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夜明け前にイナリーズ。
瞑想中のような毎日。
修行のバイオリズムなのだろう。

今日は昨日に増してものすごいブレイクとなった。
波圧がすごく、バレルの中で空気が超圧縮したのを感じた。
一瞬大気の粒子が単数となったように、まるで真空かと思ったほどで、具体的には音がなくなった。
一瞬ふわっと天に持ち上げられた感覚となる。



夜明けの間、黄金バレルに包まれ、やがて放心したように車に戻る。

タオルも使わずにそのままウエットを脱ぎ、砂だらけになった体ごと素っ裸で海に飛び込むと、ようやく現実に戻った。

いやあ、気持ちいい。
持ってきたお茶がうまいね。
いなり寿司最高。

携帯電話を見ると着信ありの点滅。

メッセージを聞くと、スパーキからで、ソフトサンドがすごいことになっているという。

慌てて行くと、300mくらいの距離に4ピークのパーフェクションが出現していた。
セットで4フィート、そうだなダブルくらい。
無風快晴。
インサイドでジョン・ペックが10フィートロングにニーパドルして、頭くらいの波に乗っている。
夢なのかこれは...?

沖に出ると、カリスマ島人カイル・マリグロがいて、バックドアみたいなバレル内に吸い込まれて一瞬で内部に圧縮された。
波にはうるさいスパーキが「最高最高!」とうっとりとしているので「これはすごいことだ」と気を引き締める。

使ったのはクアッドRNF5'5"。
斜面の中のホールド性という観点でシェーン(・ベッシェン)と話した時にバレル内のパンプを試してみたかったので、選んでみた。

スパーキは俺が進呈したタタキ2の5'10"。
この波にはものすごく調子良いらしい。

普通ならミニガンを使うシチュエーションなのに、ここはみんな変だ。

たっぷり乗り、上がると沖にものすごいバックサイダーが登場した。
彼は全てのセクションでバレルインしてインサイドまで来た。
速いぞ。
フォームボールになってもスピードが落ちないんだなあ。
最後のセクションでは大きくエア。
おお!
ネイトだ!!
ネイトとはネイザン・フレッチャーで師匠ハーチャンの次男。
ここに来ていたのか。
不思議な縁だ。
それにしてもいい波にふらっと現れて、さすが奇才だけある。
フォースなのか、ダークサイドかは読者のみなさんに委ねるが、すごいパワーだ。
ちなみに彼はFF4フィン盗作版でした。(笑)

浜で少し読書をする。
持ってきたのは大正文学の王、芥川龍之介。

この「蜘蛛の糸」というのはチューブライディングそのもので、今までの全てをお釈迦さまによって試されているように感じた。

テイクオフの位置、
ボトムターン、
波へのくっつき方、
ボードの落とし方(角度)、
体重移動、
そして精神力。

これら全てがうまくいかないと壁から振り落とされる、
巻き上げられる、またはリップに叩かれ、一瞬で地獄行きとなる。

極楽か地獄か。
波乗りは実に深い。
人生までかいま見えるのである。

ふと横を見ると、最後のいなり寿司を発見した。
この作品も終わりの文落に入っていた。

しかし極楽の稲荷寿司は、少しもそんな事には頓着(とんじゃく)致しません。
その玉のような金色の蕊(ずい)からは、何とも云えない好(よ)い匂が、絶間(たえま)なくあたりへ溢(あふ)れて居ります。
極楽ももう午(ひる)に近くなったのでございましょう。
(了)


(蜘蛛の糸あらすじ)
カンダタ(犍陀多)は大泥棒や人殺しと様々な悪事を行った為に地獄に落とされてしまいました。

しかし、生涯で一度だけ善い事をした事がありました。
それは小さな蜘蛛を助けたこと。

そこでお釈迦さまは、地獄の底のカンダタを極楽への道へと案内するために、一本の蜘蛛の糸を、カンダタに下ろしました。

カンダタは蜘蛛の糸をつたって、地獄から何万里も上にある極楽へと上り始めました。
ところが、糸をつたって上っている途中でカンダタはふと下を見下ろすと、数限りない罪人達が自分の上った後をつけていました。
このままでは糸は重さによって切れて、落ちてしまうとカンダタは思いました。
そこでカンダタは「この蜘蛛の糸は俺のものだぞ。お前達は一体誰に聞いて上ってきた。下りろ、下りろ。」と喚きました。

次の瞬間、蜘蛛の糸がカンダタのぶら下がっている所から切れてしまいました。
カンダタは再び地獄に落ちてしまいました。

お釈迦さまは極楽からこの一部始終をご覧になっていました。
自分だけが地獄から抜け出そうとするカンダタの無慈悲な心が、お釈迦様には浅ましく思われたのでしょう。
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無題
ん~、カンダタさん残念だな。

おれも今日畑の柵にからまっている猫を助けました。
お釈迦さまは見ていたかな?
きっと今度最高級のSETの波に乗らしてくれるでしょう!

だけど、その時に乗ろうとしたヤツにヘイヘイ言わずに共に乗ろうっと。
そうでないとお釈迦様には浅ましく思われてしまいそうなのでね。

一つ利口になった今日この頃・・・
シゲオ3 2006/11/26(Sun)19:58:54 編集
今日の一枚
思わず息を飲み込んで吐き出すのを忘れてしまいました。

黄金の飴のようなバレル......旨そう
よし 2006/11/26(Sun)23:53:51 編集
無音
人生1度だけ無音の世界を味逢った。
突然全ての音が無くなり肌に感じる大気は滑らかだったような気がする?

たぶん夢を見ていたのだろう。
じーじ 2006/11/27(Mon)01:17:02 編集
囚われた者
この時のネイザンの写真はないのですか?

『縁』という言葉を大辞林で調べてみました。
「人と人とを結ぶ、人力を超えた不思議な力」とありました。

波・海という蜘蛛の糸に囚われた者達を結ぶ縁の巡り合わせ。

ぼくたちは、偉大な地球に存在する細胞の仲間なのかもしれないなあ。
とおる 2006/11/27(Mon)01:29:00 編集
波は語る
最近、僕も漱石を読み、志賀直哉に行き、と文学系を攻めています。
思考がリンクしていることに驚きました。
この時代の文学は人のこころの深いところを突いてきますよね。

それにしても色彩と波の断面が勇ましくて凄い写真です。
jun 2006/11/27(Mon)01:48:16 編集
浄土味覚糖
シゲオ3さん、
茂雄さんさんとなりますね。
猫さん喜んでいることでしょう。
極楽間違いなしです。
みんなで一緒にうまく乗ってください。
混雑幸福ぜひ!

よしさん、
飴に見えるのですね。
それならば純露バレルではいかがですか?
ふなき 2006/11/27(Mon)11:37:06 編集
白音海囚人
じーじさん、
この波の中の無音を「ホワイトサウンド」と言うのです。
前に知って、その時も宇宙旅行したのです。

とおるさん、
この時はフィッシュアイの水中ハウジングしかなく、撮るには沖まで泳ぎでなければいけなかったのです。
次の予定もあり、そのまま口笛を吹いてさよならしました。
確かに俺たちは海に囚われているのですね。
もっと深く入りたいです。
ふなき 2006/11/27(Mon)11:40:27 編集
ゴールデンリンク
junさん、
すごいや、全く同様です。
リンクしているのでしょうか。
ひさしぶりに会心のバレルが撮れました。
黄金粒子が散乱していました。
ふなき 2006/11/27(Mon)11:42:01 編集
純露!
まさにですね。それ以外ないです(笑)
『純露』‥砂糖の含有が世界一の 純度の高いキャンディです。
純露バレルも純度が高そうです。

日曜日は驚きました。すべてを見透かされているようで..
あれがフォースですね。
z33 2006/11/27(Mon)22:51:49 編集
フリーマーケット
z33さん、
フォースはどこにでも散らばっています。
次回は純露の紅茶特大を頬張って、湘南を散策してみてください。
ふなき 2006/11/28(Tue)01:25:25 編集
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プロフィール
名前:Naki 2009 または船木三秀
HP:NAKISURF
性別:男性
職業:専門職
趣味:海
自己紹介:
 11年暮らしたカリフォルニアからノースハワイ島に住みかえ、毎日クオリティの高い波で波乗りをしています。

 私は波乗り殉教者で、肩書きはプロサーファー、写真家、画家、ルポライター、デザイナーです。

 風が創ったさざ波が合わさり、遠くの洋(うみ)から陽の下、夜の中を駈けてきたうねりに乗る、というような気持ちで波に接している。
 その欲求と探求心は飽くことがないようで、小さい頃からの夢であった世界の海を旅し、自分なりのアウトプットを続けています。

 波を知ることは海を知ること。その深遠無限のインスピレーションを感じ、ゆらゆらと絡まった日々をこのブログで綴れたらなあ、と。

 そんな波乗りの奥深さ、その意識や感覚を文章、写真、絵で表現できたらと思っています。

 同業の方、同じ夢の方、海が好きな方、波乗りを愛する方、この場でお話しましょう。

 ありきたりの道具論に留まらないメッセージをみなさまと創ってみたいのです。

 また、カリフォルニア州、サンクレメンテ発のサーフショップ『NAKISURF.COM』も運営しております。

 こちらは長年培ったサーフ業界のコネクションを活かし、世界で一番誇れるWEB STOREを目指しておりますので、どうぞご覧になってください!

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