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(昨日からの続き)

コールのブラックダイアモンドを頭に光らせながらコーストを走らせていると、カーディフのパーフェクションが見えた。
Toddさんはいないかな?
とビーチに行くと、昨日優勝したタイガーウッズの1面記事が隣の車から飛び込んできた。
この近所のゴルフコースなので、不思議な縁を感じた。

タイトルは「Typical Tiger!」(タイガーウッズらしく!)
これは最終日で逆転勝ちをし、メジャー大会7連勝というキングタイガーに対する賞賛がこんなタイトルになったのだろう。
すごいや。



まだ寒いので、お隣のシーサイドに。
俺の好きなFJ5とパーフェクト波。



シーサイドは5人ほど入っていたので、ファーストインプレッションの良かったカーディフに戻る。

でも俺は誰もいないところ、マイナーな波が好きなので、今日は変だぞ?
と思いながら着替えていると、なぜここに来たのかが判明した。

先月のカリフォルニア帰路便(サンディエゴーホノルル)で偶然に隣合わせになったジョエル(・チューダー)がパドルボードでやってきたのだ。
本当に不思議な巡り合わせ。

ひょいひょいとボードをかつぎ、すーっと沖に出るジョエル。
波もこのようにJT歓迎表明。



彼の1本目を見届け、カーディフのパーフェクションに身を任せた。
でもToddさんはいないな。
仕事かなあ?
まあ約束もしていないからな。(笑)



海から上がるとソラナビーチの「SOLO」に行き、そこの少し悲しそうなマリアさまをカシャリ。







ラホヤに着いて、ある人を待ちながらランチ。

俺はパンケーキが大好きで、これはバターミルク・パンケーキ。
最初はバターだけで、その後お皿についたブルーベリーソース、最後にシロップをかけてペロリン。
おいしかった。



ある人の仕度が整った。

ある人はラホヤの老舗シェイパー、ティム・ベッセル!
ジャーン!
でも題名がそうだからばればれか。(笑)



ティムはピーター・キングを幼少からスポンサーし、タバルア島の持ち主で当世きってのチューブライダーのジョン・ロスマンのボードを支えるシェイパー。
これがトランスワールド誌に掲載されたジョンの一軍ボード。



そしてウインダンシーの伝説的なメインシェイパー。

俺たちはASRで会い、意気投合。
お店に行くね、という約束を果たしに来たらおしゃれなお店でさすがラホヤだなあ、とうっとり。



店内いろいろ。



こちらはロングボードサイド。
美術品ですね。
プラスティックバッグに入っているのはシェイプされたボード群。



これは彼のアイディアであるサーファーズイヤーを防ぐスプレイ。
オールナチュラルで大安心。
1本もらって試したけど、かなり調子がいい。



店内のサインもおしゃれ。



ティムは早くからパラボリックストリンガーに目を付け、進化させたのがストリンガーにカーボンファイバーを封入すること。
これによって、さらなる剛性を高めたのだ。

ストリンガーにはこうして貼り付けてある。



これがボードに入るとストリンガーに黒い線が現れる。
一本借りてきたからこれから乗ってみよう。



そのシェイプも超一級品で、人柄も良く、おしゃれなブランドBESSELLに魅せられたので、NAKISURFでの販売をすることに決定しました。

日本でのディーラーも同時に探していきます。
AVISOにもBESSELLモデルは5本あるし、まだあまり掘り起こされていないメジャーブランドがやってきました。
みなさまの暖かいご支援のほどをどうぞよろしくお願いします。


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2007年最初のビッグニュースです。

中村竜とコールのコラボモデルの発表です。
まだ試作段階で、これが第1号のプロトモデルです。

企業秘密なので、これを読まれてもまだ誰にも話さないで下さい。
なので、先週末のASRでも出しませんでした。
約束ですよ。

コンセプトは

1)車のトランクに入れておけるサーフボード
2)普通に乗れること
3)コールシェイプ
4)美形であり
5)厚すぎないで
6)軽く
7)ダイアモンドテイル
8)かっこよく
9)スタイリング
10)都会に栄え
11)飛行機のオーバーチャージを回避し、
12)どこにでも持って行ける

という1ダースの事項をコールに伝え、ここにようやく試作1号が完成しようとしています。

プロトタイプなのでオーダーはまだで、このボードで2月末中村竜と俺が日本でテストドライブします。
その場所は未定ですが、ニシサンズかヒロクンズ、またはグリーンヒルズという場所が濃厚。



ラフシェイプが終わったところで俺とコールのディスカッション。



うれしそうなコール。



シングルコンケイブがそのセッティング。



ロッカーバランスをコールがチェック。
短いボードなので、詳細まで慎重に数字を記入し、記録を取っています。

ちなみに長さは4'9"
竜号のトランクサイズです。



この後、細かいディテイルとコールレイルを削りだし、グラスショップに行き、日本に空輸して上に書いたテストとなります。

そして、俺はそれからサンディエゴに向かい、車の中で「ブラックダイアモンドこそ21世紀のサーフボードの進化(EVOLUTION)だ!」
と考えていると、前にEVOLUTIONというトラックがやってきて止まりました。
これにはびっくりして写真をカシャリ!



(明日に続く)


(昨日からの続き)

船木:
クロスは何を使っていますか?

コール・シムラー:
通常はe-dsizeとWARPクロスの組み合わせだね。
強いし、伸縮するのでサーフボードにはうってつけだね。
そしてブラックレーベルには、S(クロス)とWARPの組み合わせを使用している。
Sクロスは軽くて強く、すばらしいクロスなんだよ。



船木:
どうして全てSにしないの?

コール・シムラー:
高価格だからどうしても一般のボードには使えないんだ。
それをしたいけど、価格に影響するのは避けたい。
そこでブラックレーベルというプロ、特A仕様を設けて、そこでSクロスを使用して展開している。
そしてブラックレーベル・プロというボードも今テスト中。
これはジャストフォームとエポキシレジンを使用して、真空状態でラミネート(巻き)しちゃうんだ。普通じゃありえない組み合わせだけど、フォームに樹脂を吸わせないやり方を発見したんだ。
強く、白く、軽く、安定したボードになる。
ちょうど今、テストを終わらせたところで、もうすぐ製品化できるはず。
これが発売されたらすごいことになる。
夢の軽材質と、高耐久性の実現だ。
最近こういった材料の進化がすごいと思わないか?
クラークフォームがなくなって業界的にはよかったと思うよ。
もっとすごいのがNAKISURFから出てきたアイディアだけど、極端に短いボードというのは盲点だった。
RYUの案なんだろ?
もしかしたら3年後には主流になるかもな。
おもしろし、実現可能だ。
手軽で、安全でハンディ。
波乗りの世界を変えるデザインになるだろう。
そういえばRYUにスケルトンフィッシュは届いたのかな?調子はどうだって言っていた?

船木:
すごく良いようで、南房総と鎌倉でサーフした後、すぐにインプレッションを3000字以上書いてくれたんんだ。
RYUにマジックボードを一発で製作するとはコールもやるね。



コール・シムラー:
良かった。(安堵した表情)
体重からRYUの体型を想像して、彼のするであろう波乗りを想定してレイルとフィン位置を決めたんだ。
安心したよ。
彼はJPSAのプロサーファーと書いてあったけど、コンテストには出ているの?

船木:
いや、コンテストサーファーではなく、フリーサーファー。
主にトリップやクルージングに出て、たまに雑誌に露出している。
波乗りのうまさと心が同位一体となっているサーファーは少ないけど、間違いなく彼はその一人さ。

コール・シムラー:
こっちで言うとドノバンかラスタビッチだな。
彼と一緒にサーフボードをチューンニングしたり、デザインするのが楽しみだ。
カリフォルニアに来たら一緒にサーフしたいなあ。

船木:
言っておくね、彼はたぶんこのインタビューを読むだろうから伝わるはず。

コール・シムラー:
後、俺のサーフボードを乗っている、またはこれから乗るユーザー達にお礼が言いたいのだけど..。
シェイプがこんなに遅くても待っていてくれる、という多くのユーザーメイルをタロウが訳してくれて、俺は涙が出そうになった。
今まで以上にすばらしいボードに乗ってもらおうと、シェイプにまた新しい力が加わったんだ。
日本のみなさん、こころより感謝しています。
いつもありがとう!■
(了、1/4/07)

イナリーズは少し小さくなったものの、あいかわらずGOING OFF!

あっ、一句詠めた。

初春に すらり伸びゆく 虹の道



ハナレイで元WCTランカーのカイポ・ハキアスと偶然会った。
ハナレイビーチでライフガードをしていて、ワイルアじゃないの?
と聞くと、昨日からの巨大うねりでここの流れがすごく、救助件数が多いからヘルプしているとのこと。

こんな波でライフガードは命がけだろう。
まったくもってスゴイ島だ。
流されるのもあっという間だろう...。

さて、昨日のコールインタビューの続きです。



***************************************

(昨日からの続き)

船木:
次はボトムコントウァー(ボトム形状)ついて説明してください。

コール・シムラー:
今はシングルをセンターに据えてずばりと掘り、そこからダブルやトライに流している。
入る場所はエントリーロッカーの位置からバックフィンの手前までをコンケイブエリアとし、そこからテイルまでをVEEにして、ボードエンドで水を逃がしながらレイルワークを容易にさせている。
これには例外があって、ピストル(ガン)系のボードはロッカーが多めについているから、VEEは必要なく、そのままコンケイブで最後まで引っぱっている。
多くの人がコールデザインを誤解していて、ほとんどをダブルコンケイブだって言うけど、シングルが基本で、その上にダブルをあつらえている。
シングルコンケイブ重視ではないことは確かだけど、よく見るとダブル、トリプルとコンケイブをいかに複雑にして、なおかつ水量を均等に流しているのがよくわかるはずだ。
そのコンケイブについて説明すると、ダブルはボードを浮かせやすく、スケーティング(コントロール)がしやすい利点を持っている。
シングルはスピードを出せる。
小波用は深く、いい波用は浅くとね。
また、シングルだとこの波だと速いけど、今日はだめ、となるときがある。
それでその両方の利点を活かすように複雑にしているんだ。

船木:
エントリーロッカーの位置って決まっているの?

コール・シムラー:
およその範囲で決めている。
ボードの性格によって、少しづつ位置を前後しているが、基本はノーズから1’3”(約38.1cm )がその位置。

船木:
それではAVISO FFにも採用されたグラブコンケイブ(レイルチャンネル)について教えてください。

コール・シムラー:
あれはね、今流行のパラボリックストリンガーの原型なんだ。
レイル剛性を高めることによりターンの精度をアップさせられるのさ。
踏みこんだ時のしなりはそのまま、そしてそれにレイルが反発する。
反発すると、ボードのレスポンスが良くなるから波のポケットでより高度なサーフィングを可能とする。
考え出してからすでに6年くらい経っているけど、みんなようやく目を向けてきた分野だね。
最近出てきたFIREWIREもそれに準じているんだ。
そういえばFIREWIREボードって見た?

船木:
昨日メイヘムと一緒に製品版を見たところ。
サンプル版と較べて、安っぽいというのが印象だったなあ。
なんでも宣伝にみんな予算を使っちゃったみたい。(笑)
NAKISURFにいたダン・マンはサンディエゴ工場でこれを作っているけど、これから大変なのかも…。
まあある程度は売れると思うけど。

コール・シムラー:
売れるに決まっている。
なんでもタジ・バロウに10万ドル(約1200万円)もの契約金を出したそうだし、それで売れなかったらかわいそうだよ。
さて、そのグラブコンケイブだけど、そうやって木材を使用しなくても同様の伸縮と剛性が表現できるということをネイト(ネイザン・フレッチャー)と証明してきた。
環境にもやさしいしね。(笑)
これが入ると浮力が変わるのでは?とよく質問されるけど、同等の浮力だし、デッキ側にあるので何も問題ない。
パイプラインであれだけテストされてきたし、それには自信を持っている。
今までは性能を知られていなかったこと、そして金額的に少し高くなったからあまりみんなはオーダーしてこなかったけど、EPSパラボリックストリンガーやFIREWIREが話題になり出してから、オーダーが飛躍的に増えた。
みんな雑誌をよく読んでいるなあ、と。(笑)

(明日へ続きます)



↑これはコール自身のサーフィング。サーフィング誌の目次になっていた。サンクレメンテピアで巨体をうまくかがめてバレルイン。少年時代はディノやアーチと競っていた腕前は半端じゃない。

新年になって、ものすごいうねりが届いている。
少しグロッキー気味です。

今日はさらにサイズアップし、こんな波がブレイクしています。
イナリーズもそろそろ本気を出してきたようで、こうなるとなかなか手をつけられないのも実情。



実際に見ると、恐ろしく、写真で見るとマンガみたい。
信じられない。
これは8フィート(トリプルオーバー)近くある波のホスピタルセクション...。
サイドカレントがすごく、時速4マイル(約6.4km)で流れています。
かなり速く、今までの記録かも。
ショアブレイクで立っていられずに、足が付くと転ばされる。

さて、新春企画第一弾として、昨年末に行ったコールインタビューに今日コールと話して、一部加筆しました。

彼の確かで豊かなサーフボード理論がわかると思います。

*******************************************



Cole interview 2007!

船木:
コール、今日はボードの話をしよう。
細部に渡って、誰にでもわかりやすく、詳しく説明して欲しい。
時間は大丈夫でしょ。
まずはレイルかな?

コール・シムラー:
どんな説明をすればいいんだ?

船木:
レイルって色々あるでしょう。
丸かったりエッジがついていたり、それってどうやって位置を設定、または設置しているの?

コール・シムラー:
じゃあまずはエッジの話をしよう。
たぶんNAKIの言っているエッジというのはタックエッジ(TUCK EDGE)のことだと思う。これはボトム面が少し角張っているのだけど、これは主にテイルに付けられていて、サーフボードをコントロールするのに必要だ。
でも、このタックエッジの面積、いや距離が多くなると、逆にコントロールが難しくなる対極の性質を持っているから少しやっかいとなる。
だからノーズからずっとフロントフィン付近まで丸いレイルで落としてきて、バックフィンでこのタックエッジをつける。
この角度も重要で鋭ければ鋭いほどターンの角度に敏感で、ある一定のターンでないと機能しなくなる。だからある程度丸めてあげてフォーギビング(許容範囲を広く)させるのさ。
このタックエッジのついている範囲が短くなると、サーフィングはよりスナッピー(切り返しが鋭く)となり。長くなると、食い付きすぎて、スピードが遅くなる。でもこれがないとヌラヌラした波乗りとなり、乗っていても波乗りがつまらなくなる。(笑)
俺はテイルから計って1.25’(約38cm)のところから始めるようにしている。
でも、ボードの性質でロッカーを多く付けたボードは少しノーズ寄りから始まり、テイルの少し前で止めたりもしている。
いつも言っているけど、ボードシェイプは数字じゃなくて、全てが合わさった協調、つまり交響曲のようなもので複合の美なんだ。
だから自分のサーフィンをスナッピーにしたかったら、タックエッジだけではなく、全てをいじる必要があるんだ。
オーダーカードに「タックエッジを強めで短く」って書いてきても、このユーザーがサーフボードに詳しいなんて思わないし、どうせ誰かの受け売りだろう、って疑うよ。
いいサーファーからのオーダーって、「こんな波乗りがしたい」って、かなり漠然としているから。(笑)



船木:
レイルの次はロッカーについて教えて。

コール・シムラー:
ロッカーも魔物だなあ。(笑)
まずはエントリー(始まり)のロッカーだけど、これはテイクオフするときに胸をボードに近づけて、低い姿勢になる。
その姿勢でエントリーロッカーがマキシムになるように設定している。
平らになるほど、最大限のボード浮力を使える。
ということはテイクオフやパドリングが速くなる。
そのまま本ロッカーに入ってくるわけだけど、ここはアウトラインが重要で、ロッカーはアウトラインと3D曲線でつながっているのはわかるでしょ?
俺が分析すると、オーストラリアのボードはロッカー、さらにはテイルキックが強いというのが特徴で、これはパワーのあるいい波ならいいのだろうけど、カリフォルニアや日本の波だとスピードが出づらい。
小さい波で速度と距離を稼げるのはこのロッカーバランスによるもの。
これは乗っていると気がつきにくく、ライダーはロッカーがある方を「ボードが動く」と評価しがちだけど、ビデオを撮影すると「実はロッカーがある方が遅い」ということが判明するだろう。
次にテイルロッカーだけど、リフトさせた方がターンしやすいのだけど、ありすぎるとターンの時にスプレイが飛びづらいから、この微妙なところを調整するというのがシェイパーの腕の見せ所さ。
ボードデザインによって、正しい量や角度のロッカーがあるからそれをボードデザインに反映させているんだよ。

(明日に続く)



昨日AVISO社からモニター用のボードが3本届いた。
そして俺用の50/50ウエイブスケートも入っている。

宣伝するわけではないが、弊社の重厚梱包(笑)をほどくと、その中の一本に一目惚れした。

このボードはサイズが6.2と少し細身で、ものすごい速さで走りそう。

前にシエィ(・ロペス)と話したときにこのモデルの話になって、「6フィートのハレイワ、ログキャビンで乗り、調子が良くて驚いたよ」と言っていたことを思いだした。

その時はAVISOというものは少ししか知らなかったので、ジェフ・ジョンストン、6.2、ラウンドピンというキーワードを記憶していた。

その新品が俺用に届いたことに高いフォースの合致を感じてしまった。(笑)

さて、AVISOはみなさんもご存じのようにモールドツールからの高精度複製なので、寸分違わぬボード製造が可能な未来ボード。
だからシエィの乗ったマジックボードが新品でここにあるのです。

簡単に言うと、AVISOは超品質クローンだから、自分のマジックボードが出現すれば、もし無くしたり、落としたりしたとしても、モデル生産を継続している限り全く同一なものが手に入るのです。

未来派だなあ。



さてさて、
今日のイナリーズは北西からうねりが入ってきて、4フィートオーバーのコンディション。



これは、この波を拡大したもので、バレルに入るとこんなキラキラが見える。
今まで幻想だと思っていたけど、ちゃんと映っていた。
そういえば今日は朝だけ快晴で、その後曇天だった。
「早起きは三文の徳」だね↓




先日の巨大南うねりで岸に砂が上がってしまい、バックウオッシュが入るようになってしまった。
クローズアウトも多く、普通のボードならかなりの確率で折ってしまうだろう。

普通のボードにくらべて7倍の強度を誇るAVISOのお披露目&テストには完璧。

コードネーム『AVISO-6.2-JJ』の初乗りだあ。



安定したテイクオフ。
こんな傾斜の斜面でもこの通り。



高速になっても変な浮き上がりはせず、またレイルもどこも引っかからずにバレルセット。



このまま走るだけ走って、あと2mで出口、というところで一気にバレルは10m伸び、ギロチンスラム。

しかし、ボードはもちろん無傷、俺は笑顔。

アヴィソ来て 高速滑降 イナリーズ

次の波が来る前に
という歓句を詠んでしまった。

詳しい人はおわかりですが、この季語はイナリーズ(冬)ですね。





ハニコムヴェクターをフロントに付け、F3ハニコムをバックフィン。
高精度ボードには高品質フィンをね。



『AVISO-6.2-JJ』は満点合格です。
ということで近日中にNAKISURF内で取り扱います。

適正体重が
72-78+ プロ
68-75+ 上級者
62-72+ 中級者
40-68+ 初心者

ちなみに私の体重は62kgです。

「ジェフ・ジョンストンって知ってる?」

ってマット(メイヘム)に電話したら

「ものすごくいいシェイパーだぞ。お前知らなかったのか?」と驚かれた。

学校で習っておけばよかった....。
人名辞典はどこですか?





あり余る時間と情熱にあかせて、さまざまな場所で色々なサーフボードに乗ってきて、気づいたことがある。

それは、「初めてサーフィンをした波質が、自分の好きな波を形成している」ということだ。

私は鎌倉は七里ヶ浜のリーフブレイクでテイクオフを知った。
若布の季節で、ワイプアウトをするたびにそれが顔に覆い怖かった思い出があるから初春の干潮だったのだろう。

そこで波のある日は、一日中波乗りをしていた。

疲れ果てて上がると、江ノ島と小動岬の向こうに沈む透明な夕陽にうっとりとして、近づく江ノ電の汽笛にしびれたのだ。

今でこそベン・ハーパーという高尚な音楽を聴いているが、当時はYMOかサザンオールスターズ一直線で、また準備体操にはストレッチなどなく、ラジオ体操風を適当にして、海に入っていたのだからいい時代だったのだと思う。

俺の波乗りを始めた場所、この波質は、テイクオフをすると3mくらいの壁となる。

本当はもっと長い壁だったのだろうが、初心者なのでショルダー側からテイクオフをしていたのだからこんなものだろう。

そのままそれを突っ走り抜けると、その壁が手前内側に曲がり、その角度に合わせてボードを傾けてカットバックする。

泡が近づくと重心を低くして落ちないようにして、泡に押されたボードと俺はそのまま岸まで何度かチョットバックという偽ターンをしながら乗り、エイヤッとプルアウトするのが極上の満足ライディング、これがオガマさんやカカイさんという超大先輩たちの言うところの「マンライ」であった。

そのマンライが一日に3本出ればしめたもので、当時酒を飲まなかった俺は藤沢吉野屋に原付を飛ばし、景気よく牛丼大盛りを食べたものだ。

そんな名水鎌倉でサーフしていたと思っていたら、茅ヶ崎のビーチブレイクに越し、カリフォルニアに渡り、いつのまにかノースハワイに来ていた。

こちらは世界の名水で、有名な大波がバンバンとやってくる。

大波も毎日あると飽きてくるもので、というよりスリルは疲れることに気づき、南西の小さなリーフ波に行ってみようと思い立った。
ここは夏のブレイクなので、こんな季節には人などいない。
たまにいても観光ガイドを読んでやってきたツーリストで、波を待つ場所がオフセットされているのですぐにわかる。

ここには丸いノーズラウンドノーズ・フィッシュ(RNF)系がよく合うので、AVISO RNFからQちゃん、はたまた12年前の創世記RNFなどを持っていって、ジャキッとターンしたり、大きなカービングでトム・カレンを気取ったり、ノーズライディングを決め、「もうジョエル・チューダーは過去の人だ!」とひとりつぶやき、胸を張る。

だが、それは頭の中に発生した幻視、幻想であることは知りながら、舞台に上がった役者のように入り込んでしまう自分であった。

実際にジョエル本人と会うと、そんなことを忘れ、「世界一のサーファーだ!」感動してしまう軽薄な俺も知っている。
(実際に世界一と思うサーファーはジョエルの他にも多く、その都度変わる変動制の象徴なのを理解してほしい)

そんなある日、コールがメイヘムからRNFデザインを盗用したブレットフィッシュ(以下BLF)が届いた。

ブレットとは弾丸という意味で、弾のように速いフィッシュということからこの名が付いたという。
メイヘム版と、このコールBLFの大きな違いはレイルフォイルと、少し尖ったノーズとテイルキックだろうか。
コールのレイルフォイルが微かに繊細で、ノーズは尖り、テイルキックがほんの少し付いている。

これら両デザインはリリースから10年は経っているので、すでに完成されているのだろう。

みんなが気になる感想は、率直に「とても優れていて、どちらが調子良いか判断できないです」という優等生な意見を述べるが、やはり選択にあたってはブランド名で、またはロゴマークのかっこよさ、評判、友人関係、家庭環境、学歴、職歴、年収や、インスピレーションで選ぶといいだろう。

きっとその違いでしかない。

以前オリンピックをTV観戦していて気づいたのだが、パラレル大回転(giant slalom)競技決勝で、1位から10位までのタイムの差が1秒にも満たないことを知って驚いたことがある。

世界中から選ばれた選手、その技術、体力、体型の差がたったコンマ何秒の中に閉じ込められていたのだ。

先日のパイプラインマスターズ決勝でもそうだ。

ケリーの波よりアンディの方がわずかに上回っていただけだ。

彼らには差などなく、それぞれの波の選択が大きな違いとなったのだろう。

一流となればなるほど、その差は狭まるのだ。
これを用いて説明すると、BLFとRNFの相違点を説明しやすいと思う。

さて、波に戻ろう。

このリーフ波の特色は、小さくても大きくても変わらない緩やかな斜面につきる。
カリフォルニアではサンオノフレやトレッスルズ、日本だと御宿や鎌倉を想像するといいだろうか。

その長く伸びた斜面は無風コンディションと相まって、滑らかにフェイスをギラ反射させている。

冒頭に出てきた初めて乗った種類の波だ。
深い愛を捧げたいほどの波質。

美しい…、と見とれながらしっかりとパドリングをして、BLFを波に漕ぎ入れ、トーンと両足を一気に乗せ、遠くまで伸びたショルダーの向こうまで走り抜けたい気分になるが、あえてゆらゆらとファーストセクションにターンをかけていく。

一回のターンをきっかけとして加速する。
そして、もう一回とさらにターンをすると、追加速し、これで最高速となった。

そのままボトムでボードをスクエアに(思いきり)寝かせ、そのままトップに跳ね上げると、ボードは狙ったところに見事に駈け上がった。

ボードの裏側で重い波先を受けながらテイルを返すと、さらなる加速を感じ、今度はさらにフックの先にまで出て、大きなラウンドハウスカットバック(RHC)をしかける。

RHCの成功の鍵は、トップから向きを変え、最後にはスープに当て込むリエントリー(再入場)までを100%として、それぞれのステージにその100を割り振るとやりやすいだろう。

例えば、最初の向きを変えるトップターンに20%、そしてそれを10%でボトムまで持ってきて、ボトムからトップにあげるのを40%、最後のリエントリーに30%を使うというメカニズム。

または最初に15、それから10、ボトムで25、最後のリエントリーに残りの50%を惜しげもなく使うと、ものすごい返しとなる。

そんな種類、バリエーションを考えながら波を乗り継ぎ、スケーティングして、最後はスピードが残っているところで、「ズバン」と威勢良く江戸前プルアウトだ。

無論これはマンライである。

“俺は今生きている!”
と感じ、湧き上がってくることがあるが、それはだいたいこんなマンライのときだ。

あまりにもうれしいので、パドリングをいつもより強めにして沖に戻る。

沖に戻ったところで、腹の前あたりに何か見えるので「?」と思いよく見ると、空の雲が海面に映りこんでいた。

上を見上げると、海面に映っている雲よりしっかりとした輪郭の雲が3つ、青く広い空に浮いていた。

詩的な表現で恐縮だが、こんなにもゆったりとして、満ち足りた気分にさせてくれたBLF。

BLFにありがとう、波にもありがとう、ハワイの海にも、コールにも、健康にも時代と、太陽へと、感謝の気持ちがとめどなくあふれた。

まとめるとBLFの早いテイクオフ、あっというまの最高速、精確で流れないターン、歯切れ良く、やわらかく艶のある動作、女心がわかり、瞑想させ、精神を浄化し、世界に感謝させてくれるサーフボードはそうざらにはないだろう。

ひと昔前だが、一家に一台カラーTVという時代があったように、

空に雲 みんなで乗ろう BLF(ブレットフィッシュ)

というキャッチコピー句を詠んでみた。













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プロフィール
名前:Naki 2009 または船木三秀
HP:NAKISURF
性別:男性
職業:専門職
趣味:海
自己紹介:
 11年暮らしたカリフォルニアからノースハワイ島に住みかえ、毎日クオリティの高い波で波乗りをしています。

 私は波乗り殉教者で、肩書きはプロサーファー、写真家、画家、ルポライター、デザイナーです。

 風が創ったさざ波が合わさり、遠くの洋(うみ)から陽の下、夜の中を駈けてきたうねりに乗る、というような気持ちで波に接している。
 その欲求と探求心は飽くことがないようで、小さい頃からの夢であった世界の海を旅し、自分なりのアウトプットを続けています。

 波を知ることは海を知ること。その深遠無限のインスピレーションを感じ、ゆらゆらと絡まった日々をこのブログで綴れたらなあ、と。

 そんな波乗りの奥深さ、その意識や感覚を文章、写真、絵で表現できたらと思っています。

 同業の方、同じ夢の方、海が好きな方、波乗りを愛する方、この場でお話しましょう。

 ありきたりの道具論に留まらないメッセージをみなさまと創ってみたいのです。

 また、カリフォルニア州、サンクレメンテ発のサーフショップ『NAKISURF.COM』も運営しております。

 こちらは長年培ったサーフ業界のコネクションを活かし、世界で一番誇れるWEB STOREを目指しておりますので、どうぞご覧になってください!

ぜひ!

 どうぞよろしくお願いします。
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