなければ暖房した部屋等で応用くださいね。
樹脂を引き込むまでこのまま3分程度放置します。
9.
陽に当てます。
10.
3分程度当てたら、
サランラップを外し、さらに5分放置します。
11.
完全乾燥したら先ほどの耐水ペーパーの残りで傷を磨いて終了!
もしここで、またピンホールが開いていたら、(5)に戻り、またソーラーレジンを塗ってください。
亀裂が大きい場合はガラスクロスか、カーボンクロスをこの亀裂の上にかぶせるとなおいいでしょう。
俺流は外観をあまり気にしないので、ざらざらのままとしますが、神経質な人はここから800番のペーパーで磨いたりするときれいになります。
修理が大の苦手な俺でもこんなに簡単に直ります。
AVISOは発泡フォームを使用してない(PVC)ので、溶けるものが入っておりません。
よって樹脂はこのソーラーレジン、普通のポリエスター樹脂、またはエポキシ樹脂が使用できます。
もしかしたらガラスクロスを刻んでボンドや瞬間接着剤でも平気かな、と乱暴なことを考えています。
お粗末で申し訳ない程度の修理ですが、俺流なので、みなさま流などがありましたらご意見をお待ちしております。
(お知らせ)
クリスチャン・ワックがBD3に乗っている映像がAVISO王子ニックから届きました。
彼はこれをファイナルカットプロで編集した初めての作品だそうで、悪戦苦闘の末の誇らしい顔が目に浮かんだ。
クリスチャンはご存じロングボーダーなんですが、こんなに上手にBD3を扱っている映像を見ると、俺は使いこなしていないなあ、と少し反省する。
このボードが今、弊社ともみの手元にあるBD3なのですね。
よく見ると、というかキックアウト(=プルアウトのこと)でグラブしているのでもしや?と思ったらノーリーシュですね。
このローワーズはボードを流すと全て玉石です。
すごいというか、ドノバンもノーリーシュばかりだけど、どうやら俺たちとは波乗りの巧さの次元が違う気がします。
サビタで泥だらけの道をゴトゴト行くと、そこにはこの程度の波があるだけだった。
やってやれないことはないが、小さすぎて浅いリーフの上のよろよろブレイクはここでは危険な波なのです。
そんなことを話していたらアートとクレイグの親子が現れた。
北側に波を見に行ったのだそうで、「あまり良くありませんね」と美しい日本語と英語でそれを教えてくれた。
クレイグはここでサーフしたくて、フレちゃんは北うねりが入っているのでここより3km北側のトロピカルJベイ(Jトロ)がいいはず、と主張する。
長老の意見を採って、また泥道をガタゴト走り、そのJトロに着いて波をチェックすると、ほとんどブレイクしていなかった。
↑これは泥道をチャージしたトラックの泥化粧。
しかし、目の前のビーチブレイクが激浅のようで、全ての波がバレルになっていた。
そこでやることにして、沖に出ると胸肩、たまに頭サイズのものすごく掘れて、バックウオッシュも入っていて、「首が折れちゃうかも」系の波だった。
なんとかショルダーからテイクオフしたりして、バレル風の波を味わう。
バックウオッシュ・エアドロップ等々、普段の波乗りではあまり起こらない技を繰り出し、そのクリスタルクリアーの波に乗っていった。
一本パーフェクトの波が入り、それに乗った俺はターンターンでどんどんショルダー側に走っていった。
トップターン、ボトムターン、ターンの円弧がどんどん大きくなり、パワーサーフィンになった俺がいた。
それを横で見たフレちゃんに「おーいいターンだったな」と褒められ、「エヘへ〜」と照れる俺。
キックアウトした腰程度の浅さの砂州に立ち、波が来たのでボードを持ち上げて泡を越えようとすると、
ボードが持ち上がらないほど重くなっていた!
なぜだ?
となんとかその重くなったボードを持ち上げてみると、3/4ほど浸水していた。
これは先々週から気づいていたんだけど、かなり前にボードをコンクリートに落とした時にノーズを壊し、それをいい加減に直したんだけど、結局直っていなくて、明日直そうと思ったまま、今日まで来ていたのだ。
中の水が動いて、ターンに影響してパワーサーフィンになっていたのかな?
と不思議なターンをもう一度思い出してみた。
実際に切り立った波の日は、ボード内に水が少量(100cc程度)入った方が調子よくて、あえてそのままにして、水を吸わせながら波乗りしていたんだけどそろそろその亀裂が大きくなってしまったようだ。
一度上がり、プラグを外して水をドバーと出す。
サーフボードからこれだけ水が出るのは奇妙でおもしろい感覚だ。
また戻ってフレちゃんにそれを伝えると、「まだ直していなかったのか?」とびっくりされた。
フレちゃんは先々週からこの亀裂を指摘していたので、少し呆れられたのかも知れない。
もうワンセッションを終える頃にはまたたっぷりと水を吸っていた。
穴は小さいのだが、ボードを沈めたときに水圧で吸水するようだ。
上がって、フレちゃんにその吸水状況をお見せしたのがこの写真。
ドバア、ザバザバ〜。
フレちゃんはなぜかこの水で手を洗うというリアクション。
バケツ程度の水が入るから災害時には役に立つかも、と一瞬思った。
で、ようやく本日修理をしました。
1.
まず用意したのは、ソーラーレジン(通常、ポリエスター製)、180番の耐水ペーパー、サランラップ。
リーシュプラグを外し(後で意味がわかります)ました。
2.
まずは日の当たる場所に持って行き、耐水ペーパーでガリガリと修理部分を削ります。
(ここは以前直した箇所なので、その削り残しも今削ります)
ガリガリ、ザッザツっと、紙ヤスリを50往復させると、亀裂が現れました。
内部が濡れているので耐水ペーパーを選択したのです。
壊れた直後に干さずに直せるのがAVISOの魅力でもあります。
(実際には乾かせと言われていますが、その違いわからず)
亀裂は見えますか?
今回は2cmの長さでありました。
でも元々この傷はボードを落とした時のもので、それはかなりの衝撃で、最初にリペアしたときはヘアクラックで、見えなくて直しきれなかったのです。
あの衝撃が長時間経ってもこの程度で済んでいるのはカーボンファイバーの強みだと思う。
新時代だなあ。
3.
その前にリーシュプラグを掃除しました。
砂を落として、シリコングリースをリングとねじ穴に塗りました。
4.
そして今度はボードを日の当たらない、温度が下がる場所に持って行きます。
5.
ソーラーレジンを出して、
亀裂にのせて、
6.
指で塗り込みます。
7.
塗ったら、サランラップで傷部分をしっかりと密着させます。
8.
そしてリーシュプラグをはめ込みます。
これは暖かいところで暖まったボードが日陰で冷えていくので、その時に亀裂から外気を吸収しようとする特性を利用してソーラーレジンを亀裂内部まで引き込もうというアイディアです。
外が暖かくなければ暖房した部屋等で応用くださいね。
樹脂を引き込むまでこのまま3分程度放置します。
9.
陽に当てます。
10.
3分程度当てたら、
サランラップを外し、さらに5分放置します。
11.
完全乾燥したら先ほどの耐水ペーパーの残りで傷を磨いて終了!
もしここで、またピンホールが開いていたら、(5)に戻り、またソーラーレジンを塗ってください。
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俺流は外観をあまり気にしないので、ざらざらのままとしますが、神経質な人はここから800番のペーパーで磨いたりするときれいになります。
修理が大の苦手な俺でもこんなに簡単に直ります。
AVISOは発泡フォームを使用してない(PVC)ので、溶けるものが入っておりません。
よって樹脂はこのソーラーレジン、普通のポリエスター樹脂、またはエポキシ樹脂が使用できます。
もしかしたらガラスクロスを刻んでボンドや瞬間接着剤でも平気かな、と乱暴なことを考えています。
お粗末で申し訳ない程度の修理ですが、俺流なので、みなさま流などがありましたらご意見をお待ちしております。
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クリスチャン・ワックがBD3に乗っている映像がAVISO王子ニックから届きました。
彼はこれをファイナルカットプロで編集した初めての作品だそうで、悪戦苦闘の末の誇らしい顔が目に浮かんだ。
クリスチャンはご存じロングボーダーなんですが、こんなに上手にBD3を扱っている映像を見ると、俺は使いこなしていないなあ、と少し反省する。
このボードが今、弊社ともみの手元にあるBD3なのですね。
よく見ると、というかキックアウト(=プルアウトのこと)でグラブしているのでもしや?と思ったらノーリーシュですね。
このローワーズはボードを流すと全て玉石です。
すごいというか、ドノバンもノーリーシュばかりだけど、どうやら俺たちとは波乗りの巧さの次元が違う気がします。
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プロフィール
名前:Naki 2009 または船木三秀
HP:NAKISURF
性別:男性
職業:専門職
趣味:海
自己紹介:
11年暮らしたカリフォルニアからノースハワイ島に住みかえ、毎日クオリティの高い波で波乗りをしています。
私は波乗り殉教者で、肩書きはプロサーファー、写真家、画家、ルポライター、デザイナーです。
風が創ったさざ波が合わさり、遠くの洋(うみ)から陽の下、夜の中を駈けてきたうねりに乗る、というような気持ちで波に接している。
その欲求と探求心は飽くことがないようで、小さい頃からの夢であった世界の海を旅し、自分なりのアウトプットを続けています。
波を知ることは海を知ること。その深遠無限のインスピレーションを感じ、ゆらゆらと絡まった日々をこのブログで綴れたらなあ、と。
そんな波乗りの奥深さ、その意識や感覚を文章、写真、絵で表現できたらと思っています。
同業の方、同じ夢の方、海が好きな方、波乗りを愛する方、この場でお話しましょう。
ありきたりの道具論に留まらないメッセージをみなさまと創ってみたいのです。
また、カリフォルニア州、サンクレメンテ発のサーフショップ『NAKISURF.COM』も運営しております。
こちらは長年培ったサーフ業界のコネクションを活かし、世界で一番誇れるWEB STOREを目指しておりますので、どうぞご覧になってください!
ぜひ!
どうぞよろしくお願いします。
私は波乗り殉教者で、肩書きはプロサーファー、写真家、画家、ルポライター、デザイナーです。
風が創ったさざ波が合わさり、遠くの洋(うみ)から陽の下、夜の中を駈けてきたうねりに乗る、というような気持ちで波に接している。
その欲求と探求心は飽くことがないようで、小さい頃からの夢であった世界の海を旅し、自分なりのアウトプットを続けています。
波を知ることは海を知ること。その深遠無限のインスピレーションを感じ、ゆらゆらと絡まった日々をこのブログで綴れたらなあ、と。
そんな波乗りの奥深さ、その意識や感覚を文章、写真、絵で表現できたらと思っています。
同業の方、同じ夢の方、海が好きな方、波乗りを愛する方、この場でお話しましょう。
ありきたりの道具論に留まらないメッセージをみなさまと創ってみたいのです。
また、カリフォルニア州、サンクレメンテ発のサーフショップ『NAKISURF.COM』も運営しております。
こちらは長年培ったサーフ業界のコネクションを活かし、世界で一番誇れるWEB STOREを目指しておりますので、どうぞご覧になってください!
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