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名店ちんやでこんな言葉と出会い、ハッとさせられた。

真を求めるとはなんて深いのだろう。

今映画バベルを観てきた。
あまりにも人が死ぬので、途中退場してしまう。

その後はワンタン。

あれ?
こんなことを書くのではなく、グリーンルームフェスティバルの余韻編です。



突然現れた潤ちゃん。↑

が、

いきなりブレイクダンスを披露!↓




「大阪スッテン」
の汚名返上のウレシ潤ちゃん。↓





大阪回転寿司でのヒップホップ事件
を再現していただき、



3人でお約束のポーズ。



なるちゃん印のロースカ。↓
大人気で、いつも超満員でした。
世界のチリドッグを味わいました。

ビールもおいしかったです。

井澤さん、リリーさん、そしてなるちゃん、ごちそうさまでした。



宴盛況。



サーフィンワールド誌のよげとハーレーのべーアー。



「おいそねよ」と入ってきた岡本さんとりょうこさん、曽根(きんちゃん)さん。



松風町のナッツと俺。

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今日、デザイン仕事をしながらある曲にビカッ!と胸を打たれた。

美しい曲。

詩がすばらしい。

日本語を組み合わせてこんなドラマを作れるのだ、と再確認しました。

話は変わって、
マエストロをインスパイアしてくれた「URASHIMA」と「DANDY」の作者オガマさんに電話をしているのですが、つながらず。

イナリーズ用のDANDYが欲しいです。
ゴールデンウイークでマウイに来ているのかなあ?

マウイと言えば、アラスカにいる友子ちゃんと今朝スカイプでチャットしました。

昨日コディアックに着いたそうで、そこまでの道のりが大変だったようです。
コディアックは、アラスカ最大の島で、周辺には常緑の島々。
北緯57.79度、西経152.40度

友子ちゃんによると、神様がいるほど美しい場所だそうで、いつかアラスカにサーフトリップに行くことになりました。

©Tomoko Okazaki

シャチと一緒にサーフしたりするのかなあ。
夢は果てしなく遠く、そして胸の中でふくらんでいきます。

NAKISURFトリップ第一回目はアラスカというのもすてきだなあ。



これはコールのHPSですね。

これが冒頭に書いた曲の詩です。
映像と一緒にどうぞ。

ひかる・かいがら


旅立つ人よ 行方は聞かない
そっと潮風にゆだねます
砂に埋めた 願いのかけらを
たったひとつだけ 手のひらに

ひかるかいがらを あなたにあげよう
サヨナラを口にする代わりに
ひかるかいがらを あなたにあげよう
この海の色 おもいだせるように

なくしたものの 行方は知れない
そっと夕闇に帰るだけ
潮の流れや 季節の歩みに
きっと答えならあるでしょう

ひかるかいがらは 囁いてくれる
しあわせはいつもそばにあると
そしてかいがらは 囁いてくれる
ほほえみかたを おもいだせるように

待っているからと
伝えたくて 何度も
手を振るよ
ふたたび出逢える
その日を胸に思い描いて
今…

ひかるかいがらを あなたにあげよう
サヨナラを口にする代わりに
ひかるかいがらを あなたにあげよう
この海の色 おもいだせるように

そしてかいがらは囁いてくれる
ほほえみかたを おもいだせるように

作詞: HUSSY_R 作曲: 山崎将義


アートな日です。

ということで、映像芸術と考えて、

手塚治虫原作/大友克洋脚本のメトロポリスを見ました。

見るのは2回目で、詳細はもう忘れていた。
感想は色がきれい、すこし展開が重く、そして暗くむずかしいけど、手塚さんの名作を映画化したというのにガツンと感動。

で、今度は日本公開前の新作ミート・ザ・ロビンソンズを観てきました。

これは予告編を見てくださいね。↑↓

日本語版を探すと、あれ〜?

邦題が

『ルイスと未来泥棒』

だって....。

これは信じられないくらいダサイ....。

もう誰がこういう墜落系のタイトルをつけているんだろうね。
まともじゃない。

Meet The Robinsonsとは、「ロビンソンさん一家に会う」という意味で、
映画を見るとわかるんだけど、これで完璧なタイトル。
俺だったら

そのまま
「ミート・ザ・ロビンソンズ」



「ロビンソンファミリー」

にするんだけど。
まあいいか。

ということで、今日のブログは映画紹介でした。

この『ミート・ザ・ロビンソンズ』は100点満点で55万点です。

12月公開時には初日にGOGOしてくださいね。

勇気と力、そして希望。

やはりディズニーはすごいなあ。


大好きなイナリーズでの一枚。
バレルがハート型をしています。


1)トルストイは、

「芸術とは、人が己に起こった最高のまた最善の感情を他者に伝えることを目的とする人間の活動である」

と定義しました。

2)そしてゲーテは、

「人はただ自分の愛するものから学ぶのだ」。

3)ヘミングウエイは、

「考える者はみな無神論者である」

としている。

4)最後に宮沢賢治は『注文の多い料理店』の序文で、

「わたしたちは、氷砂糖をほしいくらいもたないでも、きれいにすきとおった風をたべ、桃いろのうつくしい朝の日光をのむことができます」

と記しています。

現代を、今を生きる私たちに海は、どのように映って、感じられているのでしょう?
今日も柳瀬と朝からイナリーズに行き、鮫が怖いのと、風がサイドだったので、ソフトサンドに。

連日の雨で沼になったオフロードをひた走り、到着すると北からのダブルオーバーサイズがズンズンと途切れずやってきていた。
セットで6フィートのクローズアウト。
地形が3フィートレベルなので、サイズと流れが海底に合っていないようだ。

すぐに引き返し、闘牛ポイントに行き、風が変わるまでファンサーフ。

それから柳瀬とラワイ潮吹き穴に釣りに行き、カサゴ、ブダイ、イシダイ、ベラの入れ食い状態。
大満足。

カラヘオの丘から夕陽を撮って、今日はおしまい。

そして、今日はシュガートーストブルースの最終回がやってきました。
ありがとう、ブルース・カイパンさん。

俺が感じたのは「みんな仲良くサーフ」ということです。

山内さん、そんなにえばらないで下さい。

明日からの第3弾は予告なしでお届けします。
お楽しみに!
(実はまだ決まっていないのです....)

****************************

(昨日からの続き)

2日後、紀伊半島の沖合いで、いまだ勢力を衰えず北上する台風24号がリーフに素晴らしいウネリを届けていた。

リーフの棚に炸裂してブレイクするその波はあまりにも美しく、完璧なシェイプでブレイクしていたが、ロータイドと重なり、その掘れ方とサイズに誰もパドルアウトできないでいた。

たいがいこんな状況の時は山内が一人パドルアウトしていくのだが、その山内もポイントを見渡せる丘の上に立って腕組みをしながらブレイクを見つめているだけだった。

「ケンちゃん、マジで行くのかよ?やめとけよ」

無言で7’2”ガンにワックスアップをしていた健一郎は、泰二の静止にニッコリ笑って答えた。

「Goでしょ!」

何度か巨大なスープに押し戻され、逆さになりながらも健一郎はアウトに出て、フゥーと呼吸を整えて岸を見ると、丘の上はギャラリーでいっぱいになっていた。

「うへ〜、すげえ!いつも割れてるトコより全然沖じゃん。セカンドリーフ?なーんて。今日はノーサーフっすね」

先日ブルックスサーフのデッキにいた若者達も次々と丘の上に到着して山内の隣に陣取ると、アウトで一人波を待つサーファーの姿を発見した。

「え?マジ?誰あれ?山内さん、あれ誰っすか?」

若者の問いかけには耳を貸さず、山内は健一郎の動きを追っていた。

健一郎は、山のようにうねるセットの一本目を見送ると、二本目の波に向かってパドルした。

今まで経験した事のないサイズにプレッシャーを感じながらも、ノーズを反転し巨大なウネリに合わせるようにパドルすると、スーっと何かに持ち上げられるような感覚を得た。

「今だ!」健一郎はグッとノーズを下げテイクオフすると、凄いスピードで一気にボトムまで滑り降りていった。

そのスピードと前方に見える波の壁に躊躇してバランスを崩しかけた健一郎だったが、なんとか体勢を立て直し、ボトムターンすると巨大なバレルが健一郎を包み込んだ。

しばらくバレルの中を走っていたが、波を巻き上げるパワーと硬いフェイスに耐えきれず、そのままの体勢で波と一緒に巻き上げられた。

最初の衝撃で、今まで体験したことのない激しさで水中を吹っ飛ばされた。
息はもちろん、思考までも止めて、その恐ろしい波の中を漂った。
ある程度したところで、揺らぎ遠くになった海面の光を確かめると、努めてゆっくりと泳ぎ、途中でボードが健一郎に追いついて、リーシュを持ちながら浮上していった。

「ブッハー」海面に顔を出すと、歓声とも奇声ともとれる声が丘の上から聞こえてきた。
健一郎は恥ずかしそうに軽く手を挙げて応えると、再びアウトに向かってパドルを始めた。

その後、怒濤のセット群が沖に現れ、その筋は十数本に達していた。

沸くブルックスサーフの若者達。

「ははん、あいつの臨終を俺たちは見れるというわけっすね」

「最高ー、喰らえ、喰らえー!」

「あんな奴沈めちゃえっ!!」

次々と最低なヤジを飛ばす若者たちを山内はとがめた。

「お前らな、あの波の下に行ってからそう言ってみろ!」

全員恥ずかしそうに黙る。

海に目を戻すと、まず一本目が健一郎に降りかかるところだった。
ボードの上からワイメアジャンプで飛び込む健一郎。
リーシュから引っぱられたガンが波に吸い込まれ、2度ほど泡の上に姿を現し、また深く消えていった。

しばらく発ってからやっと浮いてきた健一郎に再び襲いかかる波群。

彼はやがて、鳥居がある岬の前の岩場まで押し流されて、それでもチャンネルに向かってパドルを続けていた。

全員がそのリアルで、危険な状況を見て、息を飲んでいた。
やがてセットは去り、カレントは健一郎をチャンネルまで押し出した。

チャンネルをリズム良くパドリングする健一郎。
彼が沖で波待ちをする頃には、見物者たちには長い時間が経っていたように感じた。

またセットのうねり群が水平線から一本、さらにと続いてやってきた。

ガンが小さくなったように感じられるほどの圧倒的なフェイスに漕ぎ入ろうと、パドリングをしていくのが見える。
一瞬波が切り立ち、リップが大きく動いた。
オフショアのスプレイが彼を隠し、見えなくした。

その次の瞬間、健一郎はビッグドロップの姿勢を立て直し、ボトムターンに入った。
そのまま斜面を滑走し、山内を除く全員が大きく「ウオー!!!」と力強い歓声を上げた。

プルアウトまで見届けて、若者のひとりが「やばい...」という表情で山内を振り返ると、腕組みをし、険しい顔で見ていた山内はふと口元を緩めてつぶやいた。

「わからされちまったなぁ。小僧、俺の負けだ‥」

山内は、いち早く丘の上からクローズアウトセットを確認すると、健一郎に向かって指笛でその危険なセットの到来を知らせた。

台風24号、いみじくもこの台風についた名前は『PEACE』だった。

完。

©ブルース・カイパンズ2007


これはキンチャンズ全景図。

今日はハナレイ、ハエナ岬、キラウエア岬に行ってきました。
波は少し下がり、ストームが近づいているので、大雨、晴れ、小雨、曇天の繰り返しの忙しい日。
パームツリー右側で入り、柳瀬はQちゃん初ライドを決め、ライトでグイーンと走っていました。

さて、第二弾3回目、いよいよ明日が最終回です。
均と健一郎はどうなるのか?
ブルックスサーフに乗り込みます。

*************************
byブルース・カイパンズ

(昨日からの続き)

ブルックスサーフに着くと、均は店の死角になる木の横に車を停めて外に出た。
健一郎も出ようとしたが、均は首を2回横に振ってそれを静止して一人で店に向かっていった。
健一郎は車の中で待っているのも落ち着かないので、木の陰に隠れて様子を見ることにした。

外のデッキでは山内を囲んで5人程が談笑していた。
均がデッキの階段を上がっていくと、デッキにいた全員が見慣れないアロハシャツを着た男性の事を上から下まで凝視してきた。

「おいっ!」

山内が一言言うと、全員が気まずそうな顔をして均に向かって軽く会釈した。

「ウチの若い奴らがすいません。いらっしゃいませ、何かお探しで?」

そういう山内も、こんな入りにくい雰囲気のローカルショップにふらりと入ってきた均の事を少し不思議に思っていた。

「どうも、大崎です。山内君僕の事憶えているかなぁ?」

均が物腰柔らかく山内に問いかけた。

「大崎さんですか?いや、すいません。いつ頃お会いしましたっけ?」

「憶えてないだろうな、もう何十年も前の話だから。山内君が若い頃、何度か私の車に乗って波乗りに行ったんだけどなぁ。大勢いたしね、憶えてないか..」

木の陰で様子を見ていた健一郎はひっくり返りそうになっていた。

親父がサーフィンやっていた?
山内を海に連れて行っていた?
という事は伝説のパイオニア世代!?

さっき一瞬見えたグレッグ・ノールはあながち間違いではなかったのかもな。
デッキにいた他の若者も、突然のパイオニアの来店に話を中断し、耳を傾けた。

「大崎さん、先輩の事忘れるわけないじゃないですか、お久しぶりです。まだサーフィン続けてらっしゃるんですか?」

突然何かを思い出したかのように山内は均に握手を求めた。
健一郎には均が一瞬ニヤリと不敵な笑みを浮かべたように見えた。

「いやいや、若い頃だけだよ。今ではすっかりこんな体になっちゃってね」

「あはは、まだまだイケますよ、で今日はどうしたんですか?」

山内の問いかけに均は一瞬言いづらそうな表情をしてから口を開いた。

「実は私の息子の健一郎がそちらの若い子とトラブったらしくて、まあ山内君のお店の子とは知らなかったらしいんだけどね、ちょっと悩んでたんで私が話をしてみようかな。と思ってね」

5秒程、静寂の時が流れた。均が山内の顔を覗き込むと、少しぎこちない笑顔で山内が答えた。

「大崎さんの息子さんだったんですか。いや、自分の所のカワイイ子たちを守るのは僕の役目なんでね、相手には多少のリスクを背負ってもらわないと。というのが僕の考えなんですが、先輩直々のお願いなら受けない訳にはいきません。わかりました、彼には私の方からよく言っておきます」

デッキの若者達は一様に驚きを隠せないでいた。
無理もない、陰ではヒトラーとも揶揄される山内があっさり要求を飲み込んだのだ。

このオヤジただ者じゃない。全員がそんな表情で均を見つめていた。

中には動揺しすぎてTシャツをジーンズの中にしまう者もいた。

「ではまた海でお会いできるのを楽しみにしています。」

山内が均を店の外まで送り出すと、デッキの若者達も立ち上がって深くお辞儀した。

均はニッコリ笑って頷くと、少しぎこちなくハングルースをしてみせた。

親指と人差し指の立て方が逆で、スタンハンセンにも見えたが、健一郎の方に向かって歩いてくる父はやはり『グレッグ・ノール』だった。

「ケン坊、俺もなかなかやるだろ?見直したか?」

ブルックスサーフを出て、2つ目の交差点に差し掛かろうとした頃、均が健一郎に話しかけた。

「オヤジすげーじゃん!なんで今まで黙ってたんだよ、サーフィンやってたなんて母ちゃんからも聞いた事ねーぜ。しかも山内さんの先輩だったなんて、あそこのリーフを開拓した人達の一人だろ?伝説だよ、パット・カレンだよ。つー事は俺はトム・カレンか?アハハーすげ〜や!」

とんでもない先輩サーファーが今自分の隣にいる事と、ここ数日悩み続けていた事がクリアーになった事で緊張の糸がほぐれた健一郎は、少しナチュラルハイな状態になっていた。

均は苦笑いをしながら答えた。

「ケン坊、父ちゃんサーフィンなんてしたことねーよ。」

「はい???」

「お前俺が何年営業やってると思ってんだ、体育会系タテ社会ってのはな、先輩が一番強いのよ、例え見た事のない先輩が現れたところで否定する奴なんてまずいねーよ。それがタテのもろいトコでな、ある意味オレオレ詐欺だな、古いか?ガーハッハ」

助手席の健一郎は口をポカーンと開けたまま固まっている。

「健一郎、よく聞けよ。あれは嘘じゃあない、スキルだ。人にはな、時間ってのは平等に与えられてんだ。だけどな、センス、才能ってのは平等じゃない。才能あるやつを追い抜くとしたらスキルを磨くしかないだろ?俺の場合、営業成績あげるにはこれしかなかったんだ。いやな大人になっちまったもんだ。俺も若い頃波乗りにでも出会っていればな。少なくても山内の目は俺より澄んでたよ」

もっともらしく、訳の分からない事を言った後、黙っている健一郎を見て均はポーンと健一郎の肩を叩いた。

「しかしこんな所で役に立つとはな。結果オーライだ、結果オーライ!」

結果オーライ。あまりにも均らしい楽観的な片付け方に、一瞬にして「伝説のサーファー」から「いつものオヤジ」に戻った均を見て、健一郎は苦笑した。

「だな、結果オーライ、結果オーライ。でも絶対オヤジみたいな大人にはならねーからな。」

「アハハ、その方がイイな。」

健一郎はダッシュボードから均のお気に入りテープを出してカーステに差し込んだ。


同じ頃、ブルックスサーフのデッキはザワついていた。

「えー!?あのおっさん、山内さんの先輩じゃないんですか?」

「とんだ茶番だな..」
大崎均を見送った後に吐き捨てた山内の言葉に若者の一人が過敏に反応した。

「大崎なんて先輩はいないよ、だってあのポイントを開拓したのは5つ上の俺の兄貴とその友達の『風神・龍神』川中風太、龍太の兄弟の3人だけだぞ。おまけに兄貴達には一回も車で海になんて連れて行ってもらってないしな。ガキの俺が邪魔だったんだろうな、いつもチャリンコだったよ。車で海に行ったのなんて免許とってからだよ」

「じゃああのオッサンの言ってたのはデタラメだったんすか?」

「だから茶番だって言ったろ?途中から話に乗ってやってたんだ。あの小僧もあそこの木のかげから見えてたしな」

山内はさっきまで健一郎が隠れていた木を指差しながらそう言った。

「この俺を親子でだまそうとするとはな、あの小僧の事は許さねえよ」

不敵に笑ってデッキのテーブルを叩くと店の奥に入っていった。

(明日、最終回に続く)
今日は北西のうねりが入るというので、ソフトサンドへ。

ちょうど今、弊社柳瀬がバケーションを取ってここにいる。
イナリーズ、闘牛ポイント、トムクンズ、ホワイトハウスと視察を終え、とうとう冬の代表ブレイクにやってきたのだ。
あいにく天気は晴れ、曇り、そして大雨とバリエーション豊かで、風は弱いサイド。
波はダブルちょいくらい。
ダブルと言ってもノースショア、しかもハワイ諸島で一番北の島、つまりオホーツクで作られたうねりが長い距離を旅してきて、そのまま最初にぶつかるのがここ。
波圧が違う、うねりのスピードが速い、波長が長い、砕ける破壊力は同サイズの大陸波とはくらべものにならないのだ。

ここはイナリーズと違い、結構沖で待つことになる。

遠浅なので、セットが入ってくると、本気でパドリングをするのだが、たいてい大型なのは、無情にも鉄槌のように頭の上にリップが降ってくる。



こんな天誅セットを喰らうと、ダックダイブしたまま縦2回転、斜めきりもみ、ムーンサルト、バックドロップ等々と、波によって繰り出されるアソート拷問となる。
それらにも無言で耐える俺たち。

今日、感動したのが柳瀬の根性である。

最初に入ったとき、一発目を乗った柳瀬に対し、ソフトサンドちゃんは大波6連発の洗礼を喰らわせた。
そのままインサイドまで持っていかれた柳瀬。
普通の人なら絶対に岸に上がるほど打ちのめされたはずである。
なのに、彼は沖に向かってパドルを続けていた。

その後、3連、5、4のフィーバーがあったが、40分後、うねりが来なくなった時に柳瀬は砂を巻き上げるインサイドセクションを超えてパドルしてきた。

「いまだ!」

と手を廻し、早く速くはやく、ハヤクとおいでおいでをする俺。
沖にセットはまだ見えない。
なんとか滑り込みセーフ。

はあはあ、俺まで疲れたよ。

その後3時間に渡るセッションを行い、広々としたピークの上で、山々の連なり、大きな無人の砂浜を遠くに眺めながら、バレル、レイトテイクオフ、トップターン、カービングターン、江戸前プルアウト、火事場のアイランドプルアウト、スープの下グラブレイルと、

「しんのサーフィング」

を満喫しました。

この場合の「しん」は真でもいいし、芯、または神、信、深、辛、震、伸、進、沁、沈、心かなあ。

俺たちは岸に上がって、あらかじめアイスボックスに入れて用意してきたハイネケンビール(瓶)をゴポン(栓を抜く音)グビグビグビーっと!。

おいしー。

めでたしめでたし。

今日も生きています。
柳瀬も無事です。

ここからブルース・カイパンさんの投稿コラムの続編です。
ぜひ!

************************************************
(昨日からの続き)

「おい、ケン坊、手が震えてんぞ?それともアレか、女に振られたか?ガッハッハー」

健一郎の父、均が茶化してきた。

「ウッセーよ!」
「なんだと〜、親に向かってその口の利き方はないぞぉ」

いつもの調子の適当口調。営業一筋30年、阪神戦と晩酌しか楽しみのない54歳。

調子のいい所は好きだったが、健一郎にとって均は決してカッコイイ父親ではなかった。
マイク真木が父親だったらと、何度思ったかわからない。

「なんだ、ケン坊。悩み事なら聞いてやるぞ?」

普段なら絶対にこんなオヤジに悩みなど打ち明けないのだが、かなり切羽詰まっていた健一郎は堰を切ったように均に全てを話した。

「フ〜ン、そうか。ガキにもいろいろあんだな」

均はテレビの画面に映る「阪神×巨人戦」を観ながらそう言うと、金本のホームランに小さくガッツポーズして席を立った。
やっぱ話さなきゃ良かった。
一瞬でも均を頼った事を健一郎は激しく後悔していた。

しばらくすると、書斎という名の倉庫から均がアロハシャツを着て出てきた。

「ケン坊行くぞ!」
「どこにだよ?」
「そのブルドッグサーフとかいう店だよ」
「ブルックスだよ、行って何すんだよ!」
「いいからついてこい」

均の突然の行動に健一郎は戸惑っていた。
なんでこいつと?
なんでアロハシャツ?
さまざまな疑問点があったが、アロハを着た恰幅の良い均の後ろ姿が一瞬グレッグ・ノールに見えてしまった健一郎は、何かに吸い寄せられるように均の車の助手席に座っていた。

「おうっケン坊、テープ裏っ返しにしてくれ」
「またこれかよ〜!」

古ぼけたカーステからいつものように「六甲おろしオマリーバージョン」が流れてきた。

「オヤジ、オマリーバージョンはよせよ」
「ハハハ、ケン坊、オマリーバージョンはな、2番がイイんだよ。わかるか?わっかんねーだろーなー。おめーは巨人ファンだからな。1985年生まれのくせして巨人ファンとは、バチ当たりもいいとこだぞ」

そう、健一郎が生まれた1985年は万年Bクラスだった阪神が優勝した年だ。
均は続ける。

「お前が産まれた時な、名前を掛布から取って「雅之」にするか岡田の「彰布」にするか迷ったんだぞ」

「何回も聞いたよ!それか真弓か源五郎丸かって話だろ?真弓も源五郎丸も名字だから!って何回突っ込んだかわかんねーよ」

均は決まって車に乗るとこの話を始める。

猛反対の末、「健一郎」という名前にしてくれた母にはこの話を聞くたびに感謝していた。

「もうテープ出すからな」

イジェクトボタンを押してテープを取り出したその時、切り替わったAMラジオのナイター中継からは二岡の逆転スリーランを興奮気味に実況するアナウンサーの声が飛び込んできた。

健一郎は小さくガッツポーズして均にウインクしてみせた。

均は苦虫を噛み潰すような顔をして、「だから井川は替えるなって言ったのに」と言った後ボソっと呟いた。

「不吉だなぁ...」

(明日へ続く)
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プロフィール
名前:Naki 2009 または船木三秀
HP:NAKISURF
性別:男性
職業:専門職
趣味:海
自己紹介:
 11年暮らしたカリフォルニアからノースハワイ島に住みかえ、毎日クオリティの高い波で波乗りをしています。

 私は波乗り殉教者で、肩書きはプロサーファー、写真家、画家、ルポライター、デザイナーです。

 風が創ったさざ波が合わさり、遠くの洋(うみ)から陽の下、夜の中を駈けてきたうねりに乗る、というような気持ちで波に接している。
 その欲求と探求心は飽くことがないようで、小さい頃からの夢であった世界の海を旅し、自分なりのアウトプットを続けています。

 波を知ることは海を知ること。その深遠無限のインスピレーションを感じ、ゆらゆらと絡まった日々をこのブログで綴れたらなあ、と。

 そんな波乗りの奥深さ、その意識や感覚を文章、写真、絵で表現できたらと思っています。

 同業の方、同じ夢の方、海が好きな方、波乗りを愛する方、この場でお話しましょう。

 ありきたりの道具論に留まらないメッセージをみなさまと創ってみたいのです。

 また、カリフォルニア州、サンクレメンテ発のサーフショップ『NAKISURF.COM』も運営しております。

 こちらは長年培ったサーフ業界のコネクションを活かし、世界で一番誇れるWEB STOREを目指しておりますので、どうぞご覧になってください!

ぜひ!

 どうぞよろしくお願いします。
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