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指のリハビリとMLBのチャンピオンシリーズTV観戦以外は何もできないので、読書をしている。

日本帰りなので、本屋を漁ったり、きんちゃんにいただいたり、たくさんの本があったので片っ端から読んでいる。

気に入ったのがこれ。
しかも今の気持ちにぴったりの「退歩しろ」と言う師匠、嵐山さん。
さすがだなあ、とあっという間に読んでしまった。



「退歩的文化人」のススメ
嵐山光三郎さん

(本文より)
退歩的条件
いまの日本人の気分は一億総退歩にある。まず、

1.無理をしないこと
 が退歩の条件。のんべんだらりと一日を過ごし、冗談いって生きるのが老人の特権である。価値観は多様化して、なにが進歩なのかわからない。ということでやたらと人気なのが、

2.スローフード
 である。これはファーストフードに対抗する料理で、ゆっくりとスローに作る。ここにある「スローな気分」は「昔へ戻ろう」というせつない希求心で、進歩的文化への反省である。もはや進歩は価値ではなくなった。

3.ローカル線の旅

4.ぼろっちい山の湯
 いずれも退歩的でスローな趣味で、私がそのひとりである。貧相なる山の宿に泊まり、古障子の破れ穴より、原生林から差し込む光を見る。これぞ退歩する悦楽といってよかろう。

5.老人力
 は、ボケ、老化、衰弱を妖術として使い、進歩を無用のものとしたものの、ボケが進行する。はては介護老人となり、思考が消えて、単なる粗大ゴミ化する。老人力は現象の肯定であって、文化ではない。

6.護憲運動
 これは保守反動である。と書くと「なんだそりゃ」といぶかる人がいるかもしれない。保守反動は進歩的知識人の対極にある悪玉であった。しかし、保守とは「現状(憲法)を守る」という立場である。反動とはゆりかえし作用であって、ボールを地面に投げれば、その反動ではねあがる力をいう。転じて、時の流れにさからうことを意味する
 してみると、戦争流行の時代にあっては、反戦運動という反動作用がおこり、「憲法を守り、時代に抵抗する」行為は保守反動となる、進歩の中味が変質したために、こういったねじれた現象となる。

7.古本人気
 は退歩文化の極にある。新刊で読みたい本が少ないから、古書店を廻り、古本をあさる。こう考えてみると、私は退歩に退歩をくりかえしてきた保守反動の確信犯である。
 ワープロ全盛の時代では、

8.手書きの原稿
 は時代遅れである。それを知りつつ、「ワープロで原稿を書く者には負けない」と確信する。一字一句を全霊かけて手書きしてこそ、言霊が読者に伝わる。葉書一枚にしてもしかりである。ワープロで書いた文章には魂がない。気持も入らない。Eメールの文章なんてカスだ、と思う。つまり、進歩について行けない。

9.古着ブーム

10.納豆飯主義者
 美食の時代にあって、「納豆とごはんが一番」と言う人は、貧乏だからそうしているわけではない。ありとあらゆる料理を食べつくしたはてに、この結論にたどりついた。未来学者を名乗る珍妙なる一味がいたが、進歩的文化人と同じく千代紙細工のようなつくりものだからバケの皮がはがれて絶滅した。

11.再婚する男
 せっかく離婚して自由の身となったのに、また結婚の愚をくりかえすのは、退歩症候のあらわれだ。「畳変えて古い女房はそのまんま」でいきなさい。

12.町並み復活
 列島改造で失われた日本の古き町並みをとりかえそうという心意気がよい。一度こわしてしまった町を再現するのは、新ビルをつくる数倍の労力と金がかかる。日本オンボロ列島でいいではないか。よみがえれトタン屋根の町よ。

13.おばさんタレント
 料理、収納、旅行、占い、フリーマーケット、掃除、ガーデニングの技で商売をする。技がなくとも、「おばさん」的発想で、ぐうたら者を退歩安心させる存在は、進歩的なるものの幻想をうちくだく。

14.遍路の旅
 白い死装束と、卒塔婆がわりの杖をついて四国巡礼の旅に出る人は、歩いて「死ぬ愉しみ」を享受する退歩的文化人である。一歩一歩足を運ぶことによって、自分の肉体とむきあう。スポーツカーに乗って走り廻るアンちゃんネエちゃんたちは、一九六〇年代高度成長期の遺物である。ぶっとばせばいいってもんじゃないのだ。

15.古民家暮らし
 一家そろって田舎へひっこんで、農業をやって自給自足の生活。いろりの横で芋汁鍋をすすっている。これはやってみると退屈して、また町へ戻ってくる。あるいは意地で田舎暮らしをつづける人もいるが、時代からずり落ちる覚悟は見るべきものがある。古来より、日本人があこがれた隠者的生活であろう。
 テレビ番組で退歩的なものをさがすと、

16.プロジェクトX
 である。この番組に出演するのが男の晴れ舞台であったが、いずれも時代遅れの連中だ。「そのとき、山田は考えた。もう、あとへはひけない、と」というナレーションが入り、アナウンサーに「大変な御決断でしたね」とふられて涙ぐんでうなずく。古くたっていいじゃないか。思い出だけが人生だ。

17.なんでも鑑定団
 ブリキのおもちゃが三十万円もするのか。と驚きつつ、捨ててしまった玩具に思いをはせる。とっときゃよかったなあ、と溜め息をつくけど、道具屋がそうやって値をつり上げているだけだ。これは退歩商売の手口である。一千万円はすると信じていた古皿が、じつは三千円なんてのがよい。偽者をつかまされた人ほど人間味がある。

18.着物趣味
 大学生で、古い着物を着て「着物愛好サークル」を作っている人がいる。また、着物の似合う女性は色っぽい。日本の首相や閣僚は、全員着物姿で外国へ行け。チンケな背広を着ているからなめられるのだ。

19.オリンピックの金メダル
 「いまさらオリンピックでもなかろうに」なんて言いつつも、みんなオリンピックに熱狂する。メダルなら金に限る。銀は「苦吟」しているみたいだし、銅は「どうだってよい」

20.老舗のカレーライス
 いつまでも「母親が作ってくれたカレー」なんてなつかしむな。老舗のプロのカレーを食べてこそ、舌が退歩する。私は東京日比谷公園にある松本楼のカレーに愛着を感じる。味覚は昔へ昔へとさかのぼっていき、そこで思い出に会う。

21.「奥の細道」ツアー
 列車に乗ると、進行方向と逆の席にすわるときがある。すると、うしろへ、うしろへと進んでいき、車窓風景が前方へぶっとんでいく。あの後退する感覚が、なんともいえぬ恍惚感となる。進歩的なるものがすたれたのは、思想優先の啓蒙主義にあった。「進歩しなけりゃいけない」という呪縛からはなれると、肩の力が抜け、自然体となる。

22.カルチャーセンターの授業
 かつて第一線で活躍していた学者や小説家が、カルチャーセンターの講師となり、安い給料で講義しているのがいとおしい。あれは生活のためにやっているのではない。教える相手が欲しいのだ。かつて幸田露伴は、長屋の御隠居となって客を集めて講釈をしていた。そういえば、

23.大学の客員教授
 は、還暦後の退歩的生活として理想の姿である。授業を聴いてくれる学生がいれば、自分の現在を知る作業ができる。教授会に出なくていいし、純粋に講釈だけをすればいいんだからね。私は東京農大の客員教授である。

24.俳人

25.高齢の落語家

26.会社相談役
  いずれも余裕しゃくしゃくで自在である。

27.新聞社の編集委員
 これまた、うらやましい仕事で、つぎに生まれたら、編集委員ていうの、やってみたい。そこにいるだけでいいんだものね。ようするに、

28.なんにもしない生活
 これが退歩的文化人の理想の姿なのである。進歩という幻想から身をひき、さりとて枯れたわけではなく、意欲的に後退していき、ぼけずに、だらだらと生きていく。悟ってはいけない。迷いつづけて不良なる精神を持ちつづける。「なんにもしない」のに、悠々としている。

29.友情

30.飲酒

31.隠居

32.散歩

33.朝寝
 これらはすべて退歩の条件であって、退歩しつつも、そこに至福の価値を見つけるのがコツであります。



教え30に「飲酒」とあるのを目ざとく見つけたので、前にラベル買いしたワインを空けながらもう一冊と、嵐山さんの新刊「昭和出版残侠伝」をスローに開く。



前半1/3を読んだところで、
これは人生で一番の書かもしれない!と実感し、眠いのもかまわず読み進んだ。



読み終わった後、頭の中がこんなになってしまった。↓



翌日はなぜか早起きし、あれだけ飲んだのになぜか宿酔いにもならず、今2度目を読んでいる。
すでに半分まで行ったが、無くなっていくページが惜しい。
もっと読みたい。
「昭和出版残侠伝2」というのはないのか?

それにしてもこれはNAKISURFで扱いたいほどの一冊で、昭和後半を生きた本好きな人にぜひオススメします。
バカボンこと嵐山さんの浮浪者体験、ドリブ編集長としての超多忙な日々からの脱出。

そして糸井重里さん、笑っていいともの橫澤プロデューサー、ブルータスの編集長、ポパイの編集長、クマさん、学研の部長、南伸坊、安西水丸が実名で登場します。

昭和出版残侠伝

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送料無料だそうです。
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昭和出版残侠伝
このブログすごい!
昨日の電話の後、すぐにアマゾンで探して発注したら、すぐに発送メイルが届いて、なんと今日にも届きそうな勢いです。
読みかけの本がどんどん増えていく・・・。
たゆたえどトオルsaho 2006/10/15(Sun)08:13:30 編集
無題
この本 ワタシも持ってます!
旅に持っていく本の1冊です。最高です♪
Luna 2006/10/15(Sun)11:03:45 編集
天才と師匠
たゆたえどトオルsahoさん、
この本はすぐに読めますよ。
もう2回目読破。
もう一回今夜読みます!
バカボン天才。

Lunaさん、
退歩して残侠を伝えているのですね。
本当に最高で、やっぱり師匠ならではと感服。
FUNAKI 2006/10/15(Sun)13:37:38 編集
無題
『嵐山さんのドリブ誌ですね』とメールをいただき、
?????????? と思っていました。
嵐山光三郎さんを知らない未熟者ですので
ぜひ本読んでみたいと思います。
kawaox 2006/10/15(Sun)13:41:02 編集
学研
kawaoxさん、
ドリブ誌はもちろん、嵐山さんが編集長時代の『別冊太陽』平凡社刊もぜひ読んでみてください。
「昭和出版〜」は天才嵐山師匠がその平凡社を希望退職し、浮浪者となり、馬場編集長(通称ババボス)と共に青人社を学研のバックアップの元、設立することも書いてあります。

余談ですが、Paperskyのルーカスさんが「太陽」のバックナンバー一揃い持っていて驚きました。
目のつけどころがやはりスルドイと思いましたね。
FUNAKI 2006/10/16(Mon)00:56:20 編集
無題
 たくさん本を読んでいらっしゃいますねぇ
 恥ずかしいですが、嵐山さんの本は、呼んだことがありません(^_^;)
 是非、読みます。
 nakiさんは、どんなとき、どんなところで本を読まれるんですか?
manga 2006/10/16(Mon)20:50:08 編集
私流の本の読み方
mangaさん、
本は、いつでもどこでも読みます。

例えば、
1. 朝起きて歯を磨きながら
2. お茶のお湯を沸かしながら
3. お茶を飲みながら
4. 事務所に行きながら
5. メイルを受信しながら
6. 海で、ストレッチングをしながら
7. 海から上がってきて砂浜で
8. スパゲッティのお湯を沸かしながら
9. スパゲッティを茹でながら
10. スパゲッティを食べながら
11. 食後に
12. 野球中継を見ながら
13. 野球中継のCM中、または投手交代の時
14. お風呂の中で
15. 寝る前に
16. 寝て起きた時に
17. 寝ながら!?
FUNAKI 2006/10/17(Tue)16:11:51 編集
「昭和出版残侠伝」
これめちゃめちゃおもしろいです!
バカボン一味の構成員が登場するだけで笑うし(アア名が最高にいかしてる)、社名や雑誌名の候補を羅列を読むだけでもう最高。
いくつかここに書こうかと思ったけどやめます(笑)。
タモリはすごいんです。
のび太のお父さんは偉いんです。
今夜はコロッケ20個とぬるいビールで乾杯します。
ガタピシとおるsaho 2006/10/17(Tue)18:17:32 編集
JOCX
ガタピシとおるsahoさん、
TVに出るとコロッケをオマケしてもらえるそうですよ。
笑っていいとも出たかったな..。
まだやっているのですか?
FUNAKI 2006/10/18(Wed)08:38:46 編集
無題
笑っていいとも、もちろんです。
以来おかげでタモリ氏は海外旅行をしたことないそうです。
数年に一度実現する間寛平とタモリの猿喧嘩は、僕に悶絶の笑いを与えてくれます。
オリンピックより楽しみでR。
ガタピシとおるsaho 2006/10/18(Wed)11:11:13 編集
いいなあ
ガタピシとおるsahoさん、
その猿喧嘩見てみたいです。
FUNAKI 2006/10/19(Thu)15:50:12 編集
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プロフィール
名前:Naki 2009 または船木三秀
HP:NAKISURF
性別:男性
職業:専門職
趣味:海
自己紹介:
 11年暮らしたカリフォルニアからノースハワイ島に住みかえ、毎日クオリティの高い波で波乗りをしています。

 私は波乗り殉教者で、肩書きはプロサーファー、写真家、画家、ルポライター、デザイナーです。

 風が創ったさざ波が合わさり、遠くの洋(うみ)から陽の下、夜の中を駈けてきたうねりに乗る、というような気持ちで波に接している。
 その欲求と探求心は飽くことがないようで、小さい頃からの夢であった世界の海を旅し、自分なりのアウトプットを続けています。

 波を知ることは海を知ること。その深遠無限のインスピレーションを感じ、ゆらゆらと絡まった日々をこのブログで綴れたらなあ、と。

 そんな波乗りの奥深さ、その意識や感覚を文章、写真、絵で表現できたらと思っています。

 同業の方、同じ夢の方、海が好きな方、波乗りを愛する方、この場でお話しましょう。

 ありきたりの道具論に留まらないメッセージをみなさまと創ってみたいのです。

 また、カリフォルニア州、サンクレメンテ発のサーフショップ『NAKISURF.COM』も運営しております。

 こちらは長年培ったサーフ業界のコネクションを活かし、世界で一番誇れるWEB STOREを目指しておりますので、どうぞご覧になってください!

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